10月6日 金曜日 晴れ
僕が生まれ育った町、福岡。
多感だった時期。街には独特のビート感がありました。都合のいい言い方をすれば、それはニュー・オーリンズに似ていたとも言えます。ロックの第一船団、サンハウス。亡くなった鮎川さんや、ジュークレコードの松本さんたちが切り拓いてくれたもの。幸運なことに、第三船団に位置する僕らは、彼らのおかげでティーンの頃から本物のルーツミュージックに触れる機会に恵まれました。
このことが後にどれほどの財産になるかってことも知らずに。
ティーンの頃に触れた本物のブルース。黒人たちの哀しみから生まれた音楽。それは僕らの血肉になりました。同時にこれはおいそれと片手間で演奏してはいけない、とも思いました。でも、確実に音楽の発露の原点がどこにあるのか。音楽はどこからやってきて、どこに行くのか。そのことを10代にして知っていました。20代にロックンロールの源流を求めて旅をした、その出発点はここにあります。
勝手に受け継がれていくスピリット。
サンハウス(ショットガン)はルースターズに影響を与え、ルースターズはヒートウェイヴに影響を与えました。「継承」と言っても若い世代が居ないやん、って。正直な話、それを受け継ぐ世代は見つかりません。街も人も変わってしまったのが大きな理由かと。
ただ、鮎川さん、松本さんが亡くなって、もっと聞いておけばよかったと思うことがたくさんあります。そして、こういうイベントがいつまでも開催できるとは思っていません。
ラインアップを見たらわかると思いますが、これは僕がメインのイベントではありません。浦田賢一から池畑潤二に受け継がれるスピリットをぜひ、体験してもらえたら、と思います。ある種、武蔵と小次郎みたいな感じがあります。師弟であり、同志。傍らで長い時間見ていて、互いが磨きをかけている、ものすごいリレーションです。それを白井さんと僕がサポートする形です。白井さんは福岡でいちばんガッツこもったあるギターを弾く人です。
この街に生まれたことが面倒くさかったこともあるけれど、今となっては福岡でしか起こり得なかったことを、伝えておきたいと思うのです。未来に向けて。
はい。もちろん、行きます。ありがとうございます。
鮎川さんの映画を見ました。
福岡の音楽の歴史や、鮎川さんと仲間たちの絆だったり、底抜けな優しさだったり、たくさんのものが詰まっていました。
ヒートウェイブから次の世代にもぜひ繋げていってほしいと思います。
継承のブログ、心打ち抜かれてしまい、余りの感動と言うか言語化不能の状態です。
とにかく感謝です。
ありがとうございます。