日別アーカイブ: 2013年2月10日

勇敢であること

2月9日 土曜日 雪 昨夜から、たくさんの雪が降った。giftだった。 崖に行った。ここはエクストリームやダブル・ブラックと呼ばれていて、この山の中でも難易度がもっとも高い部類に入る。吹雪いて前が殆ど見えなくなったりもするので、崖の上で、僕は斜面の状態を目で確かめていた。岩がどこにあるとか、どこが凍っているか、とか。その上でだいたいのルートを決めなければ、僕の技術では危険なのだ。上手い人は何も考えず、その時浮かんだインスピレーションに導かれて突入していく。 後ろから変わった滑り方をする大きな男がやってきた。どんなメソッドも当てはまらないような、細くて長いやじろべえが、雪に斜めに突き刺さっているような滑りだった。彼は僕に挨拶をして、ためらいもせずに崖に突っ込んでいった。脇を通りすぎるとき、我が目を疑ったのだが、彼には左足がなかった。義足もつけていなかった。大きな身体を支えているのは一本のスキーだけ。決断したなら、身体ごとのめり込んでいくようなオーラがあった。 目が見えない人も、身体がまったく動かない人もスキーをする。素晴らしいと思う。もちろん、隣にはサポートする人たちがいる。でも、彼は独りでここにやってきた。そして、僕より勇敢で、LIFEをまったく諦めていなかった。彼が足一本で滑ったから、僕は心を動かされたのではない。彼が自身の可能性を信じている姿にモーレツに感動したのだ。Fear is a man’s best friend。アゲイン。ありがとう。 「根本的な才能とは、自分には何かが出来ると信じることだ」。by ジョン・レノン、アゲイン。

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