福岡にて

12月14日 水曜日 曇り

飛行機でびゅーんとひとっ飛び。福岡のホテルに居ます。明日から鹿児島、大分(日田市)、そして福岡をヤス(大島保克)と廻ります。いつまでこんな稼業を続けられるのか分かりません。だから、僕が一緒に廻るミュージシャンはすべて、自分がホンモノと思ったニンゲンだけです。リアムとはまた違った意味で、ホンモノの音楽を奏で続けてきたヤスと僕がどんな音の風景を描くのか、八重山民謡を聞いたことのない人は是非、足を運んでください。

機上の人になり、夕暮れの色に染まっていく空を眺めながら、激しかったこの一週間に起きたことを振り返っていました。あくまでも、僕の感想に過ぎないのだけれど、みなさんに伝えたいことが大まかに云って二つあります。

ひとつは「経験」は「知識」を上回るってことです。僕にとって、書物に書いてあること(もちろんそれを否定しません)、人からの伝聞、あるいは情報。それらよりも、自分の目で観て、感じたこと。つまり「経験」から行動を起こしたいのです。怖れを捨てて、敬意を持って飛び込むこと。そこで得た経験が負のものであれ、そうでないものであれ、これだけが僕の財産です。リアムと楽屋でヴィジョン・クエスト(ネイティヴな人々の大人になるための儀式)の話をしました。「僕はそれまでFEARに支配されていたから、その壁を乗り越えるために、やるしかなかったんだ」。すると彼は「で、FEARはどうなったんだい?」。「うん、全部はなくならなかったけど、自分が大切にしなきゃいけないものがクリアに見えてきたよ」。彼はにこっと微笑みました。

もうひとつ、この活動が教えてくれたことは。音楽は僕にとって、心から大切にしているものです。これがなければ、僕は僕ではありません。けれど、一番大切なものか、と聞かれたなら、応えは否。一番大切なものは、愛、そして思いやりです。そして、それらが何処の方向を向いているか、です。僕は思いやる心のない音楽を演奏したくありません。被災地と人々は僕を変えてくれました。目標は以前とは比べものにならないほど、次元が高くなり、私利私欲とも一切関係のないものに変化しました。感謝しています。人生は一回きりです。あまりにも理不尽な現実の前で、僕は希望に燃えています。

リアムと演奏するのは本当に愉しい。撮影、富田泰東。

リアムと演奏するのは本当に愉しい。撮影、富田泰東。

相馬と南相馬のみんな、みんなの気持ちは大使とリアムに渡したからね。撮影、同。

相馬と南相馬のみんな、みんなの気持ちは大使とリアムに渡したからね。撮影、同。

音楽を聞いたあと、大使が公務のときと違う音楽ファンの顔になってたのが嬉しかった。相馬と南相馬のみんな、みんなの気持ちは大使とリアムに渡したからね。撮影、同。

音楽を聞いたあと、大使が公務のときと違う音楽ファンの顔になってたのが嬉しかった。撮影、同。

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福岡にて への1件のコメント

  1. なつねこ より:

    山口さんの音楽が希望に向かうのをずっとずっと待っていました。
    それを待てずに山口さんの音楽から離れていったファンも少なからずいたのも知っています。悩んだフリをした音楽はもうたくさんだから。
    涙に濡れた歌より、涙を笑顔に変える歌が聴きたいのだから。
    涙ではひとは動かないし、希望がなければ、、、希望だけが僕らを次の季節へ運んでくれると信じているから。
    山口さんの新しい楽曲がどういう形で発表されるにしろ、とても楽しみに待っています。

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