函館にて day #005

7月11日 木曜日 晴れ 

 バイクを弘前で預けたことによって旅のスタイルが180度変わった。

 簡単に書けば、誰かの手を借りなければ何もできない人になったってこと。笑。

 ならば、徹底的にそれを愉しむのも悪くなかろう。一宿一飯の恩義だけは忘れないように。

 しかし、なんというか。同じ志を持つ人のところには同時多発的に同じ事象が起きる。

 まずはネコ。

 お世話になっている浜ちゃんの家には グレちゃん(かなりトラウマを抱えていて、オレは会うことすらできない)という先住ネコがいたのだが、この度マメちゃんという超絶やんちゃな子ネコが迎え入れられた。それに加えて、3日間浜ちゃんの家に通い続けたかわいいネコが浜ちゃん夫妻の心が折れて、ついに迎え入れる現場に立ち会ってしまった。笑。

 愛なのだ。笑。

 弘前の悪友ヒロシの店はもはやバーではなくネコバーとなっていて、本人もいったい何匹いるのか把握していなかった。

 愛なのだ。アゲイン。

 なんにせよ、うちにもネコはやってくるだろう。

 次にバイク。

 弘前のカズヤに預けていたバイク。弘前のバイク屋さんがわざわざ出張してくれたけれど、例の基盤のせいで手をつけることができず。カズヤがわざわざ青森市のハーレー屋さんまでバイクを持っていって直してきてくれた。涙。

 持つべきものは友である。ちなみに、ハーレ屋さんにはバイクと除雪機が売られていた。

 さて。一宿一飯の恩義。

 浜ちゃんちのホスピタリティーはとんでもないのである。音楽、ご飯、寝室、ネコ、そこいらのホテルが束になっても勝てない。だいいち、家族フィーリングを味わえる。

 朝、ブルーベリーを摘む手伝いをすることにした。なんといっても、いちばん簡単な収穫だと聞いたから。

 これがね。とんでもなかった。数にして22パック。一粒として同じブルーベリーはないのだった。おかんの指導でなんとかやりきったけど、農業ってとてつもない仕事だってことを思い知る。

 函館には温泉がたくさんあるから。おすすめの温泉に入って、いざ65周年の歴史を誇る想苑へ。

 もはや、続けてきてくれたことに感謝しかない。7年の空白は来てくれるオーディエンスが入れ替わっていて、なかなかに苦戦はしたけれど、感謝の気持ちはじゅうぶんに込められた。

 贅沢な旅をさせてもらっていると思う。こんな旅をできるミュージシャンはいない、とも思う。

 でも、浜ちゃんの家に帰ってきて、ネコと戯れながら。与えられた人生を「丁寧」に生きることについて話しあった。

 それもまたたいせつな愛の形だと思う。

 ありがとう、函館。たぶん、またすぐに(びっくりするくらいすぐに)帰ってきます。

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函館にて day #005 への3件のコメント

  1. ナカムラ より:

    昨日からインスタのストーリーも観てました。
    こんなツアーやっているミュージシャン、たしかにいないと思います。
    でも、素敵です。
    計画どおりにいかなくとも、柔軟な展開、とてもすばらしいです。

    先月、ベイサイドライブに参戦後、思い立って翌日、函館を訪ねて、「想苑」にも行かせていただきました。1ヶ月後にはここで山口さんが唄うことを想像して、その場にいました。函館の街がとても好きになりました。
    インバウンドの観光地よりも、人のいとなみの見える場を旅する姿に心動かされます。いつもありがとうございます。

    あとは山口さんの体調が気になるところです。
    休養はとりつつ、この長い旅を続けてほしいと思います。

    福岡は博多祇園山笠期間中。祭りにもコンプライアンスのことが語られるようになるものも寂しい気持ちにもなります。伝統には伝統の力の理由があって統制ができる、祭りが成り立つのではないかと思ったりします。(関係ない話ですみません)

    福岡でのlive、楽しみにしています。

  2. 中澤 美穂 より:

    山口さん、おはようございます。

    与えられた人生を「丁寧」に生きることもまた愛の形。北海道の澄んだ空気漂う、オーナー・浜ちゃんさんのインスタストーリーズ、まさにそんな感じでした。

    うちに通って来てくれる地域猫の茶白男子、一昨日4種混合ワクチン接種して貰いました。

    居間の入口にゴザを敷き、在宅中、この子が上がりたい時に上がって爪を研いだり寝転がったりして貰ってます。今は、餌を食べ、水を飲み、ヒョイとジャンプした椅子の上で眠ってしまいました。

    Seize the day.とは、日々を全力で、そして丁寧に(感じる心を大切に、それをアクションに変換して)生きるってことですね。それが次をつくる。山口さんの著書のパンフレットにあった言葉、甦っています。

    由仁町でのLIVEも楽しみですね。ここに集まるオーディエンスの皆さまも、日々を丁寧に生きようとする、きっとそんなかたがたではないでしょうか。

  3. hiro より:

    函館でのLive お疲れ様でした!
    7年ぶりのLive(山口さんのトークも)、楽しかったです!!
    去年の秋に父親が他界し、今月のはじめに16才でわんこが天国に行き、
    ちょっと落ち込んでいたので、元気が出ました。
    ありがとうございました!!!

    これからは定期的な函館でのLive、よろしくお願いします。

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