搾取

4月10日 金曜日 雨

デビューしたとき、実際はビンボーの極限だったにも関わらず、ツアーをすると、迎えのクルマにはマッサージ機がついていて、楽屋にはフルーツをむくためだけに女性が配置されていたりした。ほんとうにおかしな時代だった。むろん、強力な違和感を感じてはいたものの、自分が生きていくことで精一杯で、システムの矛盾を追求する頭は働かなかった。今思えば、アホだ。いいように扱われてた。

こうやって、永い年月の間に、音楽業界からそうとう遠い場所にたどり着いて、その手のストレスは皆無になった。その手の輩とも縁遠くなった。喜ばしいことだ。試行錯誤の連続だったけれど、独立独歩で何にも頼らず生きていく方法がないわけではなかった。前例がなかっただけだから、作れば良かったし、やりがいがあった。大事なことはあまり他人の意見を聞かないこと。たいてい直感の方が正しかった。稀に見る目がなくて、とんでもない目に遭うけど、それもまた前進への一歩だから仕方がなかった。

そもそも、組織が苦手だ。だから、近づかない。そして、誰かの金で何かをやろうとする輩にも極力近づかない。これでたいていのストレスからは解放される。仕事は(仕事とはあんまり思ってないけど。職業、「オレ」だから)作るもので、与えられるものではなかった。

まぁ。確かに音楽業界は下り坂だ。当たり前だ。金儲けばかり考えて、多様性をもったリスナーを育ててこなかったのだから、当然の報いだ。ここからはどれだけ音楽を愛してるか、何を見据えて生きてるかが、試されるだけのことだ。どんと来い。

だから、活動を維持するためには何でもやる。シンガー、ソングライター、ギタリスト、プロデューサー、エンジニア、エトセトラ。最近はディレクションもやることがある。昨日、生まれて初めてレーベルコピーを書いた。

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レーベルコピー

内容が詳細に記載されている、制作過程に用いたり保存用記録物として利用される重要な書類。
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過去の曲の著作権に関することを調べているうちに、忘れていた搾取の図式が明確に見えてきて、久しぶりに頭の中で「London Calling」が鳴った。ぷんぷん。気づかなかったオレがバカで、著作権管理団体は云うまでもなくクズで、何もしないのに、エサだけ横取りするハイエナがうじゃうじゃ居て、ヒドいのになると、権利を勝手に第三者に売り飛ばしたのまで居て、ハイエナ顔が浮かんできて、ほんとうに胸クソが悪かった。著作権っていったい何のために、誰のためにあるんだよ?これも確実にひとつの既得権益で、天下りの温床だよ。おまえら1曲でも身体とこころを痛めて曲を産み出したことあるのかね?

金の話じゃない。スピリットの問題なんだ。俺が云いたいのは。愛があるように見せかけて、それがないんだ。政治家も、官僚も、原発も、基地問題も、音楽業界も、構図はぜんぶ同じだ。志がF××Kなんだよ。

遅すぎたけど、これも勉強だね。人生は一回きりだから、自分が正しいと思った方にしか歩けない。妥協もしない。そして、誰かのせいにもしない。前例がないからこそ、そこを往くべきだとオレは思う。むろん、これはオレの考えで、誰かに強要する気はまったくないけどね。人生はギャンブルで、壮大な実験の場所だよ。笑。

ついしん

これは新星と呼ぶにふさわしいね。ワクワクするよ。this is music! すばらしい。

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搾取 への6件のコメント

  1. Koike より:

    かっけえ!

  2. のり より:

    もしかしたらメジャーレーベル時代の著作権って山口さん(HW)のものじゃないのかな??
    もしそうなら曲を産み出した人にとっては釈然としないものがあると思う。ていうか酷い話です。
    色々な業界にあるとは思うけど、既得権益てのはどうしたって無くならないものなんですかね・・・

    最後のバンドを見て何となく昔聴いていたThe Poguesを思い出しました。
    これを書く前に動画で確認してみたらちょっと違うかもしれないと思ったけど(笑)

    あと、最後にお願いがあるんですけど
    「地獄アワー」はカテゴリー分けしてまとめて頂けないでしょうか?
    聴きたい時には毎月1日の記事に行けば良いのだけど、何の特集を何時やったのか覚えてないから行き着くまでに時間が掛かっちゃうんですよ~
    是非お願いします。

  3. エイジ より:

    we banjo 3 かっこいいです!!
    このベース音はギター?
    ネットで調べたら「アイルランドの若者達にバンジョーが大ブーム」とありました。
    素晴らしいことですね!

  4. meimay より:

    うん!
    わたし、ちょっと(だいぶ?)自分がはずかしかも。

    「職業「オレ」」っていいですね。

  5. 愛ぴょん より:

    「どんと来い。」頼もしー
    魔法のことば、信じています「 I love you!」

  6. 松井ゆみ子 より:

    めっちゃブレークしてるのよ、アイルランドではね、このグループ。ちなみにフィドルレッスンのクラスメートの小学生が、お気に入りのミュージシャンにあげてたよ。
    バンジョー自体が新たな流行。トラッドオンリーの爪弾きスタイルが特に人気です。あまりにアメリカンで個人的には嫌いな楽器だったのだけど、ユニークなバンジョー弾きが増えました。WE Banjo 3、この夏アイルランドのフェスにもいくつか出るよ~遊びにきてね~

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