beautiful songs from Donegal

11月4日 金曜日 晴れ

明るい話題でも。

山から帰ったら、アイルランドはドニゴール在住のシンガー・ソングライター、Ian Smithから新しいアルバムが届いていました。前回と同じく、ドーナルの弟、マナス・ラニーのプロデュースです。

僕は彼の地で、イアンにたっくさんのことを教えてもらいました。あちこちのディープなパブに連れていってくれ、僕はミュージシャンとしての腕を磨きました。故フランキー・ケネディー(アルタンの創設メンバー)を偲んで行われる年末の由緒正しきイベントで歌えるように手配してくれたのも彼。何よりも、僕がドーナルやシャロン・シャノンを迎えて「the homes of Donegal」をカバーできたのも、彼がこの曲を教えてくれたからです。

12月にリアム・オ・メンリィと相馬を訪れますが、震災後、僕を心配して、多くのアイリッシュが連絡をくれました。「お前、大丈夫か。いつでもドニゴールに逃げてこい。みんな歓迎するよ」。多くはそんな内容でした。彼らの「情」の深さ、そしてコンパッションにいつも心を打たれています。

ところで、相馬から「オブラディ・オブラダ」を施設の子供たちと演奏して欲しい、とリクエストが来ました。いつも音楽祭で歌っているのだけれど、今年はそれが開催できず、モチベーションが上がらないのだと。おー、よろこんで。ところで、この曲は施設の長である佐藤さんの作詞なんだけど、読んだだけで涙っつーか、なんつーか、その、是非リアムも参加してもらって、子供たちと音楽で繋がりたいと思ってます。

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僕は相馬、好きだよ(作詞/えんどう豆 佐藤定広)

1.
梅雨の開ける相馬に、旗がなびくよ
野馬追の法螺の音、街に響くよ
城に集う武者たち 風が騒ぐよ
街の人は千年、守ってきたよ
みんな思いつないで、誇りをもって
君と暮らすこの街、守りたいんだ

僕は相馬、好きだよ どこに居たって
なつかしいふるさとの 温もりがする

2.
宇多の流れ 清く 松川浦へ
うまいホッキと魚  食べにおいでよ
海は青く 鹿狼の 山は緑に、
子どもたちは遊ぶよ 自然の中で
つらいことがあっても  諦めないで
みんなでつくろうよ ぼくらの街を

僕は相馬、好きだよ いつの日だって
きっと元気な君、できるはずだよ。

3.
さくら咲く馬陵の 城を歩けば
ひばり空を高く、さえずる街よ
冬が来て鹿狼の 山に光が
灯る頃に君は 帰ってくるよ
子供たちの瞳に 映る明日は
未来見つめ 夢にあふれているよ

今は君と別れて、暮らしていても
僕は君が好きだよ どんな時でも

今は君がいれば、何もいらない
いつか普通の暮らし、必ずできるよ

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はてさて。話をイアンに戻して、と。彼は去年60歳を迎えたのだけれど、歌い続けることの意味を新しいアルバムで教えてくれます。CDをプレイヤーに載せると、ドニゴールの風がぴゅーっと部屋の中を吹き抜けていきます。素晴らしい。CDに添えられていた手紙には、「いつかヒロシと日本を小さなツアーで廻るのが夢なんだ」と。イアン、そんな夢ならいつでも叶うよ。もし、彼の音楽、気になる人がいたら、出来たばかりの彼のサイトにアクセスして、メッセージを送ってあげてください。英語が下手でも大丈夫。何っつたって、僕のぶっ壊れた英語はいつも彼の地の酒の肴っすから。大切なのは心だよ。何だか、彼の音楽を聞いていると、自分の「良心」ってのが何処にあるか分かる。そこから素直に生きればいいんだってことを教えられるのです。

http://iansmithmusic.net/

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今日は特別に、イアンと僕がドニゴールのディープなパブで「the homes of Donegal」を日本語と英語で交互に歌ってセッションしてる音源をアップしておきます。どうぞ、ダウンロードしてちょんまげ。楽しんでね。

「The homes of Donegal / Ian Smith & Yamaguchi Hiroshi (Live at Donegal, Ireland)

Homes_of_Donegal

1995年、studio voiceの取材で。イアン44歳、ヒロシ31歳。

1995年、studio voiceの取材で。イアン44歳、ヒロシ31歳。

同じマーチンD-28を使っていたので、ユニット名はMartin Bros。

同じマーチンD-28を使っていたので、ユニット名はMartin Bros。

見張塔のある僕の聖地で演奏する筆者。

見張塔のある僕の聖地で演奏する筆者。

素晴らしいアルバムです。

素晴らしいアルバムです。

メッセージ、読めるかな?

メッセージ、読めるかな?

何にせよ、歌い続けるってことは、すごいよ。

何にせよ、歌い続けるってことは、すごいよ。

追伸

アイルランド大使館を通じて、アイルランドの子供たちに「被災地を思って絵を描いて欲しい」と頼んでいたのですが、第一陣が届きました。号泣。コメントしなくても伝わるよね。子供たち、関わってくれた人たち。ありがとう。ARIGATO! Go raibh mile maith agat!

 

 

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beautiful songs from Donegal への2件のコメント

  1. けいこ より:

    今日、よく行くお店で故郷を愛するまっすぐな心に触れました。
    本屋でなぜかアイルランドの本にばかり目がいって、いくつかの本に目を通しました。
    そして帰ってきたら、故郷を愛する佐藤さんの詞に触れ、温かいアイルランドの音楽を聴くことが出来ました。
    素敵な音楽、素敵な偶然をありがとうございます。

    歴史、文化、信仰など知らないことばかりですが、いつかアイルランドの空気に触れたいです。
    まずは英語と貯金からなので、いつになるかはまったく未定ですが…(恥)。

  2. c より:

    こどもたちのカラフルな色使いにあたたかさや元気をもらいました。
    人と関わることが怖かったり、傷つきたくないこともあるけれど
    やはり人は人の温かさで、また生まれ変わり強くなることができるのですね。

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