Highway Patrolman / Indian Runner

5月22日 水曜日 晴れ

走っていて、またあの映画のワンシーンがフラッシュバックした。僕が一番好きな映画、ショーン・ペンの初監督作品「インディアン・ランナー(1991年)」のとあるシーンのことだ。

この映画はブルース・スプリングスティーンの「Highway Patrolman」にインスパイアされ作られた。そんな事をさておいても、未だに早稲田松竹で観たときの衝撃が忘れられない。僕は確かにこの映画に救われたのだった。自分という存在は世界で一人だけれど、独りではない、と思った。それほど映画で描かれた、甚だ出来の悪い弟フランキーは当時の自分そのものだった。

映画自体はヒットせず、あまり知られてもいない。僕もたくさんの人に勧めたが、好きだと云ってくれる人はほとんど居なかった。ガールフレンドに「フランキーの生き方は間違っている」と、いかに間違っているか、感想文をもらったこともある。あのー。間違ってるのは最初から分かってんだよ。それでも流れる血には抗えないことがあるんだよ。抗おうとすればするほど、アリ地獄のようにどうしようもなくなることってのがあるんだよ。

どうして、そんなことを思い出したのかって。この映画が僕を救ってくれたように、僕も同じテーマに今向きあっているからだった。誰かを救えるなんて思ってはいないけれど、映画の恩義は自分の曲で世の中に還したいとは思う。

ショーンの作る映画のためなら、どんなことだってできる。そう思っていたことを、しっかりと思い出した。

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Highway Patrolman / Indian Runner への7件のコメント

  1. うっちゃん より:

    私にも並外れた愚弟がいて、身内の暗い影に苦しんできた。
    正論を言われ励まされたりしたが、ダメだったよ…。
    拭いきれない苦しみ、一切が明日改心されたらどんなに楽か…。
    でもね、ある時「何人も貴方を責め立てたりはしない
    貴方は唯一の最愛なのだから…」と聞こえたんだよ…。

  2. 愛ぴょん より:

    うっちゃん、正直に話してくれて、ありがとう。

    私は有り難いことに周りの人に支えられ、あまり人との関係で悩んだことがなく、おかげさまでアホになれましたニャー

    その聞こえてきた声を信じて、愛いっぱいのうっちゃんでいてくださいワン☆

    • うっちゃん より:

      愛ぴょんさん、ありがとう。
      ゆきてかえらず~馬車は走る等を聞きながら、
      ヒロシさん、先にいてくれてありがとう!と
      デビルマンのように復活…笑

  3. 野崎洋子 より:

    この映画知らなかった。さっそく通販してみました〜

  4. strummercaster より:

    大好きな映画です。私も当時、周囲の人に勧めたけどわかってくれる人はいませんでした。
    そういえば私が観たのも早稲田松竹です。エンドロールの「I Shall Be Released」が終わっても席から立てなかったのを憶えています。もう20年以上前なんですね。

  5. Froggy II より:

    どうしようもない人をこれまでに2人見た。彼ら2人に共通してたのは「愛」ってやつに飢えてたこと、幻想のそれを本当にあると信じる純粋な人間だったってこと。
    愛は、自ら定義して初めて形として立ちのぼってくるものだと私は思う。けれど彼らにとっては、それは外界に確実に存在していて受け取るものだと思ってたし、寂しさのあまり自分の内側に見出すことなど考えもつかなかった。良い・悪い、正しい・間違っているの二極ジャッジに耐えられず、苦しんでたよ。そりゃそうだ、流動性の心と魂をどうして二者選択でジャッジできる?彼らは苦しみながらたくさん人を傷つけて、それ以上に自分を傷つけて最後に自ら命を絶った。助けることもなにも出来なかった私は、自分の不甲斐なさをイコンにした。忘れないようにね。

  6. toshie, tokyo より:

    昨夜、夜中に見ました。何度もここに示されていました。大切な手掛かりのひとつだとも思っていました。家族の問題をとても現実的に表現していて、よい作品だと思いました。描かれていた「粗暴さ」は、ヒトの根源に関わることのようにも思えます。ここに感じたことのすべては書か/けないけれど、Frankが心深くからJoeと父を語るのが切ない。1991年作品。現在2013年。

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