月別アーカイブ: 5月 2014

ヤイリ・ギターに行ってきました

5月19日 月曜日 晴れ 僕の演奏活動を長年に渡ってサポートしてくれているヤイリ・ギターに行ってきました。先日亡くなった矢入一男さんにお礼が云いたかったからです。 12年ぶりに工場を訪れて、その変わらない職人魂に、受け継がれていくものに深い〜感銘を受けました。この激動の時代に僕らが大切にしなければならないものがここにはあります。 たった一日、駆け足で観ただけの僕が伝えるのはおこがましいとも思います。でも、僕はヤイリユーザーとして、伝えたいのです。文章より写真をメインにします。このblog史上最大の写真数になると思いますが、どうぞおつきあいください。職種を超えて、伝わるものがあると思います。 簡単に会社のプロフィールを。現在、ヤイリ・ギターは岐阜県可児市にあります。とっても美しい街です。川があり、山があります。頬を撫でる風が楽器創りに適していることを教えてくれます。創業、もうすぐ80年。この場所に工場を移して50年になるそうです。熟練の職人さんは約30人。若くして志願してくる人も居ます。技は受け継がれています。 何よりも、機械化されていく時代の中で、ヤイリは徹底的に「手作り」にこだわっています。各部門のプロフェッショナルの超集合体、それがヤイリ・ギターです。輸入された木材は長い時間をかけて工場でシーズニングされます。有名なメーカーでも、この行程を機械でやることが殆どだそうです。僕は日本中のありとあらゆる悪条件下でヤイリ・ギターを弾いてきましたが、どんな状況でもポテンシャルを100%発揮してくれます。逆に冬期のコロラド、極限まで乾燥した標高3000メートルに持っていったヤイリは表面の板がまっぷたつに割れました。つまり、長い時間日本で自然乾燥されることによって、日本にいちばん適した状態になっているということです。 プレイヤーの立場から云うと、新品のヤイリは無色なのです。メーカーのアクがあまりないのです。プレイヤーの癖や愛と共に、音色は変わっていきます。12年に渡る僕の相棒は僕しか、あの音を出せません。ほんとです。 最後に、ヤイリ・ギターは永久に保証されています。みなさんが大切にしていたものが壊れて修理に出したら「部品がない」と云われた経験、ありませんか?僕はそのようなメーカーの製品は使いたくありません。 僕のペグ(糸巻き)がツアー先で壊れて困っていたとき、ウルトラ宅急便で送られてきたペグ(3個入ってた)には取り付けるためのねじ回しまで入っていました。そんな会社なのです。 じゃ、blog上工場見学にれっつら・ごー。

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5月18日 日曜日 晴れ スタジアムで演奏される音楽はよほどの事がなければ聴かない。何度も学習したからね。巨大モニターを観ながら、音楽を聴くのは好きじゃない。 でも、今回は事情が違った。オレ、ビートルズの人、一度も観たことがなかった。前回の来日。正攻法で行こうとしたら、チケット取れなかったし。そしたら、本日バースディのともだちのチューが僕のためにチケットを取ってくれたのよ。 だから、前夜岐阜でのライヴを終えて、ひっさしぶりにやんちゃなドライビングをして、宿泊せずに帰ってきた。ポールを観るためにね。 チューとオレはクルマと電車を乗り継いで、もうすぐ取り壊される国立競技場までやってきた。二人ともどうしてこの競技場を建て換えしなきゃいかんのか、まったく理解できなかった。風格も歴史もあるし、修理すりゃいいじゃんって。オレは聖地、平和台球場がなくなってから、野球に急速に興味をなくした。そういうの、あるんだよ。ほんとうに。 あの競技場は僕らとほぼ同じ時代を生きてきた。ゴン中山がスーパーサブで後半35分に投入されて、一瞬にして空気が変わったこととか、たくさん思い出がある。 ライヴ1時間半前。開場時間は過ぎているのに、何だかヴァイブがヘンだった。そして1時間前。延期ではなく、中止が告げられた。国立競技場の上空に巨大な失望の雲が浮かんで、ちょっと怖かった。そりゃ、そうだよね。僕ら? そりゃ、観たかったけど。ポールの体調は、仕方ないよ。元気で居て欲しいよ。無理なパフォーマンス、観ても辛いよ。 ただ、このコンサートのために、決して安くはないチケットを買って、遠方から来た人も居るんだから、開演1時間前に中止はないと思うよ。それは主催者、猛省すべきだよ。今日は開催するって云ってたんだから。 僕とバースディボーイのチューは千駄ヶ谷ではなく、信濃町でもなく、四谷三丁目の駅まで歩いた。何だか、そこからできるだけ遠くに離れたかった。そして、それは正解だったと思う。 よし、チュー。君の誕生日をいい一日にしよう。築地に行って鮨、喰おうぜ。今日は河岸、休みだけど。そういや、ここも取り壊されるんだよな。何だかなぁ。アゲイン。 結局、僕らが住んでる街に帰って、ビートルズをアナログで聴きながら、飲んだ。彼らの音楽は間違いなく、素晴らしくて、こころに響いたよ。こんなことでもなけりゃ、大人たちが揃って、夜中にビートルズ、聴くこともなかったさ。それでいいじゃん。ありがとう、ポール。僕があなたの歌を生で聴く、最後の機会だったかもしれないけど、ぜんぜん失望してないよ。 ついしん 明日からヤイリギターを特集します。ギターを弾く人も、そうでもない人も、是非読んでくれると嬉しいです。この時代を生き抜くヒントがあると思うよ。ビバ!職人魂。

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岐阜の夢、岐阜県関市にて

5月17日 土曜日 晴れ これから語る話は実話だよ。こんなことがあるから、しんどいけど、旅は止められないんだよね。ほんとうに、素晴らしい一日。 まずは、僕のギターを作ってくれているヤイリ・ギターを訪ねました。先日亡くなった矢入さんにどうしてもお礼が云いたかったのです。ヤイリに関することは後日、機会を作ってあらためてお伝えします。何というか、その。僕はこのメーカーのギターを弾いていることが誇らしい。 岐阜県関市って、みんな何処にあるか知ってるかな?かくいうオレも初めて行ったんだけど、美しいところだよ。今日のライヴ会場はヤイリの職人O君、激オシ。 コンビニも何もない山間部に突如現れる「ROCK’N ROLL CAFE」。目立つ看板が街道沿いに設置されているけど、たどり着けないオーディエンス続出。な、なんとオーナーは元中学校の校長先生。退職金を全てつぎ込んで、ライヴハウス兼、スタジオ兼、ギター教室兼、美術教室兼、何となく近所の人の公民館兼、エトセトラ、エトセトラ。ミシシッピあたりのジュークジョイントとアイルランドのパブを足して2で割って、ものすごくポジティヴに岐阜で表現したら、こうなりました的感じって云えば分かるかな? 店内狭しと飾られたギター60本 !!!!! 溢れるビートルズ、そしてエルヴィス偏愛。オーナー氏は元校長と云うより、岐阜のジョージ・ハリスンにしか見えず。 僕が到着したとき、そこではギター教室が行われていたのだけれど、生徒は女子中学生から街のおっさんたちまで。かなりアナーキーな状況なのだけれど、コミュニティーの中で人々が音楽を中心として集う場所として確実に機能しているのがすぐに分かった。素晴らしい。かなりカンドー。 ライヴはね、ヤイリ・ギターの職人さんたちもたくさん来てくれて、ようやく恩返しもできたし、岐阜生まれの僕のギターが岐阜で音を奏でてる。しかも、こんなゴキゲンな場所でね。云う事なし。頼まれてもいないのに再訪決定。みんなも今度は是非おいでね。これが愛で、そして夢だよ。ありがとう。

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愛知県名古屋市にて

5月16日 金曜日 晴れ ほとんど家に帰れないからと云っても、旅慣れてるからと云っても、独りで旅をしていると、たまに心細くなったりもするとです。 そんなとき、旅人を丁寧に、同じ体温で迎えてくれる今夜のハコ、TOKUZOがあったり、リハーサルを終えて、プラプラと今池を歩いていたら、CD屋さんから「誰も居ない庭」(筆者注 *オレが書いた曲)流れてきたり、客席に知ってる顔が居るなぁと思ったら、近藤智洋だったり(昨日はおおはた君や高田蓮君、大宮エリーちゃんがいたんだって、会いたかったなぁ。残念)、エトセトラ。そんなことがいちいちオレを励ますのです。さぁ、飯も喰ったし、街も走ったし、今夜も名古屋の夜空を焦がすことにしよう。TOKUZOの楽屋にて。 ついしん 明日はオレっちが愛してやまないヤイリ・ギターのお膝元、岐阜県関市でライヴなのだよ。矢入さんへの感謝の気持ちを込めて、たぶん、ギターを 弾きまくることになると思うので、ギター・キッズ、ギター・おじさんたちは是非来てくれたまえ。 ついしんその2 今、ライヴが終わって楽屋で書いてます。ライヴ中にいろんな風景が浮かんでは消えていく。あまり体験したことのないライヴでした。ありがとう、だかや。楽屋より愛をこめて。

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移動日

5月15日 木曜日 曇り 朝目覚めて、自分が何処に居るのか分からない。天井を見つめ、記憶の細ーい糸を辿って「加古川だ !」。このシリーズ、あと2本。最後までいいコンディションで演奏したいから、走って整えたら、おとなしくしておきます。 明日は名古屋、明後日は岐阜県関市、みんなに会えるのを愉しみにしています。

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兵庫県加古川市にて

5月14日 水曜日 曇り その街で演奏するには意味がある。だから、できるだけその街のことが知りたいと思う。自力での移動(街の成りたちを知るのにはいいよ)の後は名物を喰らい、飲み、人々と話し、街を歩き、そして走る。 加古川はその名のごとく、「加古川」だろ、と踏んだので、川沿いを走ってきた。何とそこには42.195キロを信号なしで走れるマラソンコースがあった。日本中、あちこちで走ったけれど、こんなの見たことないよ。すごいね、加古川。 加古川は加古川。川、行ってみてね。ライヴもそんな感じって、言語化に意味はないかなぁ。見て、聴いて、感じてくれたことがすべて、かな。来てくれて、ありがとね。そして、CECILをどうぞ、よろしく。

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加古川市にて

5月13日 火曜日 晴れ 無駄に元気な中年、山口洋です。昨日、鴨川を走って、十二段家で晩ご飯を食べ、帰りしなに焼き鳥でビールをひっかけて宿に戻り、今朝は早朝からふたたび鴨川を走り、昼は開店と同時にふたたび十二段家でご飯を食べ、兵庫県加古川市に移動してきました。アホか、オレ? 加古川にやってきたのは熱烈なリクエストに応えるためです。5年振りだと聞いています。何度も来ているのに、この街のこと、あまり知りません。なので、明日は文字通り加古川の河川敷を走って街を感じ、体調を整えて、ライヴに臨みまっくす。 会場のCECILはもう12年の歴史を誇ります。店主に「加古川の名物って何?」と問うたなら、「和風だしにラーメンの麺が入った、駅そばっちゅー食べ物です」ってことで早速行ってきましたが、間違ってうどんを注文してしまいました。そのうどんも充分美味しかったけれど、加古川グルメリポートはまた明日にでも。 明日は平日のためか、熱烈なリクエストの割には残席がまだあるそうです。旬の中年、山口洋は明日、音楽で加古川の夜空を焦がしまっくす。迷わず来なさい、ホトトギス。CECILはご飯も美味しいから(後で抜き打ちチェックしときます、笑)、仕事帰りにお腹がすいたままライヴに来てもオッケーよ。わんわんわーん(遠吠え)。

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シェアすること

5月12日 月曜日 雨 金沢から関西へ。 僕の最後の晩餐は京都は丸太町にある十二段家のご飯がいいっす。自分だけのものにしておきたいというか、教えたくないこと、たくさんあります。でも、先日、僕のたいせつな「勝手に実家」でコンサートをした時に思ったのです。この素晴らしいスピリットをシェアした方がいいって。もちろんシェアしたがゆえに、面倒なことは起こるんだけど、それでもシェアした本当の意味を理解してくれる人を信じたいって。 十二段家。素晴らしかったです。ご飯、お味噌汁、漬け物、だし巻き卵、それにおばんざい一品。これが僕の食べたい全て。それが2000円くらいって、お金じゃないです。いつも、帰りしな厨房に居る女性に「美味しかったです」と云いに行きます。だって、ほんとうに美味しいんだもん。ご飯をたくこと、味噌汁を作ること(今日は麩がごいすー)、漬け物、おばんざい、出汁。嗚呼。こんなときだけ、日本人で良かったって、ほんとうに思います。ありがとう。

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嗚呼、魔界の夜は更けて、石川県金沢市にて

5月11日 日曜日 晴れ 金沢の魔界、メロメロポッチ。一年に一回。云うことなし。 ありがとう。みんな元気で。

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山と海と欽ちゃんと、富山県高岡市にて

5月11日 土曜日 晴れ 昨夜の話。 横丁にあるカウンター6席だけの小さな小料理屋。お店に入ったら、音楽がヴァン・モリソンに変わって、急に思い出した。去年もそうだったこと。覚えてくれてたんだ、去年のこと。っていうより、後で聞いたら、彼女、オレを知ってたんだって。でも、去年も、今年も、そんなこと、ひとことも云わない。そういうの、嬉しい。愛だもんね。 中年ロッカーと若めのおかみさんは「たけのこ」と「ふき」の話をしたよ。 今日の昼。 富山の山と海と心をいただく。欽ちゃんが握る鮨は世界一。今日は時間軸に沿って、僕が頂いたものをどうぞ。って何のblogだよ。 ライヴ。もちろん魂を込めて演奏したよ。富山からもらったものをもう一回循環させるためにね。   今日はクリシュナムルティの言葉を最後に。考えていることをここまで言語化されると、感嘆するしかないっつーか。 心の中で完全な沈黙を守れ。何ものも求めず、何ものも願わず、何ものも追求しない、中心となるものが全く存在しない状態に入れ。そこに愛が存在する。  

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