3月22日 金曜日 晴れ
—–「九州の某中学校にまつわる、すべての友人たちへ」 —–
山口洋(49)です。
いつも応援してくれて、ありがとう。
今日は伝えたいことがあって、この文章を書いています。
卒業生のみんな。
卒業、心からおめでとう。
その場に居たら僕も間違いなく、ぐっと来てたな。
最近、涙腺が弱くて情けないんだけど。
あれだけ濃密に関わっていた仲間たちだから、その関係はきっと一生
続いていくんだろうね。君たちがジジババになっても、一緒に同じ学校の門をくぐったって事実が君たちを結びつける。それってちょっと羨ましいぜ。
僕の時代は、いや僕の場合は、そんな感じじゃなかった。一刻も早く、そこから出たかった。今さらながら、君たちに教えられてる。
僕や、プロジェクトの連中や、何よりも福島の人たちは、君たちからたくさんの力をもらった。それは今までに感じたことのない「新しい風」みたいだった。その風を背中にビュンビュン受けて、今日まで走ってくることができた。心からありがとう。ほんとうは大人である僕らが「こんな生きにくい世界にしてゴメン」と先に謝らなきゃいけないのにね。
僕個人の話だけれど、
実現を心から願い、それに向けて本気で努力して、それが結実しなかったことは一度もないんだ。ミュージシャンになることも、誰かを心から愛することも(失敗したけど – 笑うところだ)、世界中で演奏することも、まずは誰かを先に思いやることも、エトセトラ。
それは確かに結実してきた。それは叶うんだ。いや、叶うって言葉は好きじゃないな。君の力で必ず実現させることができる。それは僕からのエール。LIFEは君の力で、どのようなものにすることも出来る。
その上で。
原発事故によってもたらされた、あるいは露呈した福島にまつわる、あまりにたくさんの闇。
どうにもならない放射能。
お金によって、ズタズタにされていくコミュニティーや人間関係、
どうしようもない人の欲、ほんとうのことを伝えないマスコミ、目先のことしか考えない政治、自分のことしか考えない多くの大人たち、思考停止する人、自分の手は決して汚さない人、言い訳を常に用意する人、エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ。書き出したらきりがない。
闇はあまりに強大で巨大だった。ほんとうに、どんなに力を尽くしてもビクともしない。わずかな風穴を開けたところで、すぐにそれはなかったことになってしまう。
君たちに嘘はつきたくないから、正直に書くよ。
僕は生まれて初めて、ほんとうの意味で途方に暮れてる。
何よりも、君たちが送ってくれた「力」を福島からもう一度君たちの町に還流させること。それを君たちの卒業のタイミングに何とか間に合わせて、在校生に「その力」を繋いでいくこと。
それは僕らの重要なミッションだと考えた。何故なら、君たちは福島に行けない、ならば、その交流を可能にするのは僕らしかいない。そこに「愛」さえあれば、不可能はない。そう考えてやってきた。
結果から書くけれど。
僕らはそれを実現できなかった。確かにPM2.5だとか、たくさん、たくさん逆風は吹いた。でも、言い訳はしたくない。それじゃ、政治家と一緒だ。僕らはその闇に手も足も出なかった。何も変えられなかった。その事実を認めなきゃ前には進めない。僕らは約束を守れなかったクソったれな大人たちだ。とにかく、君たちの門出に際して、僕らは君たちに心から謝らなきゃいけない。
ごめん。ほんとうに申し訳ない。
これは想像の域を出ないのだが、君たちは福島からやって来るであろう未来のともだちのために、全力で迎え入れる体勢を整えていたんだと思う。だから、僕は猛烈に胸が痛いし、その気持ちを裏切りたくはなかった。
でも、これがある意味で、この国の現実でもあるんだ。事の詳細を書かない(書けない)のは特定の人間たちを無駄に傷つける可能性があるからだ。そんなことに僕は意味を見いだせない。
書くまでもないと思うけど、僕は何も諦めていない。それを諦めることは自分のLIFEを諦めることだからだ。だから、どういう形でかは分からないけれど、また君たちと何処かで会うことになると思う。それまで、どうか元気に暮らしていて欲しい。
最後に。
僕はミュージシャンで、ソングライターでもある。こんなどうにもならない現実を身体の中に取り入れて、発酵させて、音楽になって出てくるのを待つ。それが仕事だ。
だから、最近書いたいくつかの歌詞をのっけておく。何かが伝わるかもしれないから。
読んでくれて、ありがとう。君たちの未来のためにも、この瞬間をこれからも全力で生きていくつもりだよ。
何と伝えていいのか、分からないけど。生まれてきてくれて、ほんとうにありがとう。クソったれな大人だけど、これからも君たちと一緒に未来を創っていきたいと思ってる。
たくさんの愛。
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「焦燥のブルー」
実に多くのことが言葉にされず
実に無駄なことばかり 繰り返される
俺は観たのさ 夢の残骸たちを
俺は観たのさ 未来が朽ち果てていくのを
魂の不潔と 沈黙のブルー
何がすべてを隔て 引き裂いたのか
何もかもがあり そして何もない
君の存在だけを 輝かさせてくれ
永遠に新しくあれ この瞬間に生きる
今ここにないものは 未来にもありやしないぜ
君の手を汚し 新しい地図を描き
幻想と 希望と 言い訳と リスクと 責任と
焦燥のブルー
魂の不潔と 喪失のブルー
リスクのない場所に 希望なんてない
ねじれた世界 それがステージなら
空を見あげ 君は君の歌を歌え
永遠に新しくあれ この瞬間に生きる
今ここにないものは 未来にもありやしないぜ
君の手を汚し 新しい地図を描き
幻想と 希望と 言い訳と リスクと 責任と
焦燥のブルー
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「ソウマネス」
パートナーはもう微笑まない 輝いた日々はもう戻らない
手を離したら すべて終わりさ 大事なこと 曖昧に話し
明日も架空のキャラを演じ 同じ場所に立ち続けるのか
哀しみなら 捨てるほどある 季節だけが通りすぎてゆく
gone gone everything is gone
この人生にイエスというためにソウマネス
友達よ 大切なのは 何にせよここから出ていくことか?
それとも留まって 見えない敵と 闘うことか?
わかればわかるほど 何もかもがわからなくなる
手に負えぬ このソウマネス 季節だけが通りすぎてゆく
リアクター
gone gone everything is gone
この人生にノーというためのソウマネス
破局へと続く道は 善意のアスファルトで舗装されて
一握りのペーターが操り 羊たちは従順に列をなす
明日もわずかな餌のために 同じ場所で立ち続けるのか
諦めなら 捨てるほどある 季節だけが通りすぎてゆく
gone gone everything is gone
この人生にイエスというためにソウマネス
春になると弓を描く あの星をもう一度目指そうじゃないか
胸には蒼きターコイズ 空を飛ぶためのひとひらの羽根
何であれ君の故郷は 君の心から消えることはないぜ
耐えられないことは 後悔と共に生きることさ
リアクター
gone gone everything is gone
この人生にノーというためのソウマネス
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「don’t look back」
いったいどれだけの ドアを叩いたなら don’ t look back
あの子たちの未来に 花が咲くんだろう don’t look back
いったいどれだけの 山を越えたなら don’ t look back
君にありふれた朝が来るのか don’t look back
愚かでなければ 恋なんかしないさ don’ t look back
幻想が幻滅へと変わるとき don’ t look back
何も持たなきゃ 失うものもないさ don’ t look back
意味のない経験なんてないさ don’ t look back
けれど 君を信じられるのは 君だけなんだ
世界が変わらなくても 君は変わる
雨にも負け 風にも負け 常識にも負けたとき
見上げた ポーラスターがこうささやいたのさ don’ t look back
すべての歌には 続きがあるはずなんだ don’t look back
すべての夢にも 続きがあるはずなんだ don’ t look back
すべての道は繋がってるはずなんだ don’ t look back
すべての痛みには 意味があるはずなんだ don’ t look back
けれど 君を信じられるのは 君だけなんだ
世界が変わらなくても 君は変わる
雨にも負け 風にも負け 組織にも負けたとき
見上げた ポーラスターがこうささやいたのさ don’ t look back
君は風だ 君は道だ 君は光だ 君はメッセージだ
君は風だ 君は道だ 君は命だ 君はメッセージだ
誰かの未来になれ 誰かの未来になれ
詞のUP、ありがとうございます。ライヴでタイトル決まってないと言っていたあの曲も載せてもらい、嬉しいです。新作が心から楽しみです。40代おっさん男子も感涙っす!ずっと、支持します!!新高校生もファイテイング!!
「継続は力なり」
信じて続けていれば、いつか結果はついてくると思います。
大きな山は、真っ直ぐには登れないし、途中で休息も必要だし「冷たくて美味しい水」も。。。
うまくいかないから止められない。
また、頑張りすぎず頑張ってください。
初めてコメントします。最近R&RDaiaryの本を読み、その後もこのサイトで山口さんの想いを読むにつれ、自分がいかに無関心で無知だったか思い知らされました。
「知らないことは恥じゃない。知ろうとしないことは罪だ」この言葉を胸に、まず知ることから、それもなるべく自分で情報を掴み取り自分の頭で考えようと思ってます。
今の自分にできること…それを考えた時に相馬に実際行ってみようと思いました。横浜から自転車で目指してみます。そこに意味があるのか、4連休の間に戻ってこれるのか、意志の弱い自分にやり遂げられるのか…
後悔のない旅にしたい。新しい自分に出会えるよう。4月4日、SPCであなたに会えるのを楽しみに明日旅立ちます。
個人的なくだらない長文、大変失礼しました。
どんな過去も、未来で塗りかえることが可能だと思ってる。外界からやってくるNOは、自分をYesに導くためのNOと信じて。大人とか子供とかいう境界線をはずして、魂どうしで寄り添っていたい どんなときも。
どんなときも、私たちが言葉にすること、見せる姿、歩む姿勢を、子どもたちはまっすぐに見つめています。
ありがとう。洋さんの姿は、まっすぐに伝わると思います。
涙が出ます。
28日に、卒業生達が学校に集います。
このブログを、子どもたちに紹介したいと思います。
大津北中 生徒会担当