1月26日 土曜日 雪
山での生活は極めて規則正しいのです。誰に命令された訳じゃないけど、自然には逆らえないので、おのずとそうなる。朝6時には目を覚まして、夕方まで山に居て、晩飯を作って、音楽を作って、寝る。以上。色気ゼロ。もう少し若ければ、バーにでも出没するんだろうけど、運動だけでヘトヘト。そんな事をしたら、翌日怪我すること間違いなし。
いきおい、愉しみは晩に何を食べるかってことだけです。とかくアメリカの食い物は口に合わないので、昨年は食材を送るという反則行為を犯したのですが、今年は住む場所も決まらないまま日本を出たので、それも叶わず。スーパーにある食材で、不足しがちな栄養も補給しつつ、美味しいものを作らねばなりません。
ところが、ここは標高が高い。沸点が低い。沸騰しているように見えるけど、お湯の中に指を入れることが出来るし、ジャガイモなんて何時間煮ても柔らかくならない。ほんとだよ。パスタをアルデンテに、なんて夢のまた夢。おまけに、居候中のこの家には電気コンロ(簡易なもの)しかないのです。
でも人間は生きる = 喰うためなら、どんな努力だってします。どうにか工夫して、美味いものを作ろうとする。面倒くさいけど、面白い。先日アジア料理屋で、食事のあと割り箸を失敬しました。(すいません、許してください)そこから料理と食事が激変。この割り箸、洗って何度も使います。貴重極まりないのです。ある日、ペンネを箸とフォークで食べ比べてみたんだけれど、箸の方が美味い。ほんとだよ。ビバ、日本文化。普段、在日九州人とかウソぶいてるけど、オレはお箸の国の人で、おふとんの国の国王です。大泣。
今、喰いたいもの。しらすおろし、ちゃんと出汁のとれた味噌汁、だし巻き、きんぴら、おから、もずく、がめ煮(筑前煮のことね)、ひじき、あじの開き、んがーーーーっ。夢はしらすおろしの風呂に入って、自分にポン酢をかけて、はふはふいいながら、しらすと大根おろしにまみれること。嗚呼。
イエスタディ。
ハードな運動を続けて、ほんとうに疲れていたのです。そこに「ヒロシ、鮨喰いにいかない?」と悪魔の誘い。もう遠い街まで行く元気もないけど「鮨、寿司、スシ」。よっしゃー、行く。
まごうことなき日本料理人Sさんが握る鮨。ネタは築地から取り寄せたもの。普段はアメリカナイズされた鮨(カリフォルニアロールとかね)が中心だと思うのですが、ブラジル、アメリカ、日本混合軍のために本物の鮨を握ってくれました。シャリうまっ、ヒラメうまっ、シメサバうまっ、アナゴうまっ、イカうまっ、タコうまっ、うまいーーーーーっ。
異国に於いても一切の妥協のない職人魂に、深い感謝とともに店を出るときには、驚くなかれ、すっかり元気になってました。おそるべし、鮨。離れていると、日本の素晴らしさが身にしみて分かります。いつまでも魚が食べられるように、次の世代に残さにゃいかんよ。
以上、夕食ばんざい in USAでした。スタジオにお返しします。
今更ですがスシは、「魚」偏に旨いと書いて「鮨」。
日本語って素晴らしいですね。
それと長崎県大村市には、所謂筑前煮に大村名物「ゆでピーナッツ」を入れた
「煮ごみ」というものがあります。昔から、正月に親戚が集まったりする際には
欠かせない絶品です。
ちなみに「ゆでピー」だけでも、酒のつまみに最高です。
追伸:工藤さんは長崎県人の誇りだと思います(笑顔が可愛いし。。。)
はい、山口リポーターありがとうございました!
今日はこちらのスタジオでも講師に 北大路蛙山人 先生をお迎えしまして、簡単料理を一品ご紹介いたします。
蛙山人(あさんじん)
「 まず材料。【 納豆(粒タイプ)1パック たまご1個 どんぶり一杯弱の御飯 かつおぶし好みの量 オリーブオイル適量】
1:フライパンにオリーブオイルをしいて中火で温め、軽くほぐしておいた納豆をいれる。
2:納豆の真ん中に丸いスペースをつくり、そこに卵をおとす。
3:弱火にしてフライパンにフタ。
4:卵が半熟になり、納豆にすこし焦げ目がついたら火をとめる
5:丼にご飯を入れ、その上に4をのせる。納豆周辺にかつおぶしを適量散らす。
これで出来上がり。醤油をかけて、卵をくずしながら 勝手に食べればいいよ」
アナ「(苦笑)先生はふだん、どんな風にこのお料理を召し上がっていますか?」
蛙山人「まず料理のそばに花とか葉っぱを置くね。箸は塩酸、硫酸をものともしない漆箸、最強だよな!丼は欠けたもの・壊れたものを使う。新しい器でもあえてヒビ入れちゃう。だって好きだもの、しょーがねえよ。でも先日な、全力でヒビ入れたせいか、食べてる途中で料理まるごと崩落したんだよ。こうなったら片づけるの面倒だからな、マネしない方がいいぞ」
・・・い、いったんCMです。