奉納

3月11日 土曜日 晴れ 

 昨日から福島にいる。

 10年と12年は違う。数字以上に干支が一回りするってことはいろんなことが大きく変化していく。世界も自分も何もかも。

 メモリアルな日にその場所にいることは意識して避けていた。どうしてって、その場所を想うことは毎日のことでありたかったから。でも、干支が一回りして、気持ちが変わった。自分の目に刻んでおきたくなった。

 もうひとつ。最初は居ても立ってもいられずに(どうしてって、あの電気を使っていたのはオレだったから)訳もわからず飛び込んだ。もちろん今だって訳なんてわかっていないけれど。

 ただ、この頃は違う。向こうからいろんな出来事がやってくる。書けば長くなるけれど、偶然というには出来すぎたストーリーが重なって、今日オレは福島にいる。月並みだけれど、必然だったのだと、今となっては思う。

 きっと歌うことになる。うまく表現できないけれど、その行為は「奉納」のようなものに近い。誰が運命を動かしているのか知らないけれど、それらを司る主に音楽を奉納して、死者の魂を弔い、善き世界のために力強く響くように。

 音楽の大事な役目のひとつを果たさせてもらうことを光栄に思っている。

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奉納 への1件のコメント

  1. YUJI より:

    12年前にテレビに写し出された画像は忘れられません。
    「奉納」。毎年、地元の祭りに出ますが、1年毎にその本来の意味をより身に感じています。
    会えなくなった人への想い、当たり前のように毎日顔を合わせる人への想い、当たり前にある日常への想い、祭りを続けてくれた先輩達への想い。見えない何かに頭を下げて、本当に感謝と継承です。

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