過剰に生きる、北海道札幌市にて。

7月1日 日曜日 晴れ

思い返してみれば、デビューしてからずっと「あー、あの暑苦しい人でしょ?」みたいな形容をされてきた気がする。実のところ、パブリックイメージよりはずっと内気だし、スポットライトを浴びるのも苦手だ。

でも、何処かで原発が再稼働している状況の中で、誰が俺の口に蓋をしようとしたとしても、「おかしい」と思ったことは絶対に黙らん。伝えようとすることが過剰に暑苦しくなることは、時に仕方がない。

相馬からやってきてくれたシンガー堀下さゆりがオープニングで歌ってくれたが「じゃ、20分くらいで」と云ったはずなのに、ゆうに1時間はステージに立っていた。同行してくれた相馬本部長モリタに「せっかくだから相馬の生の声、オーディエンスに聞かせてあげてよ、3分くらいで」でと云ったはずだが、彼は多分10分くらい喋っていた。そんでもって、俺は会場の円山夜想(まるやまノクターン)の素晴らしい音響と相まって、ギターを弾きまくっていて、「こりゃ今夜はとんでもない宇宙にみんなを連れていけるわい」と思っていたら、3曲目で機材がぶっ壊れ、電源喪失。ギター1本と生身の身体だけで宇宙に行くことを強いられる状況に陥った。オレは楽屋で堀下に「偉そうに」こう語っていたのだ。「ライヴってね、何が起こるか分からないのよ。でも激しいトラブルが起きたら、そりゃラッキーって思った方がいいよ。だって、そこから盛り返したなら、オーディエンスはまさにその日限りのものを観ることになるからね」。まさに、身から出た錆。余計なことを云わなきゃ良かった。あはは。

てな訳で、総じて過剰。ライヴはまるで耐久レースの様相を呈していた。もう少し、寸止めなところですべてを終えた方が、オーディエンスは余韻を楽しめるはずなのだが、世界を何とかしたい。みんなの想いが過剰な方へ働いていく力を止めることはないと思う。「今」なのだから。

話を会場入りの頃に戻して。

今回、飛行機移動なので、ステージに置くためのプロジェクトの看板を持っていけない、とblogで書いた。函館にはアメリカ人ジョンが作ってくれた看板があり、札幌には永年僕らを応援してくれているCが作ってくれた看板があった。俺が頼んだのではない。会場の奥には相馬の写真が貼られ、円山夜想では、いつぞやblogに書いた広島県福山市のポレポレ方式の復興支援ライヴ(シンガーが500円払って、ステージに立つ)が行われていた。ほんとうに愛のあるハコだった。ぐっと来たよ。観て観ないフリをするのも人で、自ら矢面に立ち、リスクをしょって、何かを伝えようとするのも人。実のところ、エネルギーをもらっていたのは俺の方だった。円山夜想、そして足を運んでくれた人たち。力を貸してくれたたくさんの友人たち。愛をありがとう。心からありがとう。

これだけの人たちが自分のこととして、福島を思ってくれていること。必ず伝えにいきます。

世界は捨てたもんじゃない。アゲイン。私信だけど、店長、いつかゆっくり二人で飲もう。

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広島県福山市のポレポレ方式を受け継いだライヴ「500L」で集められたお金¥14,788を僕らのプロジェクトに託してくれました。ありがとう。

「おのしんじ」君がずっと貯めていた小銭¥1,481を託してくれました。ありがとう。重いぜ。

メッセージ回収箱に¥1,000が入っていました。ありがとう。

Messages for Soma City 120701

Yさん 36歳 北海道札幌市
少しづつ、前へ。ずっと応援しています!

Nさん 46歳 北海道札幌市中の島
北海道の人間は十分伝わっていますよ!

名前なしさん 北海道札幌市
遠くに住んでいても、けして忘れたりしてません。なにかできることがあれば力になりたいです。時々でいいので、声がききたいです。みんなでいっしょに、がんばりましょう!!!

Oさん 37歳 北海道
繋がることができてよかった。自分達のこととして考えられるようになりました。

Tさん 47歳 北海道札幌市
相馬の焼き物、かいますね。

Hさん 35歳 北海道札幌市豊平区
はじめて相馬という場所を知りましたが、このような形で知りえた事をとてもよかったと感じています。本当に大変だと思いますが、自分でもできる事からはじめていきたいと思います。

Oさん 37歳 北海道札幌市
子供たちが大人になったときに日本が素晴らしい国になっていることを祈っています。山口洋さんからたくさんの思いが伝わりました。

Oさん 29歳 北海道札幌市
立ち止まっても、ゆっくりでもいいので、前を見据えて少しずつ一緒に歩いていきましょう。

Sさん 35歳 北海道北広島市
「頑張って下さい」とか「今とても大変だと思いますが、いつか戻る日が」など軽々しく書けることではなく、でも何か出来ることは何か伝えられたら、、考えれば考えるほど、何も出来ない自分がいます。ただ、何か書けば少しでも、と、気持ちを込め、ペンを取りました。

Hさん 61歳 北海道小樽市
何と言っていいかわかりません。今でも信じがたい、この事態、この政府、これを許している私。福島の子供達と何とか関わりたいと思う。彼らが引き受けさせられて、これからもかかる負荷。何を言えるだろう、、、。

Yさん 37歳 北海道札幌市
大変な毎日だと思います。会えなくても、直接お話できなくても、皆さんのことを想っている人がいることを忘れないで下さい。

Mさん 31歳 北海道札幌市
今日はライヴに来て、素晴らしい音楽を聴けてほんとによかったです。そして、山口さん、堀下さん、モリタさんから福島の話を聞かせていただきありがとうございました。モリタさんの”無関心は罪である”というお言葉、忘れずにいきたいと思います。ありがとうございました。

Mさん 33歳 北海道札幌市
福島の事、忘れないでほしいというさゆりさんの言葉、印象的でした。これからもずっと忘れません。そして自分にできるサポートをしていきたいと思います。

Tさん 13歳 北海道札幌市
相馬のみなさん、ぼくにできることはみなさんにとっては、ほんのほんのほんの少ししかなりませんが、少しでも色々なことにこれからもとりくんでいきたいと思います。みんなで力を合わせて!

Sさん 39歳 北海道札幌市
無関心でいる事が一番の罪であると思います。今、福島で何が起こっているのか、アンテナを張って、小さくても自分にできる事を考え、実行していきたいです。

Tさん 63歳 北海道札幌市南区
今まで、何度も山口洋さんのライヴに来ましたが、今回の山口洋さんは特別でした。愛情にあふれ、沢山沢山元気をいただきました。生かされている喜びを、人々に感謝し、伝えたくおもいます。

Kさん 北海道江別市
いつまでも、ずーっと応援してます。

Kさん 31歳 北海道江別市
職場にもそうま市の子どもが避難して来ました。音楽で元気がもらえるって、素晴らしいと思います。これからもがんばって下さい。

Nさん 25歳 北海道
自分にできること、少ないかもしれませんが、やっていきたいです。がんばりましょう。

Sさん 37歳 北海道
(きれいな花のシールがたくさん)

Hさん 35歳 北海道札幌市北区
日々成長して生きていける様、俺も頑張ばろっと!! 皆様も北の大地、北海道に来て下さい!!

Tさん 35歳 北海道札幌市
ゆっくり歩いていきましょう。前に!!

円山夜想には相馬の写真が展示されていました。店長、ありがとう。

円山夜想には相馬の写真が展示されていました。店長、ありがとう。

Cの手による看板。泣かすなよ。ありがとう。

Cの手による看板。泣かすなよ。ありがとう。

写真だと狭く見えるけど、ゆったりと音楽を楽しめる素晴らしいハコです。本日もsold out。ありがとう。

写真だと狭く見えるけど、ゆったりと音楽を楽しめる素晴らしいハコです。本日もsold out。ありがとう。

広島県福山市のポレポレ方式、海を越えて受け継がれていました。嬉しい。

広島県福山市のポレポレ方式、海を越えて受け継がれていました。嬉しい。

goodsもたくさんの人が手にしてくれました。

goodsもたくさんの人が手にしてくれました。

南相馬のえんどう豆から本日限定のバッジが。

南相馬のえんどう豆から本日限定のバッジが。

函館のオーガニックケルプからは本日限定のふりかけ。ありがとう。

函館のオーガニックケルプからは本日限定のふりかけ。ありがとう。

相馬本部長モリタ、自分の口で語る。震災後彼の母親を1DKの部屋に避難させてくれていたのが、この店の看板娘Kだったのです。

相馬本部長モリタ、自分の口で語る。震災後彼の母親を1DKの部屋に避難させてくれていたのが、この店の看板娘Kだったのです。撮影、小森美香(北海道新聞)

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過剰に生きる、北海道札幌市にて。 への2件のコメント

  1. 西出 より:

    ライブ終了後、僕達が行った福島県飯舘村への支援ライブの話しをさせてもらった者です。自分の中で「今の力で出来る範囲の支援を続けていく事」という答えが出ていたのですが、改めて山口さんに「続けていく事」という言葉を聞いた事で力をもらう事ができました。ありがとうございました。そして、モリタさんに声をかけようとした自分から出た精一杯の言葉が「北海道は寒くないですか?」

  2. マンモス西(美瑛町) より:

    ライブ終了後、僕達が行った福島県飯舘村支援ライブの話しをさせてもらった者です。行動した事で様々な重みを感じた自分の悩み中で「微力でも、続けて支援する事」という答えを持っていたのですが、改めて山口さんから「続けていく事の力」の話しを聞けて光を感じました。そして、ライブの中でモリタさんのお話しを聞いた後、ご本人に声をかけてみましたがツラクなり自分からやっと出た言葉が「北海道は寒くないですか?」…そんな僕にモリタさんは「僕は熱い男だから大丈夫!(笑)」と…何だか逆に元気を貰ってスミマセン。山口さん、モリタさん、珍獣様ありがとうございました。

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