10月10日 火曜日 曇り
枕元にある本たち。なぜか新作はベッドで読まず、寝る前に読むものはソローか星野道夫さん。頭の中に深い森や行ったことのないアラスカの風景が拡がって、やがて眠くなる。何度同じ本を読んでも、豊かな睡眠導入剤であることに変わりはなく。旅の間も必ず一冊は持っています。
昨日は「イニュニック」を読んでいて。いったい何度目なんだろう。何度も読んだはずなのに、ある一節がひどく腑に落ちて、その言葉を噛みしめながら眠りに落ちました。夜中に起きても、まだその余韻の中に。いわく。
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「ふつう絵を描く前のキャンバスは真白だね。そこに少しづつ色を塗っていくわけだ。私はいつの頃からか、まず初めにキャンバスを黒く塗りつぶすようになった。その上に色を重ねながら描いていくんだよ。
なぜそんな方法をとるようになったかというと、それは私の人生観が変わってきたからなんだ。私はね、人が持って生まれた一生というものは深い闇に満ちていると思う。この世に永遠に存在するものなど何もない。あらゆるものがいつか消え去っていく。そんなつかの間の人の一生さえ矛盾にあふれているんだからね。
考えてもごらん。このツンドラに咲く花々を美しいと思い、一本の花を地面から引き抜く。なぜその花が抜かれ、隣の花が残ったのか。人生はそんな理不尽さに満ちあふれている。
私は、人が生きていくということは、その人生の暗いキャンバスに色を塗っていくことなのだと思う。それも、どれだけ明るい色を重ねていけるということなんだ。だがね、黒いキャンバスの上にどんな明るい色を塗っても、その下にある黒はどうしてもかすかに浮き出てくる。だから再びその上に色を重ねていく。私はね、生きていくということは、そんな終わりのない作業のような気がするんだ。
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感嘆。
ついしん
「花笠音頭」のCDR、当選者にこれから江ノ島郵便局から投函しまーす。
星野道夫さんの言葉。胸を打ちました。
いつも思っていた靄みたいな思いを、すべて表していただいた感覚です。たいせつな言葉としてこころに秘めて生きていきたいと思います。
ご紹介いただき、ありがとうございました。
素敵な言葉です。
インスタ見ました凄いものができそうですね。期待大です!
今日は仕事でへこむ事があったのですがすっ飛びました。
星野さんといえば昨年末の写真展、コロナの影響もあったかと思いますが入場制限されるぐらいの人でこんなに星野さんの作品が愛されているのかと改めて思った事が想い返されます。あれからもう1年かと思うと1年たつのが本当に早く感じます。
12月のライブ楽しみにしています。
星野さんというフィルターを通した
言葉や写真は、人も動物も自然も
すべてが優しさに溢れていて、心が癒やされます。
ジョージさんは、そうやって絵を描くように、戦後を生きて来たのでしょうね。
人は、それぞれの心に底にある闇と共に、生きていくのだと思いました。
星野道夫さん死去のニュースを見て初めて星野さんのことを知った若者がいました。やがてその若者は星野さんの生き方に憧れ、自分も同じ道を目指そうと心に決めます。しかしどうしたらよいかわからずにいたその時、狼の夢を見ます。それを啓示と察知した彼はジム・ブランデンバーグの狼の写真集を見つけて、その写真集の中に夢に見た狼を発見。迷うことなく彼はジムの住むノースウッドの地を目指して行きます。その若者の名前は大竹英洋さん。著書”そして僕は旅に出た”是非とも読んでいただきたいです。