カテゴリー別アーカイブ: blog上架空音楽番組 「地獄アワー」

「blog上地獄アワー、第二十回。山のラジオで受信した曲特集」

3月1日 日曜日 晴れ ラジオは世界へ通じる扉。この異国の山中でも、僕はとあるラジオを流しっぱなしにしています。今日はね、昨日ラジオから流れた曲の中から、「ん?」とひっかかった曲をピックアップしてみました。いくつになっても、自分でその扉を閉ざさない限り、知らないことなんて山のようにあるのです。 1曲目。先日のディランがインタビューでジミヘンのことをこう語っていました。「彼は誰も全く注目していなかったような俺の些細な曲を上部成層圏の隅まで轟かせて、どれも名曲にしてくれた」。この曲、僕はジミのヴァージョンの方が好きです。ラジオから流れてくると、いつだって目が覚めます。たった3つのコードなのに。     トム・ウェイツの名盤「RAIN DOGS」から「DOWN TOWN TRAIN」が流れてきました。ロバート・クワインのギターがね、たまらなく好きなんです。     おっと、今度はROCKPILEっすよ。かなりのスーパーグループです。デイヴ・エドモンズのロックンロールギターは激シブ。     ROBERT PLANTのこの曲、良く流れてくるんですけど、相当好きです。かくいう僕もまだアルバムを買ってないんで、帰ったら買います。過去に生きていないところが好きなんです。     この人たちは誰なのかも知りません。でも、良く流れてます。好きです。アルバム買います。WOODKIDで I Love You。     この人たちもラジオで覚えて、気になってます。SNOW PATROL で LIFE BOAT。     さぁ、どんどんディープに。今日、初めて聴きました。好き。Fleet Foxes で Blue Ridge Mountains。(間違いの指摘、サンキュー)     これも今日、初めて聴いたんです。Blackfield で … 続きを読む

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「blog上地獄アワー、第十九回。アルバム特集#1」

2月1日 日曜日 晴れ さて。今回はアルバム特集っす。アルバムをまるっと一枚すべて。どこにも捨てる曲はなし。曲間のタイミング、それまで音楽、みたいな。分かってると思うけど、聴いて気に入ったら、買ってね! 中学高校の授業中、僕は一枚のアルバムをはしょることなく、脳内で再生して、時間をやり過ごしてました。つまり学校に行くと、ウィークディは一日6枚くらい再生する訳です。おかげで成績なんて上がったことはないけど、ミュージシャンになる素地は作られたのかもね。 先日、仙台の音楽専門学校の学生たちの前で演奏したんだけど、彼らのことを思い浮かべつつ。今回は僕が中学、高校時代。ほんとうに好きだったアルバムたちを。僕の血や肉、そのものになった音楽なのです。ガキの時分だから、みんなも知ってるアルバムが多いだろうけど、今回は若者向けってことで。次にやるときはもっとディープにやるよ。 ———————————————— 中学になったばかりの頃だったかな。まだ野球部に居て、坊主頭だった頃。シリア・ポールさんがDJのベスト10番組でずっと1位だったのですよ。「HOT STUFF」がラジオから流れてきて、僕の人生は変わったですだよ。ビンボーでなかなかアルバム買えなかったけど。生涯の一枚かも。だってリアルタイムなんだよ。これまでにこのアルバム、多分5枚くらい買ってるな。僕の血と肉なんです。いや、まじで。       次点でこれ。これも中学生だったっけ。BLACK AND BLUEと同じくらい聴いたよ。遠い目。いつか、バンドやろうと思ったんです、福岡の片隅で。       次。中学2年、1977年に買ったアルバム。正直、買ったときはハズしたと思ったっす。中学生にはちょっと難解すぎた。ひとつきに一枚買えれば良い方だったから、その月はブルーだったっけ。でも、高校に入ったある日、ビリっと来たんです。僕のギターを形作ってくれたテレビジョンの名盤、MARQUEE MOON。もちろん、全編弾けます。リチャード・ロイドもトム・ヴァーラインも。この前、佐藤タイジに「山口くんって、トム・ヴァーラインの影響受けてるよね?」って。受けてる、受けてる。大受け。世界MARQUEE MOON選手権があったら、間違いなく日本代表になれるくらいね。       僕のギターにガッツを加えてくれたのはミック・グリーンです。このアルバムはロックンロール・ギターの教則本。通ってた偏屈で大好きなレコード屋さんに「一家に一枚、パイレーツ」って書いてあったっけ。福岡に育つと面倒なことも多かったけど、こういうとこ、良かった。何だかね、知性より恥性。そこが好き。笑。       はてさて。あんまりでっかい声で云わなかったけど、実はツェッペリン、好きだった。ジョン・ボーナムが死んだのは高校2年のとき。もうあのドラムが聴けないのかって、一日落ち込んでたのをはっきりと覚えてます。一番好きなアルバムはね「フィジカル・グラフィティー」。アルバムまるごと聴けるyoutubeのページがないから、この曲で。気に入ったらアルバム買ってみてね。最近リマスターで出たよ。       大学2年の時にリリースされたのかな。バイトに行く黄色いビートルの中でずっと聴いていたのがこのアルバム。残念ながら、フルでyoutubeにはなかったので、表題曲だけ。決して、派手なアルバムじゃないのね。モノローグ的な。でも、短編を10編読んだような気持ちになる。どんな時に聴いても、頭の中に風景が浮かんでくる。そして、何よりも3分のロックンロールであること。ロックンロールの可能性を教えてくれた僕的には歴史的名盤なのです。シンプル、だからこそ芳醇。       無人島に持っていく一枚、みたいなムック本に原稿を書いたときに選んだのがこのアルバム。この音楽は奇蹟そのものだと思うよ。楽曲、バンドマジック、演奏、すべてがね。       The Bandに居たロビー・ロバートソンが90年代にリリースしたソロ・アルバム「Storyville」。楽曲、演奏、録音技術、ソングライティング、ヴィジョン、エトセトラ。あらゆる意味で、僕にとっては90年代を代表するもの。スピーカーとヘッドフォンでは違う世界が見えてくる。アナログとデジタルの境目で、見事にその両方の良さをパッキングしたって意味では、未だにバイブルのように聴いたりもします。 … 続きを読む

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「blog上地獄アワー、第十八回。新年おめでとう !」

1月1日 木曜日 晴れ 新年、おめでとう。 みなさんにとって、素晴らしい一年になりますように。「blog上地獄アワー第十八回」はみんなからのリクエストも取り入れつつ、「新年おめでとう」、音楽の年賀状です。オレ、年賀状書かないので。 でも、アイルランドの羊さんからメッセージが届いております。   おっと、この方からも。 ——————————————- まず、1曲目は Curtis Mayfield のThis Year。新年だしね。 空港で、近くに居る誰かに電話がかかってきて、着信音をiphoneのデフォルトのままにしておいたがゆえ、混乱したことない?僕は何度も外国の空港で、落ち着かない想いをしたので、呼び出し音を自分で作ることにしました。それにあたって考えたのは、どんな状況のときにかかってきてもイライラしない穏やかな音楽ってことです。そして、選んだのがこの曲。どれだけ聴いても嫌いになれないって、すごいことだよね。This Year!     今年の干支は羊? 僕の夢は佐藤タイジのもじゃもじゃヘアーを、奴が寝ている隙にバリカンで刈ることです。本人に思い切り拒否られたけど。笑。リクエストを読んでいると、正月はダウナーな曲を求めてる人が多いみたいだね。わかった。わかったよ。そうする。じゃ、Bruce Cockburn の The Whole Night Sky。彼のギターが素晴らしいのは云うまでもなく、曲中のスライドはボニー・レイットが弾いてるんだけど、こちらも最高。聴いて、寝てくれたまえ。空に羊が浮かんでるよ。     Hiroさんから。 「来年初めて女の子が生まれてきそうです。娘が大きくなった時に父が贈るべき歌を紹介お願いします」。 おー、そうか。おめでとう。じゃ、ダウナー系と合わせて、この曲でどうかな?「夜明けを持ち上げよう」って、いつか素敵な彼氏に云われるような女性に育つことを願って。この曲、ほんとに好きなんだ。Robbie Robertson で Hold Back The Dawn。     MDTYさんから。 「私、来年(平成27年)、厄年なのですが、 そんな本厄をむかえる男にぴったりの曲などがあれば … 続きを読む

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「blog上地獄アワー、第十七回。リクエスト特集」

12月1日 月曜日 晴れ 第十七回です。今日はリクエスト特集。旅先で、「地獄アワー楽しみにしてます」って云われるのが、何より励みっす。じゃ、さっそく行ってみよー。 ——————————— 甲斐さんからのリクエスト。「最近どーにもお酒を飲むと物を無くしがちです。 ホントにヤバい位の無くし物でして凹み捲りなんです。無くなったんだから仕方ないとモチベーションを最大まで盛り上げられる様な曲をかけてくださーい(^O^)/」。 つーか、オレもだよ。自分のスタジオからキッチンに駆け上がってきて「ん?オレ、何を取りにきたんだっけ?」みたいな。そんな君には人生は4%くらいパントマイムだ。っつー曲を。 Van Morrison & The Bandで4% Pantomime。     かつらぎさんから。「人生最期に聴きたい曲は何ですか?」。迷わずこれです。思い入れがありすぎるので詳細は割愛ね。 The Beatles で The Long And Winding Road     kumikoさんより、枯れゆく恋心を取り戻す曲ねぇ。ふーん。これでどう?オレっていぢわる? Chris Whitley で Poison Girl。   やっぱり意地悪いね。これでどうだ。 Eric Justin Kaz で If You’re Lonely   … 続きを読む

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「blog上地獄アワー、第十六回。冬の朝、出勤に似合う曲、特集」

11月1日 土曜日 晴れ 明日から世界は連休なんだってね。なので、ちょっとだけ前倒しアワーでお楽しみください。 わりかし最近のことです。 とある美しい町にある、ともだちの家に滞在していたときのこと。 その人は朝、出勤するのです。当たり前か。そして、細君は弁当箱にご飯をよそおう。その朝の風景がたまらなくプレシャスだったのですね。ご飯の湯気がとっても美しかった。 毎日、通勤している人には当たり前の風景なんだろうけど、僕は静かな感動を覚えながら、柱の影から、「巨人の星」の明子さんみたいにその光景を見つめていたのです。やがて、同僚が迎えにきて、彼らは出勤とあいなったのですが、ふーむ、こりゃ、オレ、経験ないけど、冬の朝、出勤のときに聴く音楽特集をやろう、と思ったのです。出勤したこともないくせに。笑。 でも、いつかそんな曲、書く。 ——————— では、行ってみるよ。 Dream Academy の 「Life In A Northern Town」。85年、大学3年くらいだったのかなぁ。冬、夜のバイト(ガードマンだったんだけど)に行くときに、良く聞いてたなぁ。きっと、冬の出勤にも似合うぞ。     Chris Rea の 「Winter Song」。きっとどんな街にも似合うよ。聴けば分かるさ。     She & Him の 「Thieves」。ジョナサン・リッチマンみたいにこの二人は一度ハマると癖になります。冬のジョギングにずっと聴いてたよ。色がないのが色。     George Harrison の 「All Things Must Pass」。云わずと知れた名曲だけど、冬の朝にはいいと思うなぁ。 … 続きを読む

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「blog上地獄アワー、第十五回。リクエスト特集」

10月1日 水曜日 晴れ 第十五回はリクエスト特集です。さっそく行ってみよー。 30′sさんから 「どうしようもないダメ男に寄り添う曲」のリクエスト。ストーンズの「Fool To Cry」にしようと思ったんだけど、ともだちが素晴らしい曲を教えてくれたので変更。永遠のダメ男(褒めてます)ポール・ウェスターバーグが曲を書いて、グレン・キャンベルが歌ってるこの曲を。かなり、染みます。 あまりに染みるので調べました。グレンさんはアルツハイマーが進行中で、これが最後のアルバムになんだそうです。そうだったのかぁ。すぐにアルバムを買いました。ビリー・コーガン、ブライアン・セッツァーを始めとして、ものすごいメンツが彼の最後のアルバムに華を添えています。音楽の魔法、そして愛と感謝が詰まった素晴らしいアルバムです。素晴らしいよ。是非。 ポールもヴィデオにさりげなく登場します。 じゃ、GLEN CAMPBELLで「Ghost On The Canvas」。   そしてこの秋、ドキュメント映画も公開されます。トレイラーも合わせてどうぞ。     続いて「怒りとか憎しみを(ランニングのように)アースしてくれる唄」。この曲、どうかな? ネガティヴな感情はネガティヴなことしか生まないと思うよ。JOHN HIATTで「The River Knows Your Name」。     けいじさんから、 「グレイトフルデッドの良さがもうひとつわからないので、山口さんのおすすめを」。そうねぇ、僕もパンクロッカーだったので、10代の頃はかったるくて聴いてらんなかったなぁ。笑。でもね、人を信じることの意味が分かってきた頃、とつぜん入ってきたよ。僕はこの曲を聴いて「愚か者の舟」っちゅー曲を書きました。モーガン・フィッシャーが同じタイトルの本をプレゼントしてくれたっけ。「Ship of Fools」に乗船する人は世界じゅうに居るみたいだよ。笑。わたくす、未だ乗船中。じゃ、GRATEFUL DEADで「Ship of Fools」。     runnnerさんより。 「掃除するときの唄」。よーし、これ聴いてきれいにしてくれ。音楽ゴキゲン、でもヴィデオは、うーん。 JOHN MELLENCAMPで「Rooty Toot … 続きを読む

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「blog上地獄アワー、第十四回。ラジオで聴いた曲特集」

8月30日 土曜日 曇り わたくしめ、連日スタジオにカンズメでありますゆえ、色気ゼロ、いやマイナスでございます。明日は日曜日。ですので、blog上地獄アワーを2日間、前倒しでお届けします。ゴキゲンな音楽で素晴らしい夏の終わりの週末をお楽しみくださいませ。 ———————————————– ぱんぱかぱーん。ぱにゃにゃーん。(ジングル)blog上地獄アワー、第十四回。 さいきん私の生活になくてはならないラジオ。ラジオと云っても、iPhoneのTuneIn Radioというアプリケーションで、世界中の放送局を聴いているのです。小さなサイコーの赤いスピーカーをbluetoothで繋いで。 子供の頃、レコードを買うお金がなくて、ラジオを聴いていたときとはまた違った感動があるのです。ほんとうに音楽に愛している人たちが寄付だけで運営している局があったりします。あまりに素晴らしいと思ったときは、海を越えてリアクションを送ったり、寄付したりすると、即座に「Hiroshiが日本から寄付してくれたよ、ありがとう」みたいなこと云われたりして、ドキドキします。50歳。告白したときみたい。笑。 どの局を聴いているのか教えてくれ、としょっちゅう云われます。でも、ケチなんじゃなくて、教えません。自分で探してください。それが愉しいんだもん。わたしは素晴らしい曲が流れたとき、SNSなんかより、よっぽど繋がってるなぁ、と感動します。 で、今回の特集。世界中のラジオで聴いて、こころを動かされ、自分でアルバムを購入した、2013~2014年の音楽を紹介します。こんなに貪欲に音楽を聴いているのはティーンのとき以来かも。はは。今日も6枚も買っちまったぜ。 大事なことは、これらの曲、同じ時代を生きてる人たちが創った現在進行形のものであるってことです。それでも世界は美しい。ときどき、そう思います。 ———————————————– さぁ、説明なしに、じゃんじゃん行くよー。ぐっと来たら、みなさんで調べてください。きっと、その方がいい。 1曲目。THE WAR ON DRUGS。このバンドはね、キました。素晴らしいです。アルバム「LOST IN THE DREAM 」から「UNDER THE PRESSURE」。     COLDPLAYってぜんぜんこころにヒットしなかったんすけど、この曲、キました。アルバム「GHOST STORIES 」から「A SKY FULL OF STARS」。     BLACK KEYS。ランニング中に聴いてキました。センス、素晴らしいっすね。これぞ、2014年バンドの音です。アルバム「TURN BLUE」から「TURN BLUE」を。     この人もとつぜんラジオから流れてきました。聞き覚えのある声。昔アイルランドのスタジオでイタリア人のアシスタントがCDくれたんです。とっても好きでした。そのアルバムに僕の曲に雰囲気がすごく似てるのがあって、他人じゃないなぁ、と。この曲だけ、今年のものではありません。ただ、みんなに聴いて欲しかったんで。M-WARDで「CHINESE … 続きを読む

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「blog上地獄アワー、第十四回。特集、街 #1NEW YORK CITY」

8月1日 金曜日 晴れ ぱんぱかぱーん。ぱにゃにゃーん。(ジングル) まずは1曲、アメリカのラジオで知ったKONGOS。他人じゃないぜ、このサウンド。今年のアルバムだってところがすばらしー。じゃ、COME WITH ME NOW。     みんなにお願い。youtubeで音楽聴いて、気に入ったら、是非作品を買って、ミュージシャンをサポートしてくれ。ヨロシク。 ————————————————————— blog上地獄アワー、第十四回。特集「街」です。 #1は僕を決定的に変えてくれた街、NEW YORK CITY。その街を訪れなければ、僕のLIFEはまったく違ったものになっていたと思います。語りすぎない程度に、LIFEとNYをめぐって、淡々と音楽をかけマックス。あとは、みなさんが感じてくださいまし。 数年前、敬愛する作家の宮内勝典さんにお会いしたとき。少年のような目でこう云われたんです。「山口さん、若者が旅に出たくなるような歌、書いてください」。後に知ったんですが、彼と僕は同じ時期にNYの同じエリアに居たんです。 で、私が伝えたいこと。 若者、旅をしなさい。 ————————————————————— 何度も書いてきたけれど。 ド田舎の高校2年生だったとき。この曲を聴いて、僕の人生は変わったのです。なので、今日もこの曲からスタート。登場するのはNY在住のフリークスたち5名。名曲1つは短編映画より強力でした。歌詞に興味を持った人は是非、自分で調べてください。そこまでケアするのはいいことだと思えないので。 「オレはぜったいNYに行っちゃる」と決めたはいいものの、まだ飛行機に乗ったこともなかったのです。その街は、あまりに遠かった。       ルー・リードのソロから遡って聴いたVELVET UNDERGROUND。僕は17歳。アルバムジャケットのNYの地下鉄から吹き出すピンクの水蒸気。それが妄想の中で最高のロックン・ロールだったのです。僕はまだ地下鉄に乗ったこともなかった。       このアルバムを買ったのはリリースされた1977年、中学2年。まったく理解できず。高校に入って、ある日突然、この音楽の美しさの虜になりました。未だ僕の美意識の一部を形成しているのは、1977年NY生まれのこの音楽。たぶん、細胞に刻まれてると思います。       音楽を通じて、多感な時期の僕にNYを教えてくれた人たちを続けて。     パティー。   ジム・キャロル   … 続きを読む

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「blog上地獄アワー、第十三回。リクエスト特集」

6月25日 水曜日 曇り ぱんぱかぱーん。ぱにゃにゃーん。(ジングル)blog上地獄アワー、第十三回はすべてリクエストで構成します。放送日は毎月1日なのですが、どう考えてもツアー中にそんな時間はなく、スーパー早出しアワーでお許しを。 ————————————— さて、日本にお住まいの「のり」さんからのリクエスト。 「毎日背中に力が入らない感じです。なので背中に力が入る(みなぎる)曲お願いします」。 よーし、分かった。ルー亡き今、未だに現役で突っ走るガーランド・ジェフリーズでどうだ!!!!! タイトルだけでオレは元気出るけどね。彼へのリクエスト、「exぴくるすさん」からも頂いています。じゃ、「I’m Alive」       続いて「のり」さん、アゲイン。 「僕は80年代半ばから洋楽に触れるようになったのですが、80年代って今聴くとどうも軽い感じがして「う〜〜ん・・・」てなっちゃうんですよ。 でも、もっと深く洋楽に親しんでいた山口さんなら「そんな事ないぞ!これ聴いてみろ!」て曲があると思うんです。ありますよね?」 よーし、わかった。確かに80年代は特にドラムの音がねぇ、猫も杓子もって感じだったもんね。今、流行を追いかけてるあなた。エヴァーグリーンなもの、見つめてないと10年後に恥ずかしい想いするよって暗示でもありますね。 これはレッキとした80年代作品。ウィリー・デヴィル。プロデュースとギターはマーク・ノップラー。シンプルだけど、この曲はヤクザで深いよ。色褪せない80年代の名曲。「Southern Politician」     ウィリー.デヴィルとミンク・デヴィルは同一人物(近年残念ながら亡くなったっす)なんですが、もう1曲。これは82年くらいだったかなぁ、オレは大学生で毎日、これ聴いてました。こういうのが80年代のいちばんいい部分かなぁ。きっとMTVが音楽を違うものにしたんだと思うよ。オレは未だに自分がPV創ることに興味ないっすもん。じゃ、名曲「Each Words A Beat of My Heart」       続いて、「ファンタグレープ」さんと「こじこじ」さんから。「女性アーティスト」、と。ふーむ、実にざっくりとした括りでんがな。がってんりょーかい。じゃ、大好きなフィービー・スノウでどうかな。この曲も80年代だけど、毎日聴いてたよ。じゃ、「Something Real」。先日、CHABOさんから聞いたんだけど、彼女も亡くなったんだって。さぁ、みんなちゃんと毎日を生きようぜ。これを聴いてた頃、ほんとうに貧乏で、喫茶店で働いてた彼女に殆ど養われた、みたいなことを一瞬にして思い出した。笑泣。甘酸っぱい。あのときはありがとね。       続いて。 マリア・マルダーもいっとこう。超がつくくらいの名曲。「Midnight at The Oasis 」。ギターはエイモス・ギャレット。彼がこの曲ライヴで演奏したとき、観客は全員総立ちで彼の手元を観てたよ。もちろん、オレも。 … 続きを読む

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「blog上地獄アワー、第十二回。ベーシスト特集」

6月1日  日曜日 晴れ ぱんぱかぱーん。ぱにゃにゃーん。(ジングル)blog上地獄アワー、第十二回はベーシストを特集します。   じゃ、まず一曲。 デヴィット・ボウイです。1977年にリリースされた名盤「HEROES」。僕はこの頃の彼にとっても影響を受けました。今日お届けする曲は「The Secret Life Of Arabia」。サウンド、素晴らしいです。プロデュースはボウイとトニー・ヴィスコンティー。ギターはロバート・フリップとカルロス・アーマー、ベースはジョージ・マーレー、ドラムはデニス・ディヴィス、鍵盤はイーノ。ため息が出るような人選です。もちろん、ベースラインも最強。   ————— さて。ベーシストっす。 ベースという楽器に自覚的になったのは、中学1年の時にラジオから流れてきたこの曲でした。何だか異様にベースがイケてると思ったのです。ウイングス。弾いているのはもちろんあの人、ポール・マッカートニー。リッケンバッカーの頃かな。ベースが曲の骨格を創ってます。じゃ、そこにも耳を傾けてね。先日、コンサートが中止になって、地元のバーでアナログでこの曲を聴かせてもらいました。あれから何十年も経ったけど、やっぱりこのベース、最高!  じゃ、「silly love song」。     続いて。 バンドを始めた頃、ベーシストの力量を計るのはこの曲が指で弾けるかどうか、でした。まるでギタリストにとっての「ハイウェイスター」みたいな。ちなみに渡辺圭一は今でも弾けないんじゃないかなぁ。笑。今度、聞いてみよう。僕はこの曲好きでも嫌いでもないけど、ベーシストが韓国人ってのが、山内テツさんと並んで、異様な親近感というか、「オレたちにもできるかも」と思わせてくれたのです。同級生の女の子たちがヒョウ柄のぴったぴたのパンツをはいたロッドの写真を下敷きに入れてたもんです。しっかし、すごいタイトルだな。じゃ、「I’m sexy」。     高校生の頃、「バカテク」のへ道を歩むのか、それとも「クール」な方に行くのか、決めなければなりません。そんな意味で、こんなにベースが下手クソでも、センスさえありゃ何とかなるって希望を僕らに教えてくれたポール・シムノンさん。でも、来日公演のとき「LONDON CALLING」のベースリフさえちゃんと弾けなくて、僕らはかなり失望したけどね。The Clashで「The Magnificent Seven」     1985年。NEW ORDERのベーシスト、ピータ・フックのベースという概念を遥かに超えたベースには強烈に影響を受けました。何と云っても、彼はベーシストなのに低音を弾かないのです。逆転の発想。基礎もクソもなくても、自分がやりたいようにやればいいのです。だって、音楽は自由になりたくてやるんだからね。     もう一人。このお方は上手い。ベースを弾く獣(けだもの)。ノーマン・ワット・ロイ。イアン・デュリーの音楽に彼のベースは不可欠です。     ボブ・ディランが云ってました。「ローリング・ストーンズにはビル・ワイマンが必要不可欠だ」。まったく同感だぜ、ボビー。     … 続きを読む

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