day #006 21Years、作家の無名性

1月17日 日曜日 雪

21年、か。

未だに多くの人から「満月の夕」を歌っていいですか、と連絡があるのです。中川某がどう思っているのか知らないけれど、曲はリリースされた時点で自分のものではないし、特にこの曲はある種「公共財」だと思うから、僕の承諾なんてまったく必要ないし、好きに歌ってくれて構わないのです。

作家にとっての最高の栄誉は「詠み人知らず」となって、その歌が口承で残っていることで、誰が書いたか、なんてことはどうでもいいのです。あの曲は圧倒的な事実が書かせてくれただけで、この際、もうひとつ伝えておけば、当時のガールフレンドが神戸の人でなければ、生まれなかったという側面もあるのです。今まで黙ってたけど。何が伝えたいか、というと、とにかく公共財なのですよ。アゲイン。

あれからずっと「筋を通したい」と思って生きてきました。僕は欠点だらけの人間だけど、今もそう思っています。これからもずっと、ね。

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今日から一歩踏み込みました。人の手が入っていない自然のままの山。そこにパウダーが降り積もる。もはや、何と云っていいのか不明なくらい、こころからの歓びがこみ上げてきます。野生の歓び。決して簡単ではないのだけれど、それがいい。全身全霊をかけて、惑星である地球に遊んでもらってる感じ。

スノーボードはスキーに比べると危険だと思います。どんなに気をつけていても、確率論から云って、どこかで予測できない危険にひっかかる。自分にできることは、どんな瞬間も気を抜かないこと。謙虚であること。それだけです。でも、何にも代え難い。だから、筋は通さなければ。

ほとんど甲冑みたいな鎧を着ております。わかりにくいか。

今日からダブル・ブラック。生きてて良かった。

今回初めて街に食材を買いに行ったけれど、

そそくさと村に戻ります。落ち着くのです。

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day #006 21Years、作家の無名性 への4件のコメント

  1. ジンジン より:

    新世界の洋さんへ
     押忍! いかがお過ごしでしょうか。私などが到底行けないようなところへ
     行かれているようですね。楽しんでください。お怪我のないように。

     昨日、新譜が届きました。最高です。 HOTEL EXISTENCE。
     身体に浸透するまで時間がかかりそうですが、何回も繰り返し、メッセージに
     耳を澄ましてみよう思います。Swindle。気合いのスイッチが入る曲
     にエントリーです。最後のささやき最高っす。

     ご無事で!

     

  2. ながわ より:

    昨夜は去年放映されたNHKの「満月の夕」特集番組を見ていました。
    昨日と言う日の最後に、これを見たかった。

    関西出身ながら阪神大震災の時は何もしなかった、見なかった事にした自分。
    でも、311の時は僅かながら踏み出せた。
    それは、この曲(そしてMLIMM)に動かされた部分が大きいです。かなり。
    山口さん、そして中川さんがこの歌を生み出してくれた事に感謝します。

  3. スズキコウイチ より:

    阪神淡路大震災が起きたとき、大変なことが起きたとは思ったけど、やはり他人事でしかなかった、自分の事として考えることが出来ませんでした。後に、山口洋さんを知り、満月の夕を聴くことで、事の重大さに気づくみたいな。
    95年は震災や地下鉄サリン事件などもあり、物質的豊かさや心なんて簡単に壊れるんだということを見せつけられた年でもありました。様々な人達がこの年を分岐点に日本は変わると言っていたのを思い出します。今から考えると、何も変わりませんでしたね。
    そして東北の震災。これで変わることが出来なければ。僕は満月の夕を聴くことで、大きく意識を変えることが出来ました。

  4. 自転車乗り より:

    今年も雪山写真ありがとうです^ ^日本もがっつり寒波きてますんで 今週は僕も雪山です!山口さんも楽しんで 素晴らしい作品につながったらいいなと思ってます!

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