タッチ

4月11日 金曜日 曇り 

 Recording day#014。音を盛りすぎないように、じわじわと。家内制手工業だけど、大胆に。気をつけなきゃいけないのは思考の迷宮に入らないこと。適度な客観性を保つこと。たったひとりの作業ゆえ、一歩づつ進むしかないのです。

 夕方。横浜の日の出町でとあるライヴの打ち合わせ。近くに住んでおきながら、こんな町があったなんてね。昭和の猥雑さが色濃く残っていて、アーティストに優しい街。大好きだった90年代初頭までのNYのイーストビレッジに似ていなくもない。ふらっと再訪したし。

 夜。日の出町駅のすぐそばにある、歴史あるシャンソン(!)小屋でM.Wardを体験。いい感じに満員。期せずして、真城めぐみ嬢、カーネーションの直枝さん、それにオレの3人で並んで観る。笑。演奏しないってことは、こんなに音楽を楽しめるのか、と全員で笑う。

 声を発した瞬間に、あ、あの声だと。ほぼ喋ることもなく、淡々とライヴは進むのだけれど、音楽の「タッチ」としかいいようのない領域がとても素晴らしい。一人だけれど、ちゃんと独自のグルーヴがあるし。前半部分のギターのチューニングは直枝さんとオレにも解読できず。独自の和音で名曲の数々が成り立っていることにインスピレーションをもらう。

 市井の有志イベンターによって招聘された小さなコンサートはストレスフリーだった。夕方に訪ねた日の出町のアートスペースのご家族も「面白そうだから」とライヴに来られてた。そういう街のリレーションもまた素晴らしかった。音楽を中心にいろんなことが成り立っていることが。

 金沢や富山。残席のある彼のツアー。ぜひぜひ、足を運んでみてください。その街ならではのまた違う風景を見せてくれると思うんです。

 話を戻すけど、横浜、奥深いっすね。進駐軍とか、赤線とか、ヤクザとか、ずいぶん風景を変えたとしてもその歴史を肌で感じるのです。今日はミッドタウンで取材なんだけど、そのギャップにたぶんわたすは振り回される。憂鬱です。取材が憂鬱なんじゃなくて、あの場所が。そんな意味じゃ、あの街でM.Wardを体験できたのが素晴らしかったな。

 帰りの電車もね。ありとあらゆる人たちが携帯を見ていて、世界はいったいどうなっていくんだろうと不安になったっす。ライヴ中に写真を撮るのも(アーティストが今日は許可してたけど)できればやめてほしい。せっかくの風景が見えなくなるから。歌は心に刻んでほしい。あなたの携帯にはなにも写ってやしないよ。

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タッチ への1件のコメント

  1. しの より:

    日の出町、本当に良い街ですよね。私も去年初めて行って、あまりの生々しさに嬉しくなりました。「生きている街」って感じます。行くといろんな意味のドキドキ感を含めて、胸踊る感じになります。小さいライブが毎日どこかで演奏されていて、どの店も音楽愛で成り立っている感覚です。好きですね。
    またあの辺の飲み屋さん、凄く良い感じの個人店をいっぱい見かけるので入りたいのですが、いつも小さなライブを楽しんでから1時間半くらいかけて帰る感じなので、味わえるチャンスが無いです。そのうち飲むためだけで行きたいと思っています。
    どの店も当たりの確率高そうですが、どなたか良い店を教えていただけるとありがたいなあ…

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