山の生活day#008、Recording day#069

9月17日 水曜日 晴れ 

 山の暮らしで好きなこと。

 自分で事を起こさなければ、なにも起きない。

 ってこと。

 それゆえ、なんでもできる圧倒的なスキルが求められる。

 ってこと。

 たとえば、放っておけば凄まじいことになる草とはもう十分に戯れることができますが、これからは本物のチェーンソーが使えないとジャングル化は止められず、切った木を数年かけて薪にするまでの技術が必要です。電動のチェーンソーは持ってますが、これじゃ歯が立たない。もうすぐ林業のともだちゴンに弟子入りしようと思います。素人が木を切り倒すには危険が大きすぎる。

 最後に、すべてのことが天候などの自然の理由に左右されるので、イニシアティヴを自分が握ることができないこと。ミックスする曲ですら、窓からのその日の風景に合うように選びます。そうやって、ここで音楽にsomethingが加わるのです。

 かな。笑。総じて謙虚になります。

 娯楽はなにもないです。でも、焚き火だったり、会話だったり、食事だったり。そんな素朴なことがどれだけ魅力に満ちているか、再確認できます。あ、それも大事な技術のひとつかな。

 そして得体の知れない虫に激しく食われます。好きではないけど、これにはステロイドで対応するしかありません。テレビはまったく不要。ネットは必要なときだけ、こちらから繋ぐ。それで十分です。

 あちこちから自然が奏でる音楽が聞こえてくる(これがまた絶妙)から、あんまり聞かなくていいかな。自分が創っているものですら、自然の音楽には勝てません。絶妙すぎて。

 滞在しているわずかな時間でも、季節は移ろってゆく。そして、自分もまた死にむかって一歩づつ近づいていくことを実感するのです。それがとてもいい。残された時間をできるだけ有効に使おうと思うからです。それは日々の丁寧な暮らしの上に成り立っていることを教えてくれます。

 総じて自然の営みは偉大。水源に美しい水を汲みに行き(うちの水だって湧き水だから素晴らしいんだけれど)それでコーヒーを淹れると美味しさにのけぞります。激しく降る雨を大自然が何年もかけて濾過してくれたものです。そしてコーヒーは福山のポレポレのyuさんにハイチの極上コーヒーをオーダー(ネットでオーダーできるよ!)。

 食事は最大のイベントなので、たいせつに。食事は餌ではありません。人は食べたものでできているからです。

 てな暮らしの中で、やっぱり九州は肌に合うなぁ(あたりまえか)、ここにスタジオを建てたいなぁ、とか夢想しています。

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山の生活day#007、Recording day#068

9月16日 火曜日 晴れ 

 山に来て初めて晴れた日。

 客人たちがもう一泊してくれることになって、丸一日音楽から完全に離れることになりました。これがね、とてもよかった。笑。

 振り返ってみたら、2025年、たぶん1日も休まず突っ走ってきたのか、と。そりゃ、どうかしてるよね、と思い至ったのです。

 巨大な阿蘇をぐるっと案内。今日はツアーガイド。笑。近年阿蘇に越してきた同級生を道の駅に訪ねてみる。彼女は一人で日本一周するようなパワフルな人だけれど、みんなの予想通り、道の駅でまるで主のように快活に働いていて、なんだかとってもよかった。

 帰って焚き火をして、飲んで話して、すっかりリフレッシュ。もてなさなきゃいけないのに、すっかり励まされた感じです。なんてったって小学校のときからのともだちって、すごいよね。

 音楽ですが、AIの時代に完全に人力でオーガニックなものを目指しています。メンバー3人以外の演奏は入っていません。今どき誰もが使うオートチューン(ピッチを修正するプラグイン)もどうしてもピッチが安定しない笛にちょっとだけ使ったのみ。クリックさえ、完全に未使用。リズムは揺れ揺れ、たいていの曲はテンポが走ってます。ははは。

 でも、いいんです。人間が奏でる音楽だから。

 まだ頂きはみえないけれど、6合目は超えたかな。今日からまたミキシングに復帰します。人がたくさんいて、ワイワイガヤガヤしてたから、寂しいです。笑。

 さっき、家の中に迷い込んだでっかいセミが「JIJIJI !」と最後の声を発してこと切れました。そんな季節だね。昨日からとつぜんトンボが大量発生しています。セミくんはそのLIFEを丁重にリスペクトして、土に還っていきました。

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山の生活day#006、Recording day#067

9月15日 月曜日 雨

ともだちが来てくれた方が仕事が捗るという不思議。

学ぶこと、たくさんあるなぁ。行き詰まってボツにしようと思っていた楽曲も、いちばん難儀を極めるだろうと思っていた曲も、なぜか客人が来る前に解決。

不思議すぎる。笑。

ところで。

福岡市東区から持ち込んでくれた「もつ鍋」が最強。もつ鍋っておしゃれな食べ物ではまったくなくて、半島から炭鉱に強制的に連れて来られた人たちが、過酷な労働をこなすために、日本人が食べなかったものを丁寧に洗って(洗わないと臭い、しかも氷水で)唐辛子とニンニクを入れて食べさせたのが始まり。

だからゲジゲジ(命名わたくし、センマイのことね)とかありとあらゆる臓物が入っているのですよ。ある意味地獄鍋。

それを久しぶりにいただきました。箱崎の商店街にある「池尻」って店だそうです。最強です。めっちゃ元気でたよ!いい時間。

ありがとう。

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山の生活day#005、Recording day#064

9月14日 日曜日 雨 

 にゃんとか年内に最高の作品を届けるのだと、鼻息も荒く全力で取り組んできたゆえ、スピーカーとスピーカーの間に幻影が見えるに至って、ついに息切れ。さすがに限界を迎えた模様。笑。

 起きている間じゅう、音が鳴っていなくても、頭蓋の中に響く音に悩まされる。もとより、自然の中だから、いろんな音があって、それ自体が音楽なのに、自然の音楽を疎ましく感じるようになったら、なにかが自分の中で飽和している印。

 なにはともあれ、愉しくないのはよくない。せっかく、山の中まできて、こんな面倒な方法を選んでるんだから。学ぼう。少し、休もう。

 そんなタイミングで今日は初めての来客。夜には音楽をひととき忘れてみます。

 もともと、こんな時代にアルバムを出そうなんて考えが狂ってるんだから。ははは。こっちもタフに笑いをわすれずいかないと勝ち目ないもんね。なんでも一人で抱え込む性格も死ぬまでには克服したいと思っています。この世界をDIYで切り抜けることは不可能なんだしね。

 そんなときにとっても嬉しいことがありました。

 たとえば朝の5時に往復2時間半かけて、歩いて峰まで行くのも。こりゃ雲海出とるな、と直感がいうからです。そうすると、この光景をシェアしたくなる。そんなわけで早朝雲海生中継をインスタライヴすると、何十人かの人は見てくれる。

 SNSなんて、一歩間違えると自己顕示欲の発表の場。それはまったく望むところじゃないから、避けたいし、加担したくない。

 オレが思う正しい使い方は「資金に乏しいバンドの宣伝」と素晴らしいと思うものをシェアしていくこと。できれば、ほんとうに善きことを宇宙に放っていたい。

 過日、blogとインスタで画家、向井三郎の個展を紹介しました。それを見てくれたカーネーションの直枝さんが、足を運んでくれたと。投稿を見てくれた人たちが遠方からもたくさん訪れてくれたそうです。

 そういうのが「むっちゃ」嬉しいんです。アートであれ、スポーツであれ、食べ物であれ、生き方であれ、なんであれ。

 そういうひとつひとつのことが繋がって、世界が善き場所になっていくことをいつまでも夢見ています。

 垂れ流されてくるニュース。世界への無関心がこの悪しき世界を作り上げてきたとも言えるけれど。過度の関心をもったところで、ニュースには「必ず」なにがしかのバイアスがかかっているのです。そこは想像力で差し引かなければ。

 どう伝えたらいいんだろう。たとえば、小泉某が首相になったら、いや、自民党の誰がなってもこの国に絶望するけど。ほんとうに「民」のことを想い行動する人物は豊かな文化の中からしか生まれてこないと思うのです。

 向井が作品に向かいあうときの情熱。その静かでとんでもなくて、確かなものを。僕は全面的に信じています。

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山の生活day#004、Recording day#063

9月13日 土曜日 曇り

子供の頃、九州の空はもっと綺麗だった。言葉を換えるなら、澄んでいた。

飛行機で帰ってくるたびに、空が濁ったなぁ、と感じる。たぶん、大陸からなにかが飛来してるんだろう。昔から黄砂はあったけれど、それとも違う。

ハートランドでもそれは如実に感じる。

嵐の後、あるいは、冬の凍るような空気の日。夜空には信じがたい光景が拡がっていた。

ここにきて4日目。ずっと雨が降っている。仕事に追われているのもあるけれど、ずっと家にいる。山登りの道具も持ってきたけど、当分出番はなさそう。ちょっとだけ晴れたから、バイクでブンブンしたけど、それだけでもわざわざバイクで来てよかった。

ところでこれを書いているのは朝の4時。

この家にはロフトがあって、そこには天窓がある。ときどきそこで寝ていると、星の光で目を覚ますことがある。周囲に光がない山の中では月の光はもはや街灯のように明るい。なので、光源としてはtoo much。

僕はものすごい近視でなおかつ、もちろん老眼、おまけに網膜剥離の手術を2回もやって、白内障だっけ、緑内障だっけ、どっちか忘れたけど、その手術もついでに(笑)したので、目は相当にボロい。夜中の運転は避けたいくらいに。

でも、ひとつだけいいことがあって。星の光の日はなんとなくぼんやりとしている分だけそれがわかる。感覚としかいいようがないんだけど。

今日はそんな日だった。久しぶりに星の光で目覚める。ものすごい日に比べたら20%くらいだけれど、それでも十分星からのメッセージは受け取る。夜明けのオリオンだしね。笑。

写真はインスタにアップしておいたよ。

思い返せば、このアルバムの曲はすべて早朝に書かれたんだった。だから、山でもそんな時間を持てばいいんじゃないって、星が僕に語りかけてるようだったよ。

陽が昇る前に、雨も止んでるし、峰まで歩いてこようかな。

ミキシングはとっても前に進んでいます。スペアで持ってきたコンピュータが壊れたので、メインのマシンが壊れないことを祈るのみです。

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山の生活day#003

9月12日 金曜日 曇り

せっかく山に還ってきたのに、天気悪いし、仕事は山積みだし、都会にいるときよりコンピュータに張りついて一歩も出ることなく仕事をしております。ははは。

学んだことと言えば。

以前なら、そんな状況にイライラしてたところですが、ここは腹をくくってなにごとも全力でチャレンジあるのみでございます。とりあえず光が見えるまでは全力で突っ走ります。

でもまぁ、ニンゲンの思い通りにならないのがいいんです。洗濯ひとつとってみても、お天道様が顔を出しそうなタイミングに合わせなきゃだし、雨が来そうになったら、察知して取り込まなきゃだし、次第に干すのが面倒くさい洋服は着なくなる。それを順応って呼ぶのかな。笑。

にしても。

ここに来るようになって20年くらいだけど。この時期、山は完全に秋でトンボがギンギンに飛んでましたが、まだ1匹も見かけることなく、セミがギンギンに鳴いております。いちおう陽が落ちるとヒグラシや鈴虫が鳴くけれど。

なんだかなぁ。

 

 

もうすぐオフィシャルサイトにアップされると思いますが、大分県日田市の陶器の里、
小鹿田焼民陶祭でのスペシャルライヴについてです。

なにはともあれ、山奥の一本道に2万人!の人が来るので、大変な渋滞になります。なので、バスで来られる方は以下の日田市の案内ページから、日田バスの特別ダイヤをご覧ください。遠方からクルマで来られる方は指定された駐車場に駐めて、無料のシャトルバスをご利用ください。

ライヴはにゃんと無料。「勝手に実家」の前庭にて行われます。この機会にぜひ、民藝の素晴らしさに触れていただけば、と思います。

 

 

山口洋が愛する「勝手に実家」、大分県日田市の陶器の里、
小鹿田焼民陶祭でのスペシャルライヴです。

2025年10月12日
坂本工窯前(雨天決行)
15:00~16:00 (予定)

日田市の案内ページ(バスで来られる方はこちらに日田バスの特別ダイヤが掲載)

車で来られる方は、相当な混雑が予想されるため、「ことといの里」か「旧北小野小学校」に車を駐車して、無料シャトルバスの利用をお勧めします。

無料シャトルバス(皿山ーことといの里ー旧北小野小学校)
ことといの里が満車になった場合、旧北小野小学校への案内になります。

 

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山の生活day#002

9月11日 木曜日 曇りときどき雨

一年ぶりの帰還ゆえ、やること、やらねばならぬことが多く、結局のところ都会にいるときよりも慌ただしく過ごしているというトホホな感じでございます。

毎年、来年こそゆっくり(雪山もまた同じ)と考えてはみるものの、決まってしまっているスケジュールを動かすこともできず、ものすごく慌ただしい日々になりそうです。山のゆっくりフィーリングを新作に盛りこみたかったのに。

でも、それもまた人生。

ところで、どんな動物がいますかって質問。

えっとね。クマを除いて、みなさんが想像する生き物はすべて居ます。夜中の運転がデンジャラスなのは北海道で学習済みなので、陽が落ちたら少なくともバイクには乗りません。シカさんは突如現れるので、むっちゃ危険です。見通しの効かないカーブの先にとつぜん居るかもしれないアニマルたちの存在に敬意を払うのが山のルールです。

それから山の掃除は結局のところ、掃き掃除と拭き掃除。これに極まります。いろいろやったんだけど、機械ではなく人力でやる「昭和の掃除」、これに勝るものはありません。小学校の床を並んで雑巾がけしたのは、僕の世代までだと思うけど、経験しておいてよかったです。

そんなわけで、面白くもなんともないblogでしたが、インスタも含めて、なにか楽しいことがあったらまた報告します。

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山の生活day#001

9月10日 水曜日 雷雨

一年ぶりにハートランドに還ってきました。

気持ちはとっても嬉しいんだけれど、とはいえ、やることは山のようにあるので、荒く草刈りをして、車両が通れるようにして、家中を掃除して、機材を設置、いろんなものが滞りなく動くようになったら、もはや夕方。温泉に行く気力もなく泥のように眠りました。

朝は豪雨とものすごい雷で起床。それはそれでとっても大好きな山の朝。峰まで散歩しよう、なんてことを考えていても、自然には勝てないところが素晴らしいんです。

さて、今日から本格的にミキシングを開始します。山に置いておいたラジカセがぶっ壊れてたのは痛かったけれど、まぁ与えられた環境でがんばります。

 

ところで。夏の東京2daysで大好評だった1995-2025グッズですが、せっかくなので、全国の人にも届くように今日の10時から通販で取り扱います。受注販売になるので、発送は10月中旬になりますが、ぜひぜひどうぞ!

カモネギ書店にて、10時からです。

https://heatwave1979.stores.jp/

 

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ハートランドへ

9月9日 火曜日 晴れ 

 1日延泊して、故郷を満喫。やっぱり福岡は暴力的に食べ物が美味い。笑。

 今月、還暦を迎える渡辺圭一のイベントに顔を出したら、地元のバンドが「夢の底」を演奏してるところで、一瞬なにが起こったのかわからなかったけど、単純にいい曲だな、と。

 地元でたくさんの人たちに愛されていて、なんだかオレも嬉しかったです。

 さぁ、オレはいよいよハートランドに向かいます。草刈り、掃除、機材の設置、そんなことに少なくとも丸一日はかかると思うけれど、アルバムのフィニッシュに向けてがんばります。

 昨日、お伝えした小鹿田でのライヴ。その行き方に関しては後日、お伝えします。

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#051、福岡にて

9月8日 月曜日 曇り

福岡。感慨深いステージでした。TOKIEさんにも力を貸してもらって、今日ならではの音楽になったかな、と。みんな愉しんでくれたかな?

来てくれて、ほんとうにありがとう!!なんだか去りがたいので、福岡にもう一泊して、故郷を身体の中に入れてハートランドに還ることにします。

で、お知らせです。

長年のblog読者ならご存知かと思いますが、九州は大分、日田にある山里、小鹿田焼の里に僕の「勝手に実家」があります。

小鹿田焼はエレクトリックをまるで使わないやり方で創られます。原始のままなのです。詳細は自分で調べてみてください。素晴らしいんです。

筑紫哲也さんが疎開していたり、バーナード・リーチが訪れていたり、そうそう、「勝手に実家」は寅さんのファーストシーンにも登場します。山田洋次監督の目にも「失われし昭和」の風景として映っていたのか、と。

そのエリアのトップを務める坂本工(たくみ)とマブダチなのが縁で、なんというかほとんど家族みたいに縁をつないできました。

もはや僕が宣伝しなくても、十分すぎるほど知られているのですが、僕らの音楽を好きでいてくれる人たちにもぜひ、その素晴らしさを知って欲しくて、少しくらい小鹿田の力になりたくて、民陶祭にて、坂本家の前庭にて演奏することにしました。ここはTOKIEとのデュオで。

わずか10数軒の集落に、民陶祭の間は2万人ほどの人が訪れます。なので随分なカオスなのですが、交通手段などは各自調べていただいて、ぜひこの機会に小鹿田に来てください。にゃんと入場は無料です。その代わり、好きになった陶器は買って、暮らしの中で役立ててみてね!素晴らしいから。

 

 

 

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