don’t look back 山口洋全詩集によせて

4月7日 日曜日 晴れ

詩集を作っています。それは僕のひとつの夢でもありました。

今までにリリースしたもの、されていなもの。1987年から2013年までに書かれたもの、ほぼすべての詩を網羅しています。たぶん300ページ近くあります。

そもそも。僕は詩集が好きだったのです。

大学を出て、一時期、僕は造り酒屋のラベルデザイナー兼配達員というバイトをしていました。昼どきになると、河原で寝転がって昼飯を喰います。そのとき、ポケットにはいつも詩集が入っていたのです。いちばん好きだったのはウイリアム・ブレイク。心象風景とともに、たくさんのことを吸収したなぁ。

今回、ふとまとめてみようか、と例によっていつもの直感が申しました。それもアメリカで。大々的に出ているのではなく、さりげなく出ているのが、いい、とか。フォントには気をつかってなきゃだめだ、とか。少しだけ写真も使いたい、とか。

で、アメリカから僕の無茶ブリを聞いてくれるデザイナーWにメールを書きました。それからの作業は全て彼の手によるものです。僕は何もしてません。ただ、写真のファイルを送っただけ。

彼は紙質から大きさからフォントから、すべてにこだわって作業を続けてくれました。彼は言葉を愛するデザイナーなのです。赤い栞がついているとか、エトセトラ。何と云うかワンダフルな出来です。

先日、校正のために見本を見ました。僕はなーんもやってないけど、これは素晴らしい。出版にあたって、すべての詩をもう一回読みました。もはや他人のように。この人、30年に渡ってほぼひとつのことしか云ってないけど、詩人として僕は好きです。彼の作品を素晴らしいと伝えることに、僕は何の照れもありません。不思議な感覚です。

まずは4/11からのソロツアーでみなさんに手にしてもらえれば、と思っています。通販は今のところ考えていません。ライヴ会場に足を運ぶ愉しみだと思って頂ければ。でも、どーしてもという要望が多ければ考えてみます。

こうやって本にしてまとめて読むと、伝わってくるものが違うのです。ほんとうに。

こうやって本にしてまとめて読むと、伝わってくるものが違うのです。ほんとうに。撮影、渡辺太朗。以下、同。

山口洋という人間が30年かけて何を伝えようとしたのか、分かって頂けると思います。

山口洋という人間が30年かけて何を伝えようとしたのか、分かって頂けると思います。

詩とバッティングしないように、Wによって選ばれた僕の写真が使われています。

詩とバッティングしないように、Wによって選ばれた僕の写真が使われています。

素晴らしい仕事をありがとう。

素晴らしい仕事をありがとう。

この作品は僕の詩と写真、そしてWのデザインとの共同作業だと思っています。

この作品は僕の詩と写真、そしてWのデザインとの共同作業だと思っています。

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don’t look back 山口洋全詩集によせて への5件のコメント

  1. うっちゃん より:

    いつか、こんな日が来ると思っていました。結構、そう言う人多いはずです。
    喜んだ日も、苦しんだ日も、富める日も、病んだ日も、洋さんの詩が私の胸裏に響いていました。オーバーラップしてしまうこと間違いなし!
    ライヴに行く楽しみが増えました。仙台でサイン入りで購入予約入れます…笑

  2. Froggy II より:

    おととい姉ちゃんと「言葉」の話をした。彼女いわく「心の底から湧きあがる言葉っていうのはね、自分の中にある何百万年前からの遺伝子の記憶の中から、瞬時に必要なものが選びぬかれて口から出ているんだよ」と。もしそれが本当なら、自分の言葉は、自分以外の誰か(両親や御先祖さん etc)の人生をも含んだ言葉・ってことになる。それって素敵だなと思ったし、もっと大切に使わなくちゃ・と反省。
    山口さんの詩にも、もしかすると山口さん以外の誰かの いろんな人生が含まれているのかもしれませんね。拝読楽しみです!

  3. 函館ゆうげん より:

    ひょっとすると洋さんの「語り部」という姿の核の部分の一つが今回の表現方法なのですね。
    今生の魂が、「たった一つのこと」を伝えるということを求め続けた結果ですので楽しみです。
    30年で何も伝えられない自分にとっては
    「たった一つのこと」を追い求める姿に共感し、同時に尊敬します。
    答えがあるから探すのではなく、
    答えがないからこそ人は魂を追い求める。
    改めてそう思います。

  4. mana より:

    楽しみです!!!

  5. 自転車乗り より:

    大昔にFM福岡のラジオで希望者に配られた手製の詩集思い出しました まだ持ってますよ〜

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