日別アーカイブ: 2015年1月5日

ドブサらい

1月5日 月曜日 晴れ ティーンの頃、飲食店の厨房でバイトをしてた。結構な繁盛店。大将は今思い返しても、尊敬できない金の亡者だった。ちなみにオレの時給は340円。たぶん、労働基準法に違反してるな。営業が終わり、厨房の床にデッキブラシをかけて、最後に床の下に流れるドブのようなところにたまったゴミをさらう。油だの生ゴミだの。かなり強烈な汚れ仕事だった。 社員はもちろんやらない。バイトは誰もやりたがらない。この感じっつーか、空気が大嫌いだった。だから、率先してフツーにそれをやることにした。ラッキーと思ったであろう輩も居れば、少しづつ態度が変わっていった同僚も居た。能動的ドブさらい。気持ちは今も変わらない。それが格好いいことなのかどうか、オレは分からないけど、フツーに、黙って、率先して、オレはそれをやれる人間で居たい。期待しないし、求めもしない。ただ、それをやるだけだけど、それが充分なメッセージだとオレは思う。ガンジーがMY LIFE IS MY MESSAGEと云ったことの意味はね。 便利な世の中になって、エンジニアがミックスしたファイルが送られてくる。それは「満月の夕」を5人のヴォーカリストが4本のギターを弾きながら、歌っているものだったのだけれど、そこには多様性と云う普遍性があった。笑っちゃうくらいにバラバラな個性。でも、これでいいのだ。知らない人も多いけれど、ズレてるからハーモニーやグルーヴは生まれる。ただし、同じ行き先を観ていなきゃならないけど。 ある曲は「公共財」だと僕は思う。もう誰のものでもない。まして、僕のものではない。僕は積極的にテレビに出ない。好きじゃないのだ。マスで1回で伝わるものでも、僕は300回ライヴをやることを選んできた人間だ。でも、今回オファーを受けるにあたって、音楽が持つ多様性を伝えてくれるなら、と思った。ドブさらいという寡黙な愛の方法(オレのことじゃなくね)も含めてね。受け取ってくれるといいけど。 もう残りのLIFEの方が短い。いつだって雑務が持ち込まれるけれど、これからはバッサバッサと断る。元旦にそう決めた。お人好し、禁止。僕が世界に寄与出来ることがあるとするなら、時代を感じて、新しい曲を産みだし続けることだと思う。だから、その本分を忘れないように、環境を変える。ときどき、世間との交信を切る。あるいは外国に逃げるつもりでいる。 ぜんぜん関係ないけどさ、メンフィスにはまだ音楽の心があるぜ。アナログのテレコが廻り、ハモンドがリズムを刻んでるだけで、涙ちょちょぎれる。これが音楽だよ。音がウォームだよ。こういうの観ると、もう一回がんばって、スタジオ作るかーーーとか思う。夢、忘れてたな、オレ。    

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