day #001 ベルリンの壁

1月12日 火曜日 晴れ

ほぼ丸一日をかけて、標高3000メートルの村にたどり着いた。皮下脂肪が減った分だけ、マイナス20度を超える空気は骨身に染みた。てか、刺さった。

一年ぶりに。

華氏だとどうもピンと来なくて危険だから、いつも摂氏に置き換える。

 

満点の星。星のひとつひとつに光沢を与えたような。そんなときに頭に浮かんだのは、何故かベルリンの壁が崩壊していく様だった。確か1989年11月。愚かな僕は、その光景を見ながら、世界が決定的に良い方向へ向かう期待感で胸を膨らませていた。アホすぎる。そんな風に思ったのは、あれが最後だったなぁ。

 

太陽も星だってことを思い出した。

 

あれから世界がどうなったのか、書くまでもなく、来るところまで来てしまった。太平洋の上でwifiを使ってblogを更新し、引越し先を検索できる。もう奇妙じゃ済まないところまで来てしまった。いったい僕に何ができるのか、できないのか?そういうことを山の主に導かれて「フィジカルに」考えないと、頭がぽんぽこぴーになりそうだ。いや、ほんとうに。

言葉のひらめき、メロディーのきらめき、グルーヴのひっかかり、ヴィジョン、創造性。研ぎ澄ませるためなら何だってやるつもりでいる。

 

山じゃ酒も止めてみようと思う。研ぎすまされてた方がいい気がする。

 

あいつは一年振りの訪問なのに、当たり前のように僕のベッドで眠っていた。あ、ネコのことね。新しい小さな相棒を連れて。ひょっとして、あいつのネコ年齢は僕の年齢を上回ってしまったのかもしれない。何だか、切ない。山の夜。

 

相変わらずブサかわいい。

 

居候先が既に3000メートルを超えているので、慣れるまで2〜3日かかる。軽い高山病みたいな感じで、息が切れるし、頭も痛い。まずは無理のないところから、山の主に挨拶をして。去年の感覚を思い出すまで3日はかかりそうだな。それとも、トシを取っただけかな?でも、山は素晴らしい。偉大だよ。ぜんぶ、受け入れてくれる。

 

午前7時、部屋にそそぐ蒼いひかり。

 

ここはテレビがないから、素晴らしい。ラジオからはずっとデビット・ボウイが流れてる。いろいろ考えるよ。

 

今年のヘルメットは岡本太郎チューンを施した。上がる。訳もなく。

 

 

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day #001 ベルリンの壁 への2件のコメント

  1. saw より:

    壁の崩壊。僕はその事象そのものの呆気なさと、意外にもそんなに驚喜で盛り上がるわけでもない身の回りはもちろん(あの頃はTVと新聞からの)世界の様子に、ヘンな感じを抱いていました。
    あれから世界は薔薇色にまっしぐらというわけにはいかなかったし、
    ひどく退行していることもたくさんあるのだけど(とくにおそろしいことにこの身の回り、この国)、
    それでももちろん、壁の崩壊は世界が進んだ一歩だと思うのです。
    昨日ちょうど壁が築かれたときとその後が舞台の映画(「ブリッジ・オブ・スパイ」)を観てきたところでもあります。

  2. 桃子 より:

    洋さんもネコも元気でなにより。
    去年のネコは左の牙がなかったから、9歳なら洋さんと同い年みたいですよ。新しい小さな相棒!? 素敵!
    太郎仕様のヘルメットかっこいい。
    サンペレグリノ、ラジオ、読書、自然とスノボ…心豊かな時を。
    タイトルにナンバーが付いてるのはアルバム制作のためですかね。楽しみです。
    熱い男が出国したらこちらは暖冬から一気に冬日になって寒くなりました(笑)。-20℃の比ではありませんけど! 体調管理しっかりと。
    満点の星見たいなぁ〜。

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