Songs of Experience / Yamaguchi Hiroshi #6

4月4日 金曜日 晴れ 

 過日、某大国にて。

 CDがまるで「過去の遺物」のように扱われているのを観て、軽く恐怖を覚えたっす。日本が先進国だと思っているなら、それはもう幻想に近いかも。タブレットやラップトップにCD/DVDのドライヴは搭載されていないのは皆も知ってると思うし。wifiや携帯のsimの環境がこんなに整っていないってことも、多分日本人は気づいていない。僕だって、外に出なければ分からなかったし、この期に及んで、武器と原発を輸出するんだと国会で決議していることにのけぞるのです。終わってるよ、その発想。未来、ないって。

 話を戻すね。

 僕はパッケージにひどく愛着があるんです。生きている間はパッケージで作品をリリースしたいけど、それがいつまで可能か、不明な状況ではあるのです。新しいアルバムのディストリビューション。問い合わせを頂いてますが、今のところ、店舗に流通することはありません。悪しからず。来るべきHWのアルバムはまた考えます。なので、作品はいつもの通販サイト「ads405」および、ライヴ会場で手に入れてください。アマゾンは要望が多ければ、検討します。通販での販売は中旬頃を予定してます。もうちょっと待ってね。もろもろ整備中。

 さて、新しいアルバムからの3曲目。「冬の朝」です。今のところ、曲順通りに来てるんですけど。オレ、この曲、好きです。このアルバムで唯一、俺以外の人間が参加してくれてる曲です。

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冬の朝 by 山口洋

冬の朝 陽だまりの中
その美しい目で 君は何を見ているのか 
頬杖をついたまま なくしたものの行方さえ 彼女には分からないまま

十二月の 空は高く
風の中に甘く 枯葉の匂いがする 
子どもたちが 公園を駆ける イノセントで無邪気な声が 光のむこうから響いてくる

冬の朝 運命は巡り
あいつはかわりゆく すべてのこと 受け入れてゆく
あれから いくつもの季節をこえ 悲しみには終わりがあることを あいつもどうやら知ったみたいさ

生まれてきたことを呪う 理由などないさ
そんな暮らしのなかで 誰もがみな 夜明けの歌を 探している

冬の朝 風景は流れ
電車の窓ガラスだけが 世界と彼女を隔てている
こんなにおく病なまま 年老いていくだけだなんて 考えたこともなかったのに

十二月の 空は高く
風の中に甘く 枯葉の匂いがする 
膨れ上がった欲望のバブルが エゴの力に耐えきれず 破裂し続けるのを あいつはずっと見てきた

冬の朝 運命は巡り
それぞれにかわりゆく すべてのこと 受け入れてゆく
何も起こらない日々より はるかに豊かなときを生きていると それぞれに言い聞かせている

何気なく また一日が始まり そして暮れてゆく
そんな暮らしのなかで 誰もがみな 夜明けの歌を 探している

生まれてきたことを呪う 理由などないさ
そんな暮らしのなかで 誰もがみな 夜明けの歌を 探している

YH – Yairi Hiroshi Model, Gibson Firebird, Bass, Percussion and Vocal
Hosomi Sakana – Wurlitzer

 

 ディランの原稿がアップされたと連絡が。オレ、ディランのチケット、すばらしー席を用意してもらってたのに、い、行けなくなっちまった。がっかりしてたら、ともだちのチューからメール。「ヒロシさん、ポールのチケット、ゲットしましたー」。お前、何ていい奴なんだ。帰ってきたら、ごちそうするぜー。

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Songs of Experience / Yamaguchi Hiroshi #6 への6件のコメント

  1. 萩原晋也 より:

    店舗に並んで欲しいですね。

    店頭で買う喜びってあるんだな。

  2. Froggy II より:

    CDどころかレコードに戻ってほしいくらい自分の中ではジャケットは重要です。昔はジャケ買いなんてこともしてました(でもこれはもう死語かもね 笑)。
    1枚のアルバムは聴覚と視覚の両方によって広がりを増す〈世界〉だし、素晴らしいものならその世界を生きたいと思うでしょう。パッケージには生き長らえてほしいなあ。

  3. Aki44 より:

    発売日を首を長くして待ち、帰路ジャケットから音に思いを馳せ、歌詞カードからクレジットの一字も読み落とさず、ウーハーの鼓動を見つめながらターンテーブルに吸い込まれて行った46分弱の幸福。音を吸い込むスポンジに慣れた時代に感謝。

  4. 自転車乗り より:

    配信のみの音源ならともかくジャケ 歌詞カード ライナーノーツもない音って僕もなじめませんねえ 寂しい時代です 僕もCDもレコードのジャケットサイズにしてほしいと前から思っています ショップではレコード パタパタ探すほうが楽しいですからねー

  5. ほーぼーマン より:

    私めの犬小屋のような?音楽部屋にはウン百枚のCDが並んでおります。
    CD-Rに焼いたものも多数ありますが、内容も勿論重要ですがやはりジャケットのあるもののほうが、手に入れた時の「喜び」があるし、その後の愛着が違ってきます。
    ちなみに、アマゾンでの販売に1票お願いします。

  6. 吉原秀延 より:

    僕は死ぬまで洋さんのパッケージを受け取りたいと思ってます。

    『柱』や『凡骨の歌』はブックレットの中綴じが通常とは逆だし『陽はまた昇る』はケース自体が逆ですよね?

    そのほかのアルバムについても、音楽だけでなく、パッケージを含んで楽しませていただいてます。洋さんの想いをいつも感じます。理屈なしでいいものはいいのです。

    今の生活の中に、思い出の中にパッケージを含んだ洋さんの唄が溢れ出してきます。次もこだわったパッケージを楽しみしています。

    有休をとってヲルガン座に行きますよ。よろしくお願いします。

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