旅の余韻

1月21日 金曜日 晴れ

「旅の余韻」と書けば、麗しいのだけれど、僕らの旅がそんなものであろうはずもなく、まさに激烈と書くにふさわしいものでした。京都からの距離が470キロと表示され、「へ、大したことないじゃん」と思う自分もイカれてるなぁ、と。

それでも、この時代、好きなことに没入できる幸福に浸っています。実現するために伴う障害は歓びであって、苦労とは呼びません。そして、手前味噌だけれど、僕らの仲間は本当に素晴らしい。

まずは細海魚。僕が折れそうになると、アコーディオンを抱えて立ち上がり、ものすごいフレーズを弾き始める。静かで激しい鼓舞でした。僕らの宇宙はかなりすごいところまで来た、と実感しています。ときどきステージで自分が何処に居るのか、分からなくなる。幸福です。

そして、この時代。音楽を心から愛し、そのためならどんなこともいとわない。素晴らしい輩が少なからず居ることが、僕らを励ましてくれました。僕は「愛」の本当の意味が少しづつ分かりかけています。願わくば、自分もそのようなニンゲンでありたい。病を抱えて絶望している人、家族や仕事のトラブル、人生のどうしようもない悩み。いろんな人に会いました。だからこそ、全力で「ひかり」を描きたい。僕らの「ひかり」は誰も救うことができないかもしれない。絵空事ではないし、時に生々しすぎることもある。でも、本当の「ひかり」とはそのようなものだと僕らは思うのです。

ツアーの途中で、体脂肪がここに書くのをはばかられるような数値になってしまいました。だから、今週末のマラソンは棄権します。おそらく、このまま走ったなら、例のごとく限界に挑戦して、低血糖で病院送りになるでしょう。そんな事に何の意味もない。ようやく学んだのです。ステージで死ぬならともかく、マラソンで身体を決定的に壊すことは馬鹿げている。それよりも、今は音楽に集中したい。簡単にそう決断できたことに、自分でも驚きました。

ようやく自分のベッドで眠れます。多分、一晩で回復するでしょう。そしたら、またこの音楽を深化させることに集中します。是非、観に来てください。

旅で出会った僕らの大切な友人たち。そして足を運んでくれたみなさん、本当にありがとう。心から、愛と感謝を込めて。

福岡への移動中、大阪あたりで観た「ひかり」

福岡への移動中、大阪あたりで観た「ひかり」

いつも突然の来訪を受け入れてくれて、ありがとな。身体に気をつけて。

いつも突然の来訪を受け入れてくれて、ありがとな。身体に気をつけて。

九州の雪。それはそれで格別。墓参りにも行けず。先祖のみなさん、ごめん。

九州の雪。それはそれで格別。墓参りにも行けず。先祖のみなさん、ごめん。

能楽殿は寒かった。だからこそ、あの風景になったんだろう、と。

能楽殿は寒かった。だからこそ、あの風景になったんだろう、と。

長崎の楽屋はすごかった。いろんな意味で。昔イギリスの古城で感じたものと同じだった。

長崎の楽屋はすごかった。いろんな意味で。昔イギリスの古城で感じたものと同じだった。

工藤ちゃん、ありがとね。

工藤ちゃん、ありがとね。

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旅の余韻 への1件のコメント

  1. けいこ より:

    お疲れ様でした。
    そして渾身の音楽をありがとうございます。

    毎晩「SPEECHLESS」を聴いて眠っています。
    何者にもなれず、何も成せずに1日が終わるのが怖くて眠るのが嫌いでした。
    でもこのアルバムは私を冷静に自分自身と向き合わせてくれます。
    私は私の光をきっと見つけます。

    最後に、本当に余計なお世話なのですが、
    マラソンに出場なさるのならご健闘をお祈りしようと思っていたのですが、
    棄権されると知って、正直ホッとしました。
    ミュージシャン、山口洋が大好きです。

    長々と失礼しました。
    またお会いできる日まで、私は自分の人生をしっかり歩きます。

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