10月14日 火曜日 晴れ
日田が誇る豆田町の一丁目一番地にある「水処稀荘(すいこまれそう)」で目を覚ました。俳優でもある剛さんがリノベーションとプロデュースを手がけた施設で、快適なこと、この上なし。案件でもなんでもなく、グループでここをハブにいろんなことに出かけていくの、いいんじゃないかなぁ。
日田は地元を愛してる人たちが多くて、とっても気持ちいいよ。暑いけど。
故郷から里山でのライヴを観に来てくれた友人夫婦も泊まってくれたんだけど、近年、いわゆる拝金主義のホテルに嫌気がさした人たちが自力で、こういうタイプの宿泊施設を自ら作るってことが増えてる。とってもいいことだと思う。街がぜんぜん違う形で見えてくる。今回はライヴの首謀者が用意してくれたんだけどね。街のこと、かなり知ってるつもりだったけれど、違う角度からいろんなことを自然に教えてくれる素晴らしい体験。
友人夫婦に水郷の水郷たる所以を伝えたくて、川沿いにいく。そこに今どき管理人のいる駐車場があって、そこのおじさんに美味しいものを教えてもらって、絶品のうなぎをご馳走になる。
今日は音楽のことは忘れてみよう。
そういえば、友人夫婦のイケてるマンションの隣人にオレが大学時代に家庭教師を務めた人物が住んでいるのだと。オレが家庭教師?いったいなにを教えたのか?うっすらと数人に教えた記憶はあるけど、確たる自信がない。夢見がちで「過去を創造」してることもありえるから、過去の生徒だったかもしれない彼も、故郷の店に来てもらって一緒に飲むことに。
聞けば、芸術工科系の大学を目指していて、その課題をクリアするための志を教えていた模様。その際の資料や当時、オレが描いていたブライアン・ジョーンズの絵も未だに持ってくれていて、資料には「男たるもの、やるしかない!」と書いてあった。結局、根性論かい。笑。
でもまぁ、オレなりに彼になにかを伝えようとしていたのは理解できて、人って根本は変わらないのね、と。で、入試どうやったん?との質問に「落ちました!」って。やっぱりそうか。笑
彼は某大学の建築の准教授になっていて、たぶんその失敗から、なにかを学んで人生を歩いてくれたんだろうね。一時期はHWのスタッフもやてくれていたようで、超絶ビンボーツアーのお金の管理を担当してくれていたらしい。
こうやって、長く続けていると、いろんな出会いがあるから、面白い。
最後にもう一軒いくかー、でも育った街だし、この街でずっとタクシー運転手をしてる同級生のあいつのタクシーだったら、最高だねって、ビンゴ!彼のタクシーが停まってたの観てオレたちの引きってすごいなぁ、と。
まぁ、惚れ惚れするような運転の上手さだったよ。
勝手に実家と故郷で矢のように過ごした日々。総じて、素晴らしすぎました。出会ったみんな、ほんとうにありがとう!!
ゴキゲンなアルバム創って帰ってきます。
やっぱり九州は肌に合うんだよなぁ。
小鹿田、満喫しました。朝から夕まで7時間、いました。柳宗悦さんと対面しているとき、隣から洋さんの声がしました(遠い声ではなく、近い声・笑)。
2014年の唐臼祭で初めて訪れて以来、4回目の小鹿田。懐かしさも感じながらのそぞろ歩き。
「今日、宇宙に連れて行ってもらえますね、音楽で」。釉薬に宇宙を感じる皿を見ているうちに、いつしか、ぐい飲みの、海の深さを感じる「青」にも魅せられ。
「この色合い、どんな光で見るのがいいんでしょう?」「やっぱ、自然光でしょう」「てことは、昼間っから、飲めと」。窯元での、そんな会話も楽しみながら。
音楽は、西日とともに、楽しませていただきました。登り窯で焼きあがる器が、すべての素材、すべての工程、すべての想いと道のりを経て、完成へと至るように、熱く。山間を、川面を吹き抜ける風のように、さわやかに。
向き合うこと、感じること、愛すること、ていねいに生きること。こころの粒子の肌理が細やかになって、そして、熱い音楽でしっかりと「かたち」を与えられました。
「全身で歓びを表現~握手」の場面、美しすぎて、天を仰いで微笑みました。