さよならだけが人生だ

1月15日 火曜日 雪

ブルース・コバーンの音楽は雪景色によく似合う。

ここコロラドはアメリカの中でも銃の保有台数が多いらしい。あのコロンバインがあるのもコロラド。

混乱する。

だって、この家には鍵すらかかっていないし、家人も村人もみんな親切。アンタッチャブルな話題だと思うから、敢えて尋ねないけれど、この家にも「それ」はあるのかもしれない。

さっき、洗剤を買うため、バスに乗った。ドライバーは女性で、乗客は僕ひとり。いわく「せっかく来たなら、10マイル先の〇○って町に行きなさい。そのバスが出る場所まで乗せていってあげるから。ここは物価が高いのよ、買っちゃダメよ、わかった?」。彼女の云うことをきかず、近所の店で洗剤を買って、バスを待つのが面倒なので、雪道を歩いて帰っていたら、バスが止まった。さっきのドライバーだ。

「あなた、雪道を歩いちゃダメよ。スリップした車にはねられるから。さ、乗りなさい」。「あなた日本人?私の息子はね、沖縄に居るの。軍人なのよ。日本で息子がお世話になってるから、気にしなくていいわ。送ってあげる」。ふーむ。平和なのか不穏なのか、誰が誰にお世話して、お世話になってんだか、再び混乱。確かに、彼女が心優しい人だったことは間違いない。でもね。沖縄が払ったツケを僕が親切って形で受けとるのは釈然としないんだよ。

僕の知らないところで、目先の景気ばかりに気を取られて、誰かの号令でお札が大量に刷られ、国債がどんどん発行され、為替は変動し、株価が上がる。きっと夏の参議院選挙までの餌に違いないのに。そんなことに一喜一憂したくない。もっと大切なことがある。あるんだよ、オレには。それを探しにここに来た。

「さよならだけが人生だ」。真理だと思う。

今日は寒さから逃げた。身体が持たない。新しい音楽を書いた。違和感が飽和状態に達すると、音楽や詩になって僕から出てくる。これを書いたら人はどう思うだろう、なんてことはもう考えない。僕は自分の思ったようにしか生きられない。

もう自分探しをしてるトシじゃない。今までじゅうぶんに探してきたよ。見つからないけど。でも、世界とコミットする方法。それを探してはいる。

昨日も一緒に寝たなぁ、おまえ。名前覚えられないから、オレがつける。

昨日も一緒に寝たなぁ、おまえ。名前覚えられないから、オレがつける。

すべてのお金にはこう書いてある。「 in God we trust」。

すべてのお金にはこう書いてある。「 in God we trust」。

そして「Liberty」。この違和感が音楽へと向かわせてくれる。

そして「Liberty」。この違和感が音楽へと向かわせてくれる。

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さよならだけが人生だ への3件のコメント

  1. 萩原晋也 より:

    なんか分かる。
    うるせー。
    いつだって名盤作れるんだ。
    かつてのアルバムが色褪せてない。
    スターライトがこないだ頭に流れてきて、
    泣きそうになった。
    きっと、音楽の力を知った喜びと時代の虚しさ
    を感じたから。
    そして、かすかな明日への希望。
    自分を信じなきゃ明日はない。
    そう思う。

  2. Froggy II より:

    タイトルを見て思い出しました。父が大好きだった本「サヨナラだけが人生だ 映画監督 川島雄三の生涯」のこと。今村昌平が編集したものでした。20代の頃に2回ほど読んで、当時の自分にはあまり響かなかったんだけれど、あれから20年経ってこの頃はふと生き急ぐ人の気持ちとか…ほんとうは不器用なのにあえて自ら人生の振り幅を大きくして生きてしまうこととか、考えるとしみてくる時があります。
    青い写真、水の中みたいですね。

  3. きょーこ より:

    名前決まったら、その名でまたアップしてくださいね。

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