2月14日 金曜日 嵐
嵐の日。
宿でじっとして、曲を書くという選択肢もあった。でも好奇心の方が勝った。どうしようもなくなる前に、引き返す勇気だけはもって山に向かう。
いやはや。いつだったか二日酔いのおおはた君を乗せてジョニ・ミッチェルを聴きながら、吹雪の中、山形から弘前に走ったことがある。あれはほんとうに怖かった。夜だったしね。しかも四駆じゃなかった。飛んでくる雪に催眠術をかけられてるみたいで、わずかに反射するガードレールのリフレクターだけが頼り。生きた心地がしなかったけど、おおはた君は爆睡してたっけ。大物だよ。笑。
今日のは、ブリザートてか、地吹雪ってか。ホワイトアウトでなんにも見えない。道どこ?みたいな。こんなことのために四駆に乗ってるんだけど、フロントガラスが凍結して、さらになんにも見えなくなる。すごいな、、、。
インスタにアップした映像なんて、余裕があるときに撮ってるわけで、あんなレベルじゃないんです。
こんな嵐の中でも細々と小さいリフトだけ動いてる山があって、そこになんとかたどり着いた。でも、嵐のおかげで、ロケットフィッシュに乗れたよ。パウダーがそれなりにあったから。それはほんとに愉しかった。
こんな環境の中にいると、ニンゲンのいろんなものがあぶり出しみたいに浮かび上がってくる。それが興味深かった。こんな山奥にまできて、どうして群れるのか、オレにはまったく理解できない。ひとりで嵐に揉まれてるから、聞こえてくる声がある。それが聞きたくてここにいるのは、、、、、どうやらオレだけ、みたいだね。
山奥で人間観察。ある種の本質みたいなものが見えてくる。人間って集団でいると危機的状況に陥るまで危険を感じない生き物なんだね。で、たぶんそれがわかった途端一気に暴走を始める。
ちょっと怖かった。
さぁ、明日は晴れそうだね。それは朝イチに行かなきゃでしょ。わたすもジャンキーなのです。パウダージャンキーってやつ。あれはね、合法だもん。ほんとうにたまらないんです。孫悟空が金団雲に乗ってる感じって言えばいいのかな?
バックカントリーがなにかもわかってなかった頃、異国の山で随分やらかしたと思います。あ、これは死ぬんだ、とか、発見されるのは春だな、とか。脱出できないことやツリーホールの恐ろしさとか。誰かがいるからって、ついていくことの危うさとか。ほんとうにこれが一番危ない。
いつだって頼りにしなきゃいけないのは自分。自己責任って、書くのは簡単だけどね。遭難してる人はほぼ一人じゃないでしょ?一人だったら、本気で考えないとマジで危ないんだもん。
そんなことを改めて感じている日々です。この歳になると、怪我せず帰ること。なによりもこれが第一です。
「今度、骨折したら引退!」。CHABOさんの言葉は忘れません。
山口さん
ご安全に!
おはようございます。
私は某山で働いている気がします。
今日は晴れました。^^
裸の知覚を求めに行くこと、、、、、。男のロマンですね✨開高健
どこか、文明の指紋のついていないところ、、、、、。やはり、開高健!
山口さん、こんにちは。
TOKIEさんのために怪我なく必ず無事に帰ってください。
約束です。