都会に帰る

9月14日 土曜日 曇り 

 ひとつき山で暮らすこと。

 あんなことをしよう、こんなことをしよう。頭は妄想で膨らんでいたけれど、とうぜんそんなに生易しいものであるはずがなく、労働に明け暮れ、ともだちと酒を酌みかわし、焚き火をし、羽虫にやられ、運動をし、山に登り、たくさんの曲を書いて、今日の深夜の船にバイクを積んで、丸一日かけて都会に戻ります。

 素晴らしい日々でした。

 自分でアクションを起こさなければ、なにも起きない。誰かが何かをやってくれるわけではまったくない。それゆえ、何でもできるようになっていきます。人としての生存のためのスキルが上がるというか。ナチュラルにいろんなものが壊れていくスピードより、自分の努力が勝ったとき、事情が逆転して、いい環境になっていきます。笑。元気がなかったともだちが元気になったり、欲や得が目的ではない人間関係がどんどん繋がっていったり。宇宙はちゃんと見ていてくれるんだなぁ、と。

 なによりも。

 たいせつなものと、そうではないものの見極めが簡単になりました。もう虚構はどうでもいい。そんなことにつきあっているほど人生は長くない。というのも、僕の曲や演奏は宇宙と繋がっているからです。僕はただのイタコ。「考えない」という精神の深みに到達できた日々でもありました。曲を書こうと奮闘するのではなく、いつも空っぽの器でいること。その方がはるかに大事なのだと。空っぽにしておけば、その器には水が注がれるのです。

 そこに呼応して生きることは「謙虚」になるってことでもありました。おおまかに言って、エゴではなく愛に生きるってことです。そうすれば、大きな円環を生涯かけて描くことができる。そう感じています。

 実は住処を探しています。いろいろ難題はあるけど、ここに住むのはありだなぁ、と。だって、子供の頃に「ここに住む」って決めたんだもん。笑。親父に連れられてはじめて高原の緑と目にした瞬間と今の気持ちは1ミリも変わりません。

 インスタのストーリーズにいろんなものをアップしたのは、決して自分の充実した暮らしを見て欲しいからではありません。充実というよりは苦闘だし。笑。選択肢のひとつとして、責任を自分で取ることができるなら、こんな時代でも少しは自由に生きていくことができる。僕が自然から受け取ったそんな「励まし」をみんなにシェアしたかったのです。

 ソロツアーで各地に行きます。会いにきてください。だいぶ、野生化してると思います。

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都会に帰る への1件のコメント

  1. M I N より:

    博多でのライブ、とても良かった。
    今日のブログで書かれている事、私もそうなりたいと思いました。
    やってることの努力の差は雲泥の差がありますが、このまま正直に生きて行こうと思わせてくださる内容でした。
    ほんとうにありがとうございます。
    気を付けてお帰りください。

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