霊的なこと

11月26日 金曜日 晴れ 

 音楽をやるってことは「霊的」なことです。あ、なにも心霊現象みたいな話じゃないです。笑。「思考」なんかがとうてい及ばない状態にいるってことです。「無」ではなく空っぽなだけ。空っぽのコップに水が注がれるように、スピリットが降りてくるんです。それが演奏するってことです。近未来であれば(5分とかのレベルだけど)予知もできます。正確には予知というより、わかるんです。

 富山県の民謡に取り組んでいます。理由は自分でもわからないのです。向こうが勝手に降りてきた。人間の力でこれをトランスさせろ、と確かに空の誰かが言うのです。

 車で走っていると富山の風景ってのが確実にあります。これはね、文章で表現するのは難しい。凡庸だけれど、美しい山々が遠景にあって、澄んだ水があって、豊かな魚が育つ。でっかい家に田んぼと畑。うーん、これじゃ伝わらないな。あのエリアだけ隔絶された「たましの棲家」みたいなものが確かにあるんですよ。

 飛行機で山脈を越えてみると、また如実にわかるんだけど。

 若い頃アイリッシュに惹かれたのと同じ。理由はわからない。でも、源流をたどっていくと、ああ、これを知るためにオレは導かれたのかって。

 歳月を生き延びた民謡にはそんな力があるのです。じゃなきゃ歌い継がれない。なぜ、富山なのか。その理由がわからないから面白い。

 てな訳で、今月僕のライヴに足を運んでくれたら、身体に入れていく様が見ることができるかもです。

 天空と人々のスピリットをつなぐためには僕がイタコみたいになんなきゃなのです。それもまた音楽に携わる上で至福のひとときなのですよ。

 って、伝わるかなぁ。

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霊的なこと への3件のコメント

  1. Masako より:

    富山。立山アルペンルート。20代の頃、金沢経由で電車で行ったことがあって、黒部ダムがありますね。バスやケーブルカーで登った思い出が。トロッコで走ると鮮やかなグリーン色に染まる川が見えてきます。雷鳥もいるんですよ。夏なのに、雪が残っていました。雄大な自然。最近、立山に行きたいなぁと。ます寿司が美味しかったなぁ。山口さん、旅人だから。スピルチュアルな感性がどこかで眠ってるんですね。。
    民謡は東北かなぁと思いましたが。配信でみた民謡奏でるバンドがとても良かったです。

  2. 富山のサワイ より:

    富山からこんにちは。
    かつてある作家が、「民謡は日本のカルチャーであるけれど、俺のカルチャーではない」みたいなことを発言していて、長年モヤモヤしていたのですが、山口さんの歌う五木の子守唄や相馬盆歌と聴いて、それは理解ではなく受容の問題なのだと思いました。
    富山が山口さんに降り注いだこと、それを感じ取ってくれたことがうれしいです。
    またいつか富山で演奏される機会があることを楽しみに待っております。ええ、何年でも。

  3. waku より:

    最近富山に移住したので何だか嬉しい気分です。

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