850キロの失念

7月26日 木曜日 晴れ 

 午前1時すぎに家を出て、一路850キロ。昼前には今日の目的地に辿り着いた。炎天下のロングドライヴよりも、夜中から明け方の方がずっと楽だった。

 陽が昇って、iPhoneに6人の死刑執行のニュースが続々と。暗澹、アゲイン。こみ上げてくる想いは山のようにある。僕が直接的に死刑を題材に歌を書くことはないだろう。けれど国家がそうならば、一匹の人間として僕にも考えがある。人の命は政府の都合によって奪われていいものなのか?犯罪者だから、そもそも人権すらないとでも?執行を決断した人間たちが死刑台の床が抜けるボタンを押す勇気がほんとうにあるのか?全員抹殺してしまえば、それで事件は解決するとでも?たいせつなことは過ちを繰り返さないことじゃないのか?国家による殺人がいったい何を解決したのか、それを僕に教えて欲しい。簡単な言葉で。

 僕の父親と同じ日に生まれた母上を持つ方からメール。今日が2人の誕生日だってこと。自分の忙しさと、朝のニュースと、日々の中で完全に忘れてた。なんだか、とっても情けなかった。ぜんぜんダメじゃん。その方がメールをくれなければ、完全に忘れていただろう。世界に憤る前に、親父の誕生日くらい覚えておいてやりたい。だって、それを覚えてられるのも、もはや地球上で俺だけなんだし。

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850キロの失念 への3件のコメント

  1. フラニー より:

    山口さんのお父様と、「僕の父親と同じ日に生まれた母上を持つ方」のお母様、
    お誕生日、おめでとうございます。

    山口さんと一緒に、お父様は野球場や山、お母様はアイルランドなどに
    行かれているのをこのdiaryで知って、
    お二人とも、山口さんが誰かよその人と喋っているところを
    沢山見ていらっしゃるんだなぁと思って、その時の山口さんの顔(表情)は、
    お二人を、とても強い気持ちで守っていてくれていると思っています、
    今も過去も未来も…。

    (↑ 自分で読み返しても、伝えたいことが書けてないと思うので、
    本当に読みづらい???な勝手なこと書いてスミマセン!!)

    相棒のお車とゴキゲンな音楽を聴きながら、愛があふれるアイデアが
    ガンガン湧いている木曜でありますように…。お疲れがたまりませんように…。

  2. スズキコウイチ より:

    永六輔さんが人間は二度 死ぬと仰ってました。
    一度目は肉体の死。二度目はその人のことを想い出す人が居なくなった時。
    肉体は滅んでも、誰かの心の中で生き続けていれば、その人は死なないんですね。

  3. キツツキSeven より:

    最近、自分が大切にしていた思い出を忘れてしまう事、忘れさられてしまうって事を日々、リアルに恐怖として感じつつあるお年頃。
    奇しくも本日、自分の誕生日の熊本ライブ!楽しみにしております。

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