日別アーカイブ: 2012年6月15日

その言葉の意味

6月15日 金曜日 晴れ   今回、福島県相馬市に滞在している間に、いろんな人たちと深く話すことができました。現地の意見はメディアにはのらないことの方が多いのです。リアルで、説得力があり、そして重い。僕にとっては貴重な経験なのです。  その街の裏通りの重鎮と深夜に深く話をしました。僕らは「希望」について話していました。彼が語った言葉をあれからずっと反芻しています。クルマに乗っているときも、走っているときも、ベッドに入ってからも。  いわく。「最後の希望があるとするなら、放射能を無毒化する発明だけだと思う。僕はその可能性がまだ捨てきれないんだよね。人間が勝手に作ったものなんだから、それを無毒化する方法を見つける人間も現れるんじゃないかって。それだけが最後の希望だと思って、僕はこの街で全力で生きてるんだ」。  「最後の希望」の裏側には「絶望」と云う文字が隠されていること。みなさん分かってもらえますよね。ひどく重たく僕の胸に響いています。  ある人は「何をそんなに急いでるんですか?」と僕に聞きました。「ゆっくりと急げ」。もう時間がないのです。あらゆる意味で。説明しなきゃいけませんか?アニキにこう云われました。「草の根は大切だ。でも、それだけじゃ、もう間に合わない」。僕もそれを実感しています。  九州の中学生が、全校生徒の前で語り、そして演奏して欲しいと。僕を呼ぶことを全校集会で決めたのだと。オ、オレ?でも遠く離れた九州の地で、子供たちは福島を思いやってくれていました。ならば、応えます。やらせて頂きますとも。子供たちにはこう伝えました。どんな困難があっても、決して諦めないで欲しい。大人に過度に頼らず、自分たちで道を切り開いて欲しい。僕のような人生を歩んできた者に、子供たちの前で偉そうに語れる言葉なんて、何ひとつありません。でも、経験してきたこと。何よりも、この世は生きるに値する場所だと信じていることを彼らに伝えたいと思っています。

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