9月6日 土曜日 雨
「才能とは継続する情熱のことである」。
CHABOさんとのツアーを通じて、僕が受けとったたいせつなメッセージ。きっとどんな職業や立場であれ、通じていることだと思います。
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すべてのはじまりは、聞こえない微弱な電波を、どうにかして聴こうとした長崎の少年の情熱でした。
もう20年以上前、僕は深夜の生放送で2時間番組をやっていました。とうぜん、僕の喋りがイケているはずもなく。ただし、選曲には情熱を注ぎました。僕はラジオに育てられたからです。今考えるとフィッシュマンズの佐藤さん、伊藤銀次さんも同じ帯でやっていたからして、当時としてもかなり画期的な番組だったのかもしれないです。深夜にはスポンサーのプレッシャーがあまりなかったのです。野獣解放区、みたいな。その番組は全国ネットでしたが、長崎にはネットされていなかったんです。でも、その少年Oは熊本からの微弱な電波をキャッチして、音楽を聴いていたんだ、と。
それから10年くらい経って、元少年Oはギター職人となって僕の目の前に現れます。確か浜松のお寺だったなぁ。「ギターを作らせてください」。それがヤイリ・ギターとの出会いです。岐阜県可児市に工場がある、その素晴らしいギター・メーカーについてはここを参照してください。
とにもかくにも。震災があり、ヤイコさんが居てくれて、高田蓮くんが実は岐阜と縁が深い人物だったりして、すべての点の偶然は必然の円になっていきます。真ん中には音楽とギターと、そして愛です。
可児市文化創造センター。全国を旅する僕らは、ほとんど市民が利用していない豪華なハコモノを目にすることがあります。でも、ここは違う。今日も市民で溢れていました。ロビーにはレンタル可能なヤイリ・ギター。市民が利用できる格安の音楽スタジオ、別のホールでは「市民カラオケ大会」の準備中。音楽(ジャンルを問わず)、演劇、映画、落語、エトセトラ。ありとあらゆるエンターテイメントが「市民のために」提供、いや還元されています。スタッフの情熱によってここが企画、運営されているのは、見れば分かります。今日の僕らのコンサートは音響、照明、すべて会館のスタッフでしたが、自分たちのハコを愛し、その上で特性を知り尽くしていました。モニター・マン(ステージ上の僕らにそれぞれの音を返してくれるステージ脇に居るエンジニア)は終始ノリノリ。難しい顔をして仕事をしている人が殆どの職種なのに(神経を使う仕事なんです)。ほんとうに、この仕事好きなんだろうなぁ、と。その情熱は力に変わります。ヴァイブレーションを創ります。
この写真を観てください。オーディエンスに会場案内をしてくださっていた可児市のきれいどころの面々。すべて市民のボランティアなんだそうです。僕らも斜めに立ってみました。出演者、華がない。笑。
ライヴの内容は記しません。そこに来てくれた人のものだから。ヤイコさん、蓮くん、二人の音楽は素晴らしかったです。すべての情熱がなければ、今日の必然はなかったのです。点のまま、何も起こらずに終わってしまうのです。どこで誰が受けとってくれるのか。それは分かりません。だからこそ、目の前のことに全力を尽くす。その情熱が未来を創る、唯一の方法だと思います。
関わってくれたすべての人に。ありがとう。でっかい、ありがとう、です。
今月はもう一度岐阜に行きます。佐藤タイジが主宰する中津川のソーラー・ブドウカン。すべてソーラーパネルの太陽光で電気が賄われます。一緒に未来を創りましょう。激アツいぜ、岐阜 !!!!!!
ついしん
そういえば、岐阜にはこんなお方も居たなぁ。ほんとにね、山も川も美しい。周囲を富山、石川、長野、愛知、三重、滋賀となんと6県と接してるんだそうで。可児市の名物は「さといも」なんだって。
更に追記
福井とも接してるんだそうで。ご指摘ありがとう。日本は広いぜ。
岐阜県は福井県にも接しております。印象は薄いかもしれませんが、忘れてはほしくないです。福井在住者より。
はじめましてのライブでした。
薄々知ってはいたのですが、生での洋さんかっこよかったです。
可児市でのライヴ、愉しかったカニ ♪
そして会場であった、可児市文化創造センターは本当に心地よい所でした。
スタッフの方は、キビキビとした動き、でも気持ちのノリノリが伝わってきて、拝見していて気持ち良かったです。
また会場案内をして下さった方は、市民ボランティアの方だったのですね。丁寧な案内と、帰る時は「ありがとうございました。」の挨拶、こちらこそ、ありがとうございました。写真、素敵です☆
Oさんの物語、まさに情熱、すごいですね。
Oさんをお見受けした印象は、静かに、やわらかで、でも中ではちゃんと熱く燃えている、おきびのような方だなぁと感じました。
必然の円、真ん中にある愛に、でっかい、ありがとう、です。そしてホストの洋さん、でっかいでっかい、ありがとう。
長野から車飛ばして行った甲斐がありました。そこにはいろんな愛が溢れていました。僕は音楽ではなく美術の世界で活動していますが、改めて情熱と愛を大切にしていこうと感じたひとときでした。どうしても自分中心に考えてしまうことが多いしそういう人が圧倒的に多いのです。
感謝!
このホールの館長さんは古くからの知人です。彼が創りたかった劇場の本質を、山口さんに感じてもらえてうれしいです。館長さんにも伝えておきます。