黙祷

8月6日 月曜日 晴れ

1982年頃。初めて福岡の街を出て、HWとして演奏したのが広島だった。その街はおおらかに僕らを受け入れてくれた。すごく自信になったし、あれからずっと変わらずその街にはともだちがいる。その街にある世界で一番優れた飲み屋にはロニー・レインゆかりの名前がつけられている。昨日、その店で巨大な流しそうめん大会をしているというバカな記述をみつけた。「今年もガムテープがいい仕事をしました」。バカだ。バカすぎる。そしてそれはかけがえのないこと。

こんなバカなことをしていられるのも、僕らが過去の上に生きさせてもらっているということを、あのバカどもは知っているからだ。

あの日。太田川のほとりに座ってこの写真を撮影して。こころのそこから湧き上がってくる想いがあって、この曲を書いた。

僕らはまだティーンだった。

棘 – The Song Of Hiroshima -

 

ある日。60年目だったと思う。60人の被爆者に聞き語りをした写真展。60人の「笑顔」を阿蘇の僕の家の床に並べて、展覧会で流してもらうためにこの音楽を作った。

参加してくれたのはあっこ、トム・ラブランク、魚。

見ているだけで、何かが込み上げてきた。

musique for HIROSHIMA

なにかを感じてくれたら嬉しい。

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さて。ソロ・ツアー「YOUR SONGS 2」のリクエストを受け付けています。締め切りは8月26日。

このblogのコメント欄に
1. 参加する会場名
2. お住まいの地域
3. 氏名(ニックネーム可)、年齢(サバ読み可)、性別
4. リクエスト曲(一人一曲で)
5. なによりも、それを聞きたい理由(きちんと書いてくれた方が採用率上がります)

を書いてください。最新のコメント欄に書いてください。古いものだと見落とす可能性があります。

ツアーの詳細はこちら

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黙祷 への3件のコメント

  1. 山田 より:

    全く自分勝手な連想で申し訳ないけれど、棘(the song of HIROSHIMA)を聴いて思うのは、自分が現在働く場所である青森県六ケ所村のことである。
    「僕は知らない、今を流れるこの川の昔を。僕は知らない、水底に眠る絶望の砂を」
    かつてこの村に核のゴミを持ってくると決まったとき、村民達は激しく抵抗した。その当時のことを私は直には知らないが、後にTVのドキュメンタリーなどで、漁協の組合長や地元のおっかさん達が警察や機動隊らに向かって腹の底から怒り、泣き叫んでいる姿を見たことがある。それから30年、その施設は完成し、現在もこの村ではあちこちで工事などが行われ、毎日大型ダンプがひっきりなしに行き交っている。誰もかつての反対運動のことなど語る人はいないし、原子力のおかげで雇用がある、生活ができるという人がほとんどではないだろうか。確かに目先のことだけ考えればそうだろう。これはこれで良かったのかもしれない。
    「聞こえぬ声の棘が/見えない涙の棘が僕の心を突き刺す夜」
    全国の原発から廃棄物が運ばれて保管しているこの施設は、ひとたび事故が起こればとてつもない被害が予想されている。仮に事故が起きないとしても、この先何十年、何百年と未来の人々にとてつもない負債を背負わせているのは明らかだ。自分はどう考え、どう行動すればいいのか、未だに答えは出ない。ただ、この曲を聴くたびに、あの時テレビで見た、親父さん、おっかさん達の怒り、悲しみの表情を思い出し、また、未来の子供たちや動物、植物たちの悲鳴が聞こえるような気がするのだ。
    (長文すみません、頭おかしんちゃうと思う人は思ってください。)

  2. Masako より:

    平和への祈り。昨年の広島。路面電車を降り、原爆ドーム前に。川の流れも 公園も資料館も、佇まいは20年前と変わらなかった。原爆や戦争の悲惨さを紙面で伝えていた。多くの外国の方が訪れていた。
    「棘 ― The Song of Hiroshima ―」。私も知らない。だから、心で感じる。父がそのことを知っていた。何も語ろうとしなかった。戦争という悲惨な経験と恐怖心は閉ざされままだった。日々のお酒で消し去ろうとしていた。未来を見据えながらも。
    「musique for HIROSHIMA」。祈りの中、たくさんの涙の音が聞こえます。「笑顔」の奥には、語られない多くのものを抱えながらも。

  3. まこと より:

    地球は丸くて、かけがえのないものだと信じたいです。
    山田さん、Masakoさん、そして地球で暮らす人のこころが少しでも解き放たれますように。

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