日別アーカイブ: 2011年2月3日

おだやかな気持ち

2月3日 木曜日 晴れ 明日使うためのウゾームゾーの機材を車に積み込み、少しだけ春の匂いがする海沿いの道をゆっくりと走ります。体調を整えるために走るのは、本当に愉しい。光や風や潮騒に祝福されて、いい汗をかいて、おだやかな気持ちになる。 多分、「人事を尽くした」と云う想いがあるのだと思います。この一年間、決してそれは不可能ではない、と思い続けてきた。こうして、作品が出来て、たくさんのクリエイターたちが自主的に参加してくれて、明日がある。とても幸福なことだと思います。 プロになって20数年。僕は一度も音響照明チームと打ち合わせをしたことがなかった。打ち合わせをしたところで、どうせ本番になると、予定にない行動を取るので、彼らとてそれが意味のないことだと分かっていた。その無茶苦茶なスポンテニアスさに彼らは無言でずっと付いてきてくれた。明日の会場は音に難がある。響かないのだ。おまけに初期反射音だけは残る。それでもここでやろうと思った理由は観てくれれば分かると思う。うちには横ちんと、益子と云う二人の素晴らしいエンジニアが居るのだが、きっと頭をかきむしりながら、素晴らしい仕事をしてくれるだろう。 何はともあれ、「speechless」が賛否両論になることは最初から分かっていた。「お願いだから音響系に行かないでください」なんてメールも来る。僕ははっきりと伝えておきたい。ジョー・ストラマーに「お前の心の火を絶やすな」と云われたその日から、僕がブレたことはない。音響系がどのような音楽をさすのか、僕は知らないが、明日やろうとしていることは2011年のロックンロールだ。少なくとも僕にとっては。誰も行ったことがない場所を目指すのが、僕らの性で、仕事で、夢で、生きている役目だ。それが希望と云う風景になって、みんなの日々に生かされたなら、こんなに嬉しいことはない。 先日、ジム・オルークが演歌を学んでいる動画を観た。この人すげぇな、と感嘆した。何であれ、僕は自分の過去を破壊して、前に進もうとする人が好きだ。そして、僕らには守らなきゃいけない過去なんて何もない。future is unwritten。ジョーがそう云ったように、未来の中にすべてはある。

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