遺伝する記憶

1月14日 月曜日 雪

いつも転がり込んでいるコンドミニアムから、一般の家庭に引っ越した。あやうく宿無しになるところだったのを、救ってもらった感じか。

普段一人で暮らしているので、寝ていると猫がベッドにやってくる、とか、階上で誰かの声がする、とか、家族の息吹を感じるのが、実に久しい。

この村に居る数少ない日本人、陶芸家のNさんにお呼ばれして、山中とは思えない晩飯をごちそうになった。氏は食材を日本から持ち込んでいらっしゃる。ダシとか、醤油とか、エトセトラ。食卓にならんだ「しらすおろし」がキャビアに見えたぜ。大泣。

それにしてもマイナス27度ってのは、心が折れる寒さだ。立ち向かう意欲ってものを完全に折られる。ブーツを完全に乾かしていなかったりすることが、標高の高い場所では致命傷になる。

そんな日々の中で、ずっと頭の中では音楽が響いていた。明日までこの寒波は続くらしいから、ようやくギターを握ってみようと思う。

閑話休題。

何度かblogに書いたけど、僕にギターを教えてくれた親友は画家だ。「お前もこういう時代なんだからさ、個展をやるだけじゃなくて、ウェブサイトくらい作ったらどうなん?」という僕の問いかけに5年越しくらいに応えてくれた。「経歴」ってところに僕のことが書いてある。

奴と僕はかれこれ36年くらいの付き合いになるが、互いの作品を通じて、お互いを知る日々が続いている。何故描くのか、とか歌うのか、あるいは前述のNさんのように陶器を作るのか?そんなことを語ったりしないけれど、ほぼ同じ何かが通底していると思う。是非、訪れてみてください。

http://saburomukai.com/

奴の文章を読んでいて、思い出したことがある。母の死後、僕はいろんなことを整理するために、一度も行ったことがない母が幼少期を過ごした町を訪ねた。古い小さな町は、何となく見覚えがあった。路地を歩いていると、そこの角を曲がると水車があるはずだ、と感じた。果たして、曲がってみるとそこには本当に古い水車があるのだった。憶測に過ぎないけれど、記憶は遺伝する。そんなに悪いことじゃない。

おまえ、ライオンみたいな顔しやがって、可愛いにも程があるっつーの。

おまえ、ライオンみたいな顔しやがって、可愛いにも程があるっつーの。

おまえ、てめーこの野郎、そんな痴態を見せるんじゃねー。

おまえ、てめーこの野郎、そんな痴態を見せるんじゃねー。

問題はおまえがジューイッシュの名前で、難しくて覚えられないことにある。

問題はおまえがジューイッシュの名前で、難しくて覚えられないことにある。

神の領域に行く道は寒さで閉鎖されたまま。

神の領域に行く道は寒さで閉鎖されたまま。

凍える山なみ。写真を撮るためにiphoneを取り出すのも勇気いるのよ。寒くて。

凍える山なみ。写真を撮るためにiphoneを取り出すのも勇気いるのよ。寒くて。

向こうに崖があるのだけれど、まだ入れない。

向こうに崖があるのだけれど、まだ入れない。

足先が他人みたいに冷たくなると、小屋に入って温めます。まじ、死ぬ。

足先が他人みたいに冷たくなると、小屋に入って温めます。まじ、死ぬ。

神の領域への道。これは去年の写真。どんなにシバレても、行きたい。

神の領域への道。これは去年の写真。どんなにシバレても、行きたい。

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遺伝する記憶 への2件のコメント

  1. きょーこ より:

    ジューイッシュのネコちゃん、凛々しくも可愛いですね。
    なんとなく、おとこの子な顔だな~。。。

  2. Froggy II より:

    かわゆす!!!
    ずいぶん前、ネコ好きの友人から「ネコの挨拶」っていうのを教えてもらった。彼女いわく、ネコに会ったらまず目をじっと見て、ネコと目を合わせてからゆっくりと瞬きを2回するんだって。以来、野良猫に会うたびにやってみたら、8割くらいの確率でネコが瞬きを返してくれることがわかった。ネコが苦手だったけど、それがきっかけで大好きになりました。

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