6月2日 土曜日 雨
今日はいよいよ相馬市でライヴなのだが、イベント盛りだくさん。したがって、地元のスーパー、フレスコ・キクチpresentsの明日のライヴの仕込みを前日から行う。
相馬が生んだスーパー・ヒロイン、掘下さゆり(以下、掘下)を知らない相馬の子供たちは居ない。何故なら、彼女は相馬市じゅうの幼稚園児、小学生、中学生全員、1300人余りを参加させ、「スマイル」と云うCDを作り上げた。あまりにも無茶な試みであると同時に、それを成し遂げた彼女に心から敬意を。俄然そのアホさ加減に興味を持ったオレが渋谷で彼女に面会を試みたが、オレの「サポートしたい」という申し出に、堀下が微妙な疑惑の目を向けたことは云うまでもない。薄っぺらい言葉をかけて、利益だけはがっつり持っていく輩がこの世界にはウヨウヨ居るからである。こうなると、オレは俄然燃える。何故なら、放射能問題がどデカく横たわっているとは云え、外で満足に遊べない子供たちが元気に歌を歌うってことは、その親たち、ひいてはじじばばが元気になることだからだ。
相馬市で会った堀下はスーパー不思議ちゃんとか、天然ちゃんと云ったレベルを遥かに超えて、相馬のリーサル・ウェポンとしか表現のしようのない人物だった。音楽はともかく、そのキャラの破壊力が凄まじい。オレは彼女のキャラを言語化することはできない。前夜、酒を酌み交わして、こりゃ、相馬のおかげでとんでもない奴に会ったわいと感謝しながら、あっと云う間に意気投合した。ただし、オレは奴が大好きだが、惚れることはない。彼女は性別を遥かに超えたところに存在する絶滅危惧種の「珍獣」だからだ。珍獣ならではの無垢さが同じくイノセントな子供たちを惹き付けるのだとオレは思う。
一方、情熱だけは誰にも負けない「海さくら軍団(軍団って何だよ?意味分からないよ。でも、奴らがチャーターしたバスには確かにそう書いてあった)」は前日の石巻市への支援を終えて、我らがルー・大柴さんを乗せて、相馬市へ乗り込んできた。早朝、オレは被災地を見て廻るツアーにでかける彼らを見送る「はず」だったが、恒例となった相馬の「愛の日本酒攻撃」の前に撃沈した堀下とオレはゲロゲロで、ホテルから一歩も出ることができなかった。
被災地を巡り終えた軍団は南相馬市にあるスーパー、フレスコ・キクチでイベントを催した。ルーさんが半日店長を努め、軍団は販売員になって野菜を売りまくり、ロディー・ヨガで子供たちを楽しませる。バックヤードで店員さんたちの寄せ書きの歓迎を受け、早くも軍団代表は涙腺決壊。ルーさんの店長っぷりは半端なくプロフェッショナルで(いや、ほんとうに敬服しました)、軍団員はもはや恫喝しているとしか思えないテンションで野菜を売りまくり、子供たちはヨガでカオスの様相を呈していた。素晴らしく真ん中に愛があって、いい感じに狂っていて、美しかった。オレは観察者に徹することにしたが、乗り込んだ側も受け入れた側も、素晴らしかった。カンドーしたよ。すまんが、これ以上は言語化不能。
すべてのミッションを終え、軍団を見送るすべての店員さんたち。伝え聞いた話だが、バスの中でルーさんが「tears 止まらない」と名言を吐かれた、と。
夜になり、僕と堀下はフレスコ・キクチの会議室「菊地蔵」でライヴ。全国のみなさんが寄せてくれたたくさんのメッセージを軍団の奴らが巨大横断幕にしてくれた。ひとつはフレスコ・キクチに貼られ(お客さんたちが買い物の途中に見ることになる)、もうひとつはライヴ会場に貼られた。全国のみんな、ほんとうにありがとう。
珍獣と俺は自立研修所「えんどう豆」の手による横断幕の前でライヴを繰り広げた。その内容に関しては再び言語化不能。これだけの愛を受けて、それぞれのポテンシャルを発揮できないはずもなく。素晴らしく愛が循環していたことだけは間違いない。ありがとう。
さて、今日は相馬の良心Kさんが、全国から寄せられたメッセージに対して、相馬の声を集めてくれた。その言葉にいろんなことを代弁してもらおうと思う。
Message from Soma City 120602
Tさん 41歳 福島県相馬市
日本のみなさん、これからもよろしくっス。Thank you!!
Sさん 38歳 沖縄県
泣いて笑いました。山口さんの音が多くの魂をあらってくれたように感じました。相馬の人達の笑顔に明日に向かう力を感じました。生き残った人は、生き抜いてください。「生きてさえいれば、自然と道はひらける」。と僕もそう思うのです。ありがとう。
Hさん 32歳 福島県相馬市
心配してくれてありがとう。どうか相馬のことを忘れないで心にとめていてもらえたら嬉しいです。共に歩もう。
Iさん 42歳 山形県酒田市
相馬でお会いした方たちのこと、何度も思いだしています。どうぞどうぞお元気で。
Kさん 39歳 福島県相馬市
震災直後はこんなにも多くの人が相馬を想ってくれるなんて想像もできなかった。山口さん、MLIMMプロジェクトのみなさん、全国で相馬を想ってくれる方々。本当にありがとうございます。その1つ1つの想いにこたえられるように、相馬を愛し、元気に明るくガシガシと歩いていきます。これからもお心寄せよろしくお願いします!!
Iさん 42歳 福島県南相馬市
全国の大きな友達へ。いつもブログでメッセージ読んでます。本当にありがとう。これからもメッセージよろしく。南相馬の大きな友達より。まだまだこれからです。
Tさん 55歳 福島県相馬市
全国の方々にまず感謝申し上げます。地元で生活する中で、色々な想いがありますが、まず現実を知っていただくのが一番だと思っています。国が言うような収束など遠いものであり、何も変わってはいません。でも、その中で住み続けていくしかないのが現実です。山口洋さんが発信し続けていること。それを受け止めていただく皆さんの心がはげみになります。
名前なしさん 48歳 福島県相馬市
あの日以来かけがえのないものをたくさん、たくさん亡くし。まったく先が見えなくなってしまい、今まで味わったことのない気持ちを味わいましたが、あらゆる人のお世話になって、今の私があります。こういう形でみなさんとお会いできたことを山口さんと神様に感謝しつつ、必死で生きております。これからもヨロシク。
Tさん 42歳 福島県南相馬市
山口さん、いつも元気を届けてくれてありがとう。ぼくらのことを全国に伝えてくれてありがとう。全国にたくさんの仲間がいることを僕らに教えてくれてありがとう。また一歩前にふみだせそうです。LIVE感動しました。
Sさん 49歳 福島県相馬市
日本各地からの応援メッセージ、元気をもらっています。相馬に住んで幸せに生きていこうと思います。ありがとう!!
Mさん 50歳 福島県相馬市
人の心を日々感じながら生活しております。心より感謝しております。全国の友だち、ありがとう。
Tさん 福島県相馬市
カムサハムニダ。
Yさん 43歳 福島県南相馬市
ありがとうございます。
Sさん 34歳 福島県相馬市
ココロを向けてくださってありがとうございます。カエルこと、あきらめないで今日も歩いてみます。こんなにたくさんの方が仲間なら、きっとダイジョウブ!!