日別アーカイブ: 2012年7月14日

強力に連鎖する愛のアホ・パワーに感涙、愛媛県八幡浜市にて

7月14日 土曜日 曇り 今日のライヴの発端も一通のメール。そこに込められた情熱が半端なかったので、四国から口ばしのように飛び出た佐多岬の付け根にある、人口2万人強の小さな街、愛媛県八幡浜市に行くことを決めました。 その街から10キロのところに何があるのか。知ってる人はたくさん居ると思います。伊方原発です。もうすぐ再稼働されるかもしれない原発です。もう書かなくても、分かると思うけれど、その街にはいろんな、複雑な感情があるそうです。原発がなくなることが、即生活に影響する人。大声では言えないまでも、福島での事故をふまえて、廃止すべきだと思っている人、エトセトラ。でも、イマジンしてください。この規模の街で育つと、everybody knows everybody。犯罪も殆どないそうです。みんながみんなを知ってるから。つまり生活しやすくて、しにくい。そんな側面を持っています。 松山空港から八幡浜に向かう道はまっすぐではありません。つまり、あまり整備されていないのです。僕にとっては、それがいい。大型郊外店もまったく見当たらない。そしてそれは原発を作るには都合がいいのかもしれません。しばらく走って、美しき瀬戸内海が見えてくる。遠くに、でも肉眼で、その原発を確認することができます。僕は正直に云って、何とも言えない気分になりました。もしものことがあれば、この街はあの街と同じことになってしまうことは確実です。そして付近には活断層が走っている。嗚呼。 主催者のKくんは青空市場で野菜を売っています。そして、そこに野菜を納入しているみかん農家のSさん。この2人が首謀者です。この小さな街に僕のような人間を呼ぶことにどれだけの逡巡をしたことか。想像に難くありません。空港から街までの車中。どのようなライヴにしたらいいのか。流れていく風景を見ながら、思案にくれていました。ひとつの結論に立ち至りました。推進派であれ、反対派であれ、「命を大切にする」と云うメッセージは有効であろうこと。そして、政府や電力会社が「絶対に安全です」と云っていたはずなのに、あのような事故が起きると、街がどのようなことになるのか。それを伝えよう、と。あとは、それぞれの人々が持ち帰って考えてくれればいい。僕はいつもの僕で居よう、と。 ところがどっこい。会場のスモーキー・ドラゴンに入った瞬間、目が点になりました。今回も飛行機移動だったので、プロジェクトの看板を持っていけなかったのですが、入り口やステージにそれがあっただけではなく、ここまでのソロ・ツアー31本で集められた全ての相馬へのメッセージ、700人分を、首謀者2人が一週間かけて、「手書き」で書き写したパネルの総延長、約10メートル。僕はあまりの愛というか、情熱に言葉を失いました。僕から出てきた言葉は「ア、アホすぎる」。でも2人はこう云ったのです。「こうやってひとりひとり、全国の人々の愛を書き写すことで、全国の仲間のエネルギーがこの街に集まり、そして束ねて相馬に送りたいんです」、と。 もはや、言葉はありません。 会場にはたくさんの人が来てくれました。またもやSOLD OUT。嬉しい限りです。年齢層もバラバラです。そして当初の僕の心配は杞憂に終わりました。人々は首謀者たちと全国の愛を受けて、ピースフルな空気を作ってくれました。僕が話す相馬のことも、心から受け入れてくれました。音楽は音楽として機能していました。そこに副市長や、議員さんも来てくれていましたが、心から音楽を楽しんでくれていました。イデオロギーや党派や主義主張と云ったものを超えて、未来について考えてくれました。ほんとうに嬉しかった。ハードルはいろんな意味で高かったけれど、来てよかった。大好きな街がまたひとつ増えました。この街が失礼な表現だけれど(ほんとうにすいません、でもこうしか表現できない)、福島や相馬のようにならないよう、願うのではなく、豊かな形で行動しよう、と思います。ただ、がむしゃらに反対するだけではない、対立を生むだけではない方法があることを僕に教えてくれました。 ほんとうに、ありがとう。来てくれて、ありがとう。長くなりますが、今日は首謀者がパンフレットに書いていた言葉をそのまま掲載します。僕が語らなくても、ここには素晴らしい愛があるからです。 彼らが作ってくれた募金箱には¥29,114。必ずプロジェクトに届けます。そして福島や相馬のたくさんのともだちへ。この街の多くの人々はみんなのことを心から思いやってくれています。それだけは僕は伝えておきたい。 ——————————————————————————————- 3.11以降、MY LIFE IS MY MESSAGEの活動を通じて、日本全国(いや、世界か?)の、実にたくさんの仲間が、相馬に想いを寄せていくようになりました。その輪は、どんどん広がっていって、そして今度、僕らの町にも届けられる運びとなりました。ひとことでは言い表せない気持ちがあります。感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。 今夜のこのライヴは、タイトルが「MY LIFE IS MY MESSAGE」といいます。ガンジーの言葉だそうです。この言葉をキャッチフレーズにして、今年は3月20日から、今日に至るまで、ソロで、全国津々浦々、実に31カ所の地でメッセージを届けてきた山口さん。この八幡浜公演は、32カ所目となります。僕は今、こんな気持ちでいます。7月14日という今日のライヴに向かって、山口洋というひとりの男を通して、相馬のみならず、東日本のみならず、全国の相馬を想う熱い気持ちが、この八幡浜に辿り着いた。この会場にいるのは、我々だけではないようです。どうやら、今夜のこのライヴを、全国の熱いメッセンジャーたちが、一緒に見守ってくれているように、そう思えてなりません。そういう思いがしたものですから、僕は、3月20日の豊橋公演からずっと、31カ所のライヴ会場で寄せられた相馬に対するメッセージを、紙に書いてみました。(私も一緒に書きたい!書かせて!と気持ちを同じにしてくれたSさんと共に書いていきました。本当に本当にありがとうございます。)ひとりひとりのメッセージをひとつひとつ、読んで、書いているうちに、涙があふれそうになる場面がありました。書きながら「この言葉は、僕の言葉ではなく、書いた人の言葉なんだろうけど、書いていると、その書いた人に自分がなったような気分で書いたりするようになったりして、だから今日、このライヴ会場に第1公演から第31公演までのすべての会場のお客さんによって書かれたメッセージを、僕とSさんで書いたものを、掲示させて頂いておりますが、なんだか今、全国のみんなが見つめてくれているような、そんなあったかい気持ちがしています。そんな場所で、地元のみなさんと一緒に、このライヴに参加できることが、しあわせでたまりません。本当に本当に、ありがとうございます。実際、MY LIFE IS MY MESSAGEの活動に賛同し参加し応援している全国の皆さんは、今夜四国の愛媛の八幡浜という町に、山口は行っとるんやな、今から歌うんやな、その八幡浜という町でもいいライヴになるといいな、ということを、思ってくれているにちがいないと思っています。このあと7時から、いよいよ山口洋さんが登場し、ライヴ開始となりますが、今夜この場所に集まってくださったみなさんにとりまして、この山口洋さんの歌が、山口洋の歌というだけでなく、相馬の歌というだけでなく、ファンの歌というだけでなく、主催者の歌ということでなく、今夜、お越し頂いた「あなたの歌、つまり、自分の歌」となりますことを、心より願って、ご挨拶に代えさせていただきます。 今夜から八幡浜は夜市も始まりました。3連休の初日の夜、なにかと用事もあったかと思います。そんな中、このライヴに参加していただくことを選択してくださいましたことを、心より御礼申し上げます。すべての方に感謝致します。本当にありがとうございます。ここに書いてもいいでしょうか?「日土のSさん、Sさんが僕と一緒に「楽しみやね!がんばろうね!」って毎日話しかけてくれて応援してくれたおかげで、今日のこの感じがあります。感謝MAXです。本当に本当にありがとうございます」。さぁ、いよいよ始まります!!! 僕たちの、私たちの音楽が!!! マイライフイズマイメッセージ!ユアライフイズユアメッセージ!ライヴフォー相馬シティー! 何が正しくて、何が間違いなのか、分からないけれど、ただ、、人が人を想いやっていること。決して、独りじゃないということ。それを伝えたいと思い、ひとりツアーに出て、今夜八幡浜へやってきた!「山口洋、48歳、男」! どうか盛大な拍手でお迎えください。思いっきり見つめてあげちゃいましょう!(笑)それでは開演まで今しばらくお待ちください。ありがとうございました。 Messages for Soma City 120714 Uさん 39歳 愛媛県 私に何ができるのか、まだ答えは出ないけれど、ひとつだけ。相馬の人のことを福島で生きている人たちのことを忘れません。その人たちを応援している人たちのことを忘れません。 Mさん 34歳 愛媛県 … 続きを読む

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