7月10日 月曜日 晴れ
僕らは旅するタイプの人間。
その土地がどのような場所なのか、定点で生きる人たちよりは知っていると思う。僕はできるだけ自力での移動にこだわる。自分で動けば、その街のなりたちがわかる。たとえば、アメリカ。最大に一日1600キロを自分の運転で移動していたことがあるけれど、移動した距離の割には変化が少ない。
でも、この国はどうだろう。わずか30キロ移動しただけで、言葉も、食べ物も微妙に変化する。実のところ、とっても多様性に富んだ文化を持つ豊かな国の「はず」なのだ。
福島。
「フクシマ」として世界的に知られてしまったその場所が、とても広大で四季の美しさに富んだ場所であることを、一体どのくらいの日本人が知っているんだろう。かくいう僕も、震災で深く関わるまで、あまり知らなかったのだけれど。
福島在住の若きシンガーChanoちゃんが「満月の夕」を軸として、その歌を猪苗代湖畔で鳴らすイベントを企画した。僕は普段、そのようなことを云わないのだけれど、ツアー中、彼女とその仲間のギタリストとこの曲を一緒に演奏したいと思ったのだ。いつもの直感ってやつだけれど。それが昨年の5月のことらしい。(覚えとけ!)
わずか一年の間に、彼女とその仲間は昨日の素晴らしいイベントを企画した。出店していたお店のクオリティーを見ているだけで、彼女とその仲間がどのような想いで、このイベントを企画し、どのような生き方をし、どんな音を紡いできたのかは分かる。
だから、それでいい。いや、それだけでいい。
ありがとう。
ついしん
TOSHI-LOWがあの時期、かの4号機で危険を顧みず働いてくれていた若者を紹介してくれた。このような人たちが身体と命を張って働いてくれてたんだね。彼らがTOSHI-LOWを見るまなざしが敬意に満ちていて、美しかったよ。
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僕のツアー、「YOUR SONGS」へのたくさんのリクエスト、ありがとう。福島から深夜、帰ってきて、ヒーヒーいいながら、ツアーの準備をしています。てな訳で、今回のツアーは一本として同じライヴはありません。得意な曲を演奏する訳じゃないので、ほころびることも多々あるかと思うけど、このように自分たちが作ったものが、人々の暮らしの中で響いていたのか、と。その事実を身体に刻むツアーでもあります。
みんなに会えるのを愉しみにしています。
素晴らしいステージ、ありがとうございました。主催者側からのアンコール。それも一度ではなく…おかげで月を見ながら演奏を聴くことができました。妖怪やら鬼やらいたようですが(笑)心のピュアな者たちが集結した場所でした。本当にお疲れ様でした。
ホーホケキョの鳥のこえを聴きながら湖畔ののどかな野外ライブ。どのステージも凄く良かったけれど、なんといっても最後の全員でのステージが素晴らしかったです。満月が出るのを待つ間歌ってくれた沢山の飛び入りソング・・・その最後にTOSHI-LoWさんの提案で歌い出した清志郎さんのデイドリームビリーバーは大合唱に・・その時ステージ上方右側に金色の月がちらちらと顔を出したのでした。そしていつしか鏡のように白く輝く満月が姿を現し、そのタイミングで満月の夕が歌われました。神がかり的なものを感じました。福岡の地にこの歌の思いをきっと届けるよとお月様が約束してくれたように思えてなんだか胸が熱くなりました。満月の夕は祈りでもあります。今回の企画をしてくれたCHANOさん本当にありがとうございました。CHANOさんの美しい月明かりのように澄んだ歌声が山口さんの心を動かしたに違いありません。これからもよろしくお願いします。