エグベルト・ジスモンチ

4月12日 日曜日 晴れ

これまでにいったいどれだけの音楽を聴いてきたんだろう、と思うことがあります。

増殖し続ける音盤に恐怖を感じて、CDはほとんど譲渡し(売るのは嫌なので)、アナログ盤数百枚だけ残しました。だって、オレの脳みそという大して素晴らしくもないハードディスクにボケない限り刻まれてるんだから、もういいか、と。

世界中の音楽を知ったつもりでいるけど、実はそんなことはなくて、62歳になってもとつぜん驚愕の才気に触れることがあります。いつも思うんだけど、知らないことはなにも恥ずかしくなくて、知ろうとしないことが恥ずかしいのです。

 

エグベルト・ジスモンチ、その人。


もちろん名前は存じていましたが、その演奏にまっすぐに触れたことはなかったのです。いつもその審美眼に一目置いてる人物が僕に紹介してくれて、一聴して顎が外れるくらいの衝撃を受けました。てか、外れました。では、まずそれを。

 

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あれ、エグベルト・ジスモンチって複弦のギター弾いてる人じゃなかったっけ?って。

作為じゃない音が彼自身から溢れ出してる。瑞々しく。とめどもなく。そして循環してる。僕も音楽を生業にしてきたので、わかります。このお方、作為じゃない。かつて一緒に演奏させてもらった人物に例えるなら、リアム・オ・メンリィやスティーヴ・クーニーみたいな宇宙と通じている(直結している)選ばれし民。すべての概念から桁が外れている人。きっとempty (空っぽ)なんだと思うのです。

すごすぎる、、、、。一発KOでした。ちょっと立ち上がれない。笑。

 

ある意味便利な時代です。好きじゃないけど、youtubeで擬似体験はできる。

次に撃ち抜かれたのがこれでした。

 

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僕もね。48年間ギターを弾いてるんです。だからお伝えします。これは、とんでもない。想像だけど、このお方はギターに於いてアカデミックな教育は受けてないと思います。発想と弾き方が完全にオリジナル。この野獣感というか、失礼な言葉遣いでお伝えするなら強力なピアノとは違う「野良感」に完全にヤラれました。生き方がめっちゃロックンロールじゃんって!

すべてのボーダーを完全に超越していて、国境とか、ジャンルとか、楽器の種類とか。。。すごすぎる。

 

デビューしてすぐの頃、矢野顕子さんに渋谷ジャンジャンでの弾き語りコンサートに誘っていただきました。でね、コンサートを通じて、僕が知ってる和音がほぼなかったのです。渋谷駅ですごく落ち込んだのを覚えています。オレは果たしてミュージシャンとしてやっていけるのかって。で、はたと気づいたのです。誰でも知ってるGとかDとか。そんなベタな和音で生きていけばいいんだって。でもオレにしか弾けない、誰が聴いてもあれはヒロシのDだって。そこを目指せばいいんだって。

 

そういう気づきをあらためて、もっとすごい形でエグベルト・ジスモンチさんに教わった感じです。

 

10年ぶりに来日するそうなんです。巨人を熱意をもって呼んでくれた人たちがいて。音楽愛に胸が熱くなります。でも、自分のライヴとかぶっていて、行けそうにない。泣。最後の来日かもしれないのに。

 

余談だけど。若い頃、サンフランシスコでグレイトフル・デッドを体験するチャンスがあったのに、疲労困憊していて行かなかったのです。その後、割とすぐにロンドンからの帰りの飛行機でジェリー・ガルシアさんの死を知りました。そのとき誓ったのです。体験を無駄にしてはいけない、と。

にゃんと!僕らの福岡での延期公演の翌日にエグベルト・ジスモンチさんの福岡公演があるのです。チケットもまだ買える!弱小レーベルのシャチョー(カタカナね)である僕はマネージャーと機材車に乗って、ライヴの翌日フェリーで帰るんです。船が北九州から出るのは23時台。見れるじゃん!

なわけで、僕と同じく撃たれた人はぜひ、体験してください。ちなみにマネージャー氏も撃たれた模様です。笑

 

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最後に。

僕が世界で一番好きな音楽家、チャーリー・ヘイデンとの共演を教えてもらいました。もう言葉は不要だね。

 

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誤解のないように書いておきます。これは案件じゃありません。素晴らしいと感じたものをシェアしたいだけです。世界はクソなことに満ちてるけど、ニンゲンはまだ信じるに足りる生き物だと思うのです。

音楽愛に溢れる某レーベルの社長(漢字)にこのコンサートを伝えたなら、彼はこう言いました。「残念ながら、僕は行けないのですが、山口さんは這ってでも行くべきです」って。「這ってでも」ってところに吹きました。最高!

 

明日はひさしぶりの大阪キャンペーンの内容をお伝えします。たくさん出演するので、ぜひこちらも体験されたし!

 

 

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エグベルト・ジスモンチ への3件のコメント

  1. かまを より:

    ジスモンチ!2007年の来日公演に行きました。この時はソロで1部ピアノ、2部ギターの構成だった記憶があります。この時のインタビューが印象的だったのですが、調べたらまだ残っていました。ぜひ読んでみてください。
    https://www.shalala.co.jp/gismonti/inter01.html

  2. 中澤 美穂 より:

    山口さん、こんにちは。

    エグベルト・ジスモンチ、凄い人ですね。私は存じ上げませんでした。

    かまをさんの紹介してくださったインタビュー記事、拝読しました。

    演奏が凄いイコール考え方が凄いイコール生き方が凄い。私は、山口さんの紹介してくださる音楽の「作為のなさ」は少しはわかるつもりです。ひと言にまとめられるものではないですが、プリミティブな衝動に立ち返らせてくれる音の気がします。

    山口さん、かまをさん、ご紹介ありがとうございました。ジスモンチ、来日公演鑑賞は叶いませんが、このかたについてはアルバムでちゃんと聴いてみます。

  3. マジック より:

    でたぁ!洋さんのDコードのお話とガルシアさんのお話!(^.^)大好きです。自分の知らないジャンルの音楽

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