今までと違う世界に生きる覚悟、リハーサル第二クール

6月8日 水曜日 曇り

このところ、できるだけ明るい話題を書こうと努めていた。僕のところに送られてくる情報は、ここに書くのをはばかられるようなものばかりだったからだ。むろん、僕はアジテーターでも、原子力の専門家でも、政治家でも何でもなく、ミュージシャンに過ぎない。だからと云って、知らないフリをする気もない。何度でも書くけれど、これは自分の問題だからだ。でも、状況は困難を極め、情報が錯綜する中で、間違った情報を流す訳にはいかず、咀嚼し、正確に、出来るだけ意味のある状態で「迅速に」伝えなければならない。そんな中で、体温を一定に保つことは、とんでもなく難しかった。こんなに生きにくいと感じたことはかつてなかった。僕は自分自身の覚悟はとっくに決めている。それをもってしても、体温を保つことに甚だ疲弊した。ひとことで表現するなら、時代の「殺伐」とした空気。それは既に様々な形で露呈している。ヒステリックな形で、無関心と云う形で、匿名性の中で、追いつめられた絶望と云う形で、崩壊と云う形で、エトセトラ。嗚呼。

毎朝、小出さんの発言を集約したblogを観るのが日課だ。100%鵜呑みにはしないが、僕は彼を尊敬し、信頼している。今日の見出しに、僕は目を奪われた。念のため、書いておくが、僕は恐怖を煽りたいのではない。不必要に怖れているのでもない。ただし、状況は「ほぼ」このようなものだと、僕は思っている。その見出しは「今までとは違う世界に生きる覚悟」。これほど「殺伐」とした世界を生きるのに適当な言葉を僕は知らない。もし、興味のある人が居たら、これを読んで、自分の頭で考えて欲しい。

http://hiroakikoide.wordpress.com/

さぁ、リハーサルの話を書こう。

下高井戸にあるそのスタジオの住所に見覚えがあった。1993年の冬、アルバム「no fear」を制作するためのプリ・プロダクションで、そのレコーディング・スタジオに毎日通っていた。僕らはそこで、沢山の曲を仕上げた。スタジオのスタッフに尋ねてみると、やはりそうで、最近、プロフェッショナルのためのリハーサル・スタジオに改装したのだそうだ。約18年経過して、再びそこに戻ってくるのも何かの訳があるのだろうと僕は思った。「no fear strikes back」。

僕らは作って、そしてブチ壊す。得意なことだけにこだわっていたら、やがて袋小路から抜け出せなくなる。過去にいい演奏をした「感触」にこだわっていたら、決して「今日の」「この瞬間の」音楽にはならない。それはもう死んだのだ。全員が出している音を瞬時に聞き分け、反応し続けなければ、新しいひかりが生まれてこない。そのためには仲間を信じて、「無」になるしかない。何だか、禅問答みたいだけれど、目指しているのはそんな音だ。って、分からないか。それは混迷を深めるこの世界を生き抜く、ひとつの方法だと僕は思う。

音楽家は嘘をついてもすぐにバレる。取り繕っても、意味がない。ステージとはそんな場所だ。まったく個性が異なる4人が音を出して、ほつれて、ほころびながらも、グルングルンに渦を描いて、進んでいって、奇蹟が起きる。どうしても、そこまでたどり着きたい。そしてそれを浴びて、いろんなことを「腰」で考えてくれたら嬉しい。6/14、是非きてください。

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これからの日々、伝えなければならないことがたくさんあります。できるだけ、簡潔に伝えていくので、どうぞよろしゅうに。

ウチのPAエンジニア(僕と同い年)に待望の第一子が生まれました。嬉しかったなぁ。おめでとう。

ウチのPAエンジニア(僕と同い年)に待望の第一子が生まれました。嬉しかったなぁ。おめでとう。

魚さんの新兵器、その名も「fight」(自作)。確かにそのような音が。

魚さんの新兵器、その名も「fight」(自作)。確かにそのような音が。

僕の伝家の宝刀。我ながらいい音だ。

僕の伝家の宝刀。我ながらいい音だ。

みなさんが投稿してくれた写真たちと、一緒に演奏したよ。

みなさんが投稿してくれた写真たちと、一緒に演奏したよ。

当日、ライヴに来てくれたオーディエンスにはクロエのサポートによる写真集をお渡しします。

当日、ライヴに来てくれたオーディエンスにはクロエのサポートによって制作された写真集をお渡しします。

それぞれのlifeの美しい瞬間。これを失ってたまるか、と心から思う。

それぞれのlifeの美しい瞬間。これを失ってたまるか、と心から思う。

兄貴の新兵器。62年製のラディックです。格好良すぎ。魚さんと同級生。僕より一歳年上です。

兄貴の新兵器。62年製のラディックです。格好良すぎ。魚さんと同級生。僕より一歳年上です。

バスドラには何故か「岡林信康さん」のサインが。

バスドラには何故か「岡林信康さん」のサインが。

こんな楽器を観てると、我々は何を得て、何を失ったんだろう、と。

こんな楽器を観てると、我々は何を得て、何を失ったんだろう、と。

ギターが重く感じる、この頃です。

ギターが重く感じる、この頃です。撮影、渡辺太朗。

でも、あんたのフォルム、最高だよ。撮影、渡辺太朗。

でも、あんたのフォルム、最高だよ。撮影、渡辺太朗。

肉食系リズム隊です。

肉食系リズム隊です。

ギックリ腰系、ヴォーカリストです。撮影、渡辺太朗。

ギックリ腰系、ヴォーカリストです。撮影、渡辺太朗。

たーまーしいは。撮影、渡辺太朗。

たーまーしいは。撮影、渡辺太朗。

こうやをめざーすー。撮影、渡辺太朗。

こうやをめざーすー。撮影、渡辺太朗。

スタジオ全景。

スタジオ全景。

 

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今までと違う世界に生きる覚悟、リハーサル第二クール への3件のコメント

  1. Koike より:

    おおっ!荒野の風!
    うー、14日、行きたいです。くぅっ。

  2. たづ助。 より:

    いつも拝見させていただいてます。 残念なことに、14日に渋谷の地を踏むことは叶いませんが、ライヴの成功を名古屋からお祈りしております! どうぞくれぐれもご自愛くださいませ…

  3. 人事くん@高松 より:

    写真集楽しみにしてます。
    14日ライヴもどきどき。
    楽しみと別の高揚と重さもありますね。
    いらぬお世話かもしれないすけど、
    身体もろもろご自愛ください。

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