Recording day#096

10月31日 金曜日 曇り 

 というわけで本日、アルバムが完成する(はず)。

 この一年を振り返って、なんとなくピシっとしてスタジオに行きたくて、昨夜着ていくジャケットを選びました。って、選んだのは結局Pコートだったけど。笑。

 昨日はにゃんと、少しだけ時間ができたので、某所でワールドシリーズを観戦しました。昨今のメジャーリーグはデータ重視で、ありとあらゆるデータが画面に映し出されるんだけど。なんだか違和感あったなぁ。たとえば高校野球。未熟ゆえに彼らは純粋なので、こころの動きが顔に如実に表れるのです。ピンチの場面で、ピッチャーとバッターがアップで映し出されたなら、85%くらいの確率で次の展開がそこに書いてある。それがこころを動かすのに。

 データには表れにくい部分。野球だけではなく、この世界全体に言える、アルゴリズムでは測れないニンゲンという動物が本来持っているところの「迷い」だったり「揺れ」だったり。逆説的に言えば、それが複合的にヒューマンな「流れ」を創るんだと思うのです。だから、面白いし、めんどくさい。てか、それがヒューマニティーってやつじゃないのかな?

 たとえばね。昔乗っていたビートルって40馬力しかないんです。データ的には今の軽自動車よりも非力。でもリアエンジン、リアドライヴ。水平対向4気筒。めっちゃトルクフルなんです。だから、トラクションがリアにかかってるのが如実にわかって、運転していて無茶苦茶楽しい。ステアリングとタイヤがダイレクトに繋がってる感じがするんです。それってデータじゃ語れない。スペックだけじゃわからない乗り味ってものがあるんです。昨今の電子制御も確かにすごいんだけど、インパネがiPadみたいなクルマにはどうしても乗りたくないんです。

 話を戻して。

 「流れを読む力」。それこそ、僕が一番音楽でたいせつにしたい部分なので、時代に逆行して、レコーディングにクリック(メトロノームのようなもの)は一切使わないし、コピー&ペーストもしないし、音程を修正したりしないのです。その積み重ねが揺るぎない個性になって耳に届くのだ、僕は信じています。

 どうして60〜70年代の音に惹かれるのかって。その当時チューニングメーターが普及していなかったのです。それゆえ、ミュージシャンは耳で合わせてた。その揺らぎがあの雰囲気を作ってる部分は大きいっすね。それと、やり直しがあんまりできなかったこと。制限は人を育てるんです。頭を使うからです。

 ドジャースの監督はにゃんと歳下。笑。すごく大変な立場だと思います。でも、どう見ても7回のピッチャー交代はない。ああ、流れが壊れる。試合が終わる。結果はその通りになりました。勝敗がどちらに転ぶのか。首脳陣の舵取りの責任は重い。それは国に置き換えても同じです。だからこそ、データに表れないヒューマニティーを大事にしてほしい。

 新庄監督の采配は奇策に見えるかもしれないけれど、彼の頭の中では「流れ」が見えていて、必然なんだと思うのです。客観性もすごくあるし、とってもクリエイティヴな人だと思います。ああ見えて、ちゃんと下地としてデータも頭にインプットされてる。なによりも愛がある。選手に観客に、野球そのものに。それこそ2025年のヒューマニティーじゃないのかなぁ?

 金満球団は昔から応援したくないので、巨人はもちろん、阪神は関西の巨人だし、ソフトバンクは九州の巨人だし、ヤンキースもドジャースも応援しません。でも、たまにちゃんと野球を観るととっても面白い。教えられること、たくさんあります。ブルージェイズのルーキーのピッチャー、数ヶ月前まで1Aにいたんだと。その彼がバッタバッタとスーパースターを打ち取っていくのがカッコよかった。一方、7回に救援であがったドジャースのピッチャーは顔がこわばってた。そりゃ、そうだよ。あんな場面で平静でいられないって。暴投を繰り返して試合を壊した。酷だよなぁ、、、、。でも、あれは采配の責任だと思うのです。

 長くなりました。

 なにが言いたいかって。データがすべてじゃないってこと。ナビに頼ったらバカになるってこと。いざってときに家に帰れなくなる。逆に言えば、「流れを読む力」があれば、人生ドン底なら這い上がるしかないってことがわかる。それって人生そのものなわけで。

 野生の呼び声を聞いてください。あなたの中にもそれはあるから。

 てなわけで、マスタリングに行ってまいります。ひさしぶりに、僕はソファーに座って後ろで聴いてるだけです。めっちゃ楽しみ。

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Recording day#096 への1件のコメント

  1. 平田雅士 より:

    山口さんの野球論、毎回面白くて野球小僧としては勉強になりとても好きです。
    山口さんとキャッチボールするのが僕の夢のひとつです(笑)

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