日別アーカイブ: 2011年4月23日

天晴、鰹魂。高知県中土佐町にて。

4月23日 土曜日 晴れ 正直に云って、高知公演2会場とも、会場の入り口が閉まらないほどのお客さんが来てくれた訳ではない。けれど、そんな事はどうでもいいと思えるほど、僕らはたくさんのものを受け取った。素晴らしい旅だった。まだ、終わってないけど。 中土佐町は人口8000人。被災した気仙沼とも繋がりのある、鰹の一本釣りで有名な小さな漁師町。去年、来たときも思ったのだけれど、まだこんな風景が残っていたんだ、と。失われし「美しき日本」の姿がね。人が人として、暮らしている。思いやりがあって、「結」の精神が残っていて、食い物が信じられないくらいに美味い。僕が今までに喰っていた「鰹」は「鰹」じゃなかった。こりゃ本当に「海のステーキ」だよ。「鰹の一本釣り」について詳しい教授を受けたのだけれど、間違ったことは伝えたくないから割愛。まぁ、とにかく騙されたと思って、この街に行って、喰ってくれ。 どこからどうやって集まったのか。舞台班、PA班、駐車場誘導班、食事班、街の至るところから人々が祭りのように集まってきて、それぞれの仕事を嬉々としてこなしていく。子供たちは総じて元気で、音楽に興味を示さず走り回る。天晴としか云いようがなかった。オープニングで演奏してくれたミュージシャンも素晴らしかった。僕らは街の音楽を盛り上げるために、オリジナルをたくさん書いて、もっとライヴをやってくれ、とお願いした。 僕が会った誰もが、コミュニティーのことを考えていた。大げさじゃなくて、誰もが、だよ。こんなこと、都会じゃあり得ない。その中心に祭りがあって、音楽がある。そのことがどれだけ僕らを励ましてくれたことか。書き忘れてた。会場の名前は「漁民研修センター」。最高だよ。彼らの活動は3年目になるのだと。でも、僕に出来ることがあるのなら、何でもやらせてもらうよ。音楽をやることで、中土佐町の鰹魂の素晴らしさを伝えることで、何かが結ばれていくのなら。 昨日も書いたけれど、大切なのはまずは「愛」。それがなければ、どんなに世間的に成功しようとも、ちっとも嬉しくない。逆に云えば、それさえあれば、僕らはどんなことだって乗り越えていける。後ろ髪を引かれながら、僕らは高知を後にした。そこで、突然気がついたのだ。僕は被災地に行くことにした。どうしても、自分の目で確かめなければ、出来ないことがある。高知で受け取った沢山の愛は僕の背中を押してくれた。たくさんの鰹魂、本当にありがとう。ちょっとだけ身体はしんどいけど、エネルギーで満ちてるぜ。頼まれなくても、必ず戻ってくる。 ここから先は高知公演で写真を披露してくれた、天野君の作品です。「美しき高知」の数々。  

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