Recording day #031、何が文化を殺すのか?

6月14日 土曜日 曇り

静岡のシンガー、ノダフルタくんのアルバムが24時間、リビングで鳴り響いています。日本語の歌として、これは快挙。スティーヴ・クーニーは2ヶ月くらい鳴りっぱなしだったけれど、それはインストだし。あ、大阪の開演前のBGMもこれです。このアルバム、スティーヴ・クーニーのサイトからしか買えません。

でも、ご本人がアイルランドの郵便局から送ってくれます。ほんとうに素晴らしいんで、ぜひ。僕もCHABOさんにプレゼントしたら、DJでかけてくれたんだそうです。こうやって素晴らしい音楽が拡がっていくのが嬉しいんです。

ノダフルタくん。ほんとうに素晴らしい。これは、にゃんとかせないかん、と思っています。どうしてって?この歌を必要としている人がいるのがわかってるからです。今は自分のレコーディングでいっぱいいっぱいだけど、来年にはにゃんとかしたい、と思います。でも本人たちにも頑張ってもらいます。笑。

音楽は年々厳しい状況になっています。

CDがサブスクに押され、まったく売れなくなり。ミュージシャンはライヴに活路を見出しました。そして、醜い土日のスケジュールの奪い合いが始まりました。全国のハコ、土日だけはスケジュールが埋まっています。ほんとうに醜い。こんな状況だからこそ、譲り合って、共闘して、文化を盛り上げなきゃいけないのに。

先日、ド平日に開催して満員御礼にて素晴らしいライヴになった「The Yokohama Sessions」。あれは僕らの意地なんです。ハコだって、平日にライヴが開催されなきゃ生きていけないんです。企画を考え、労力を払えば、出来ないわけじゃないんです。12月の頭にまたすばらしいゲストをお迎えするんで、来てください。またチケットはすぐ売り切れるか、と思います。

なので、僕のソロ公演はできるだけ平日にやるのです。このままだとハコが潰れてしまう。

ところが、今度は国のアホな政策と円安。インバウンドで各地溢れかえる。ホテルの値段が異常になる。真面目な話、コロナの頃の軽く5〜10倍です。にゃんと浅ましいホテル業界。なんのためのホテルなのか、、、、。いったいどこを向いているのか。恥ずかしくないのか。茶番極まりない令和のコメ騒動と同じです。農家のことなんて、誰も考えちゃいない。古いコメが2000円って、税金で買ったものを、更に売りつける。しかも奴らは選挙のことしか考えていない、、、、。

で、地方のハコはホテル高騰のせいで、ミュージシャンが行くことができず、スケジュールが埋まらなくなっています。てか、ミュージシャンはミュージシャンで、自分のことしか考えてなくて、んなもん、こんなヤクザな稼業、這ってでも行けって、オレは思うけど。こころあるハコはハコの中に簡易宿泊施設を作って、安価でミュージシャンを泊めようと画策しています。でも、ここでも法律の問題が立ちはだかる。簡単には作ることはできない。嗚呼。

根性あるミュージシャンは聞けば、ネットカフェに泊まってるんだそうで。3000円でシャワーも浴びることができるんだって。でも、ほんとにオレは事故が心配、、、、。ちゃんと食べて、寝て欲しい。ライヴをやるってことが、どんなことかオレは知ってるから。

先日。故郷、博多で大好きな無料のフェスに出演しました。理念が素晴らしいんです。街が音楽で溢れること。でも無料ってことは誰かが資金を負担してるってことです。僕がステージから「入場無料!飲食定価!音楽最高!」と歌ったのは、楽しみながら、少しは考えて欲しいからです。

好きになったミュージシャンのライヴにお金を払って出かけて欲しい。キッチンカーや会場の出店にお金を落としてほしい。主催してくれた会場に、なにもないときにも足を運んでほしい。

わかってくれる人もいる。けれど、開演前からクーラーボックスにビールや食べ物を持ち込んで、ずべて無料で楽しむ気満々の輩もいる。オレは言いたい。あなたのその志が音楽を殺すのです。

オレは生きてる限り、自分の志を貫きます。自分のためではなく、まずは他人のことを考える。でもね、正直アルバムを創るのも、もはや限界に達しています。創るためには自分の身を削って働き続けるしかないのです。でも、こちらにも意地があるしね。最後までやり遂げます。生きていれば。

某サイトのレビューに「HWのアルバムは高いから買わない」っつーのを見かけて、ほんとに腹の底から怒りが込み上げてきます。あのさ。あなたになにがわかる?高いと思うなら、買わなきゃいいだけの話じゃん。ほんとうにこういう匿名の一言、傷つくんです。こっちも人間なんでね。

何が文化を殺すのか?何が未来を殺すのか?と同義です。

自分のことの前に、誰かを思いやること。忘れずにいたいのです。

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Recording day #031、何が文化を殺すのか? への12件のコメント

  1. ndgydg より:

    ヒートウェイヴの音楽は自分にとってとても大切なのです。聴き始めた頃からずっと。ライブでも自分の部屋でもどんな形であれ聴き続けたいです。身を削りながらつくられていることに感謝です。ありがとうございます。
     追伸:以前に洋さんがオススメしていたホテルに家族で宿泊しました。とても良い時間を過ごせました。重ねてありがとうございます。

  2. カズソウル より:

    スティーヴ・クーニーさんのアルバム、購入しました。労働の後、一日の終わりに聴いています。疲れが癒されていきます。教えていただき、ありがとうございます。
    注文した際、クーニーさんからこんなメッセージもいただきました。「申し訳ありませんが、アイルランドではイースター休暇中で、郵便局は火曜日まで開いていません。その時に発送します」と。その心遣いにも打たれました。曲の隅々に、そうした優しさが詰まっている気がします。

  3. ハートロッカー より:

    山口さんの志をこちらも真っ正面から受けるのみ!

    日本って国はウェルカムだよ。でもねやっぱり剛にあれば剛に従えと思う。
    日本は治安は良い綺麗だし食べ物も美味い、誤魔化しもしない。
    店に行けばパチモノを売ってる事はほとんど無い。それは日本人の美徳なんよ。
    それを悪用するのは許せん!

    ヒートウェイヴのアルバムで言えば打率がとにかく高い!
    スルメみたいなアルバムだ。段々とこちらの耳も鍛えられる。ライブに行ってるからね。
    最初はふむふむな曲も旨みが増してくる。この味を分からん奴に説明しても無駄。そこらのサブスク10秒勝負のファーストフードみたいな曲と一緒にされては困る。

  4. ファンタグレープ より:

    大阪でのBGMはスティーブ・クーニーさんだったのですね、今月はもう金欠なので来月になったら貼り付けてくださったリンクからCD購入します。笑。教えていただいてありがとうございます!

  5. より:

    HWのアルバムは高くても買います。これからも。
    それ以上のものを、暮らしの中にもたらしてくれると知っているからです。

  6. たか より:

    「ヒロシマ」の写真展示を観に東京都写真美術館へ行って来ました。

    真実がありました。

    心がえぐられ目を覆いたくなる悲惨な光景、生きようとする姿、推測や想像では見えなかったものばかりでした。見ようとすることすらしてなかったのかもしれません。

    写真家のシャッターを切る時の迷い、原爆の写真が戦後簡単には残せなかった事も知りました。写真家が真実を未来に残すための決意やプライドや使命がそこにはありました。そして、このような記録写真は最後にしなければというメッセージ、強く届きました。戦後80年。戦後という言葉のままであり続けるためには私たちが目を逸らしてはいけないのですね。

    外国人の方がずっと胸に手を当てながら展示を観ていたのが印象的でした。

    いくつかの写真は今でも瞼の裏に浮かんできますが、辛い気持ちが一枚の写真によって救われました。最後にその写真をもう一度見直して会場を後にした程です。それは復興祭というかたちでの音楽が演奏された場所で舞台側から撮影されたものでした。歌い手とギターリストが背中越しで見えるステージを真剣な眼差しで大勢の人々が見ている写真。傷ついた人々が音楽を聴いて明日に向かおうとしている姿に私の気持ちは救われていました。中に1人の少年が笑っていたのを確認。唯一この写真展で見ることができた笑顔でした。ホッとしたのと同時に、笑顔こそが希望であり未来であるのだと実感しました。

    山口さんが伝えてくれなければ行くことは無かったと思います。ちょっとばかり勇気が必要でしたが、知るべきものでした。きっかけをありがとうございました。

    1945
    1995
    2025

    今日この展覧会で得た感情と、私がHEATWAVEと個人的に出会っての30年分の想いを持ち寄って8月の「1995」LIVEに参加します。楽しみにしています。

  7. カジ より:

    たぶん300枚〜400枚くらいCDありますが、いちばん見晴らしのいい場所にHWと山口洋(敬称略)のCDを並べています。決して毎日というわけではありませんが、その日の気分で1枚選んで、部屋に音楽を流しています。たまに車で出かけるときには1枚選んで運転中に聴いています。昨日はBLINKを聴いていました。誤解を恐れず書きますと、すべてをなくしても最後まで手離さずいたいのが山口さんの音楽だと思っています。お恥ずかしながら、リリースしたからといって即買いできないときもありますが、必ず買わせてもらっています。先月の高知でのライブ会場で買った2枚組ポーラスターは、まだじっくりとは聴けていませんが、もうすぐ聴く気がします。手元にあること。それらを大切にしながら、新作をたのしみにできること。しあわせです。

  8. ヤスカワジュン より:

    こんばんは!
    いつもかなりの部分、洋さんの発言に力をもらっています。
    ご本人がいい歌が歌えたと言えるのは本当にすばらしいことだと思います。
    作品楽しみです。

    せんじつのステキなイベントでのコメントの中にクーラーボックスを持ち込んだ私としてはひとくくりにされている点はいかがかと思います。

  9. sanemoto1979 より:

    先日のベイサイド素敵なイベントでしたね、本当にありがとうございます!圭一さんとをまた見れるなんて泣きましたよ。
    本当にベイサイドには感謝しかないです。
    イベント後に日を改めて平日にベイサイド行きました。イベントの時のベイサイドとはまた違った景色でした。お寿司を持ち帰りしベイサイド内で食べて帰りに温泉入って帰りました。
    イベントが無くても素敵な場所だなと福岡に住んで長いですが知らなかった次第です、、、
    良い形で循環出来ればと本当に思います。
    是非皆さんもベイサイドプレイス一度行ってみてください。私のおすすめはお寿司と温泉です!

    • ヤスカワジュン より:

      こんにちは!
      私事ですが、福岡で子育て期を過ごした我が家は志賀島まで自転車で行って、船で帰ってくるという自転車乗りをしていました。そのかいあってか、うちの二番目MTBで高校、専門学校と進み、一時期はエリートで走っていました。ここに来るとそんなことを思い出します。
      こんど妻と走ってみましょうか?

  10. しぶや より:

    山口さんの浜松ライブで目の前にノダフルタさんが座っておられたので勇気を出して、「もしお持ちならCDを購入させてもらえませんか」、とお声かけしました。ノタフルタさんは茶封筒の中を探してくださり、「一枚だけありました。」と。
    お代をお支払いしようとすると、「要りません」と一言。いやいやそれは失礼にあたります、「払わせてください」、とお願いして何とか受け取っていただきましたが、ノダフルタさんはなんと「ごめんなさい」と。こんな方がおられるのかと…。

    「連弾」を繰り返し拝聴し、その狂気、クレイジーさ(ほめてます)、と相反するような、やわらかな温かみを感じ、山口さんの記述にある「この歌を必要としている人」の一人である事を実感してます。
    最期の青色を歌唱されてる女性シンガーはどなたなのか。

    たまたまですがノダフルタさんの連弾と染谷さんの弾き語りデラックスのCDケースを並べて置いたらジャッケットがなんか似てました。これも山口さんの円環なのかと。

    「巨星」の日のダイアリーに、藤原さんという方が山口さんの文章にはいつも「敬意」と「愛」があるとの趣旨のコメントを書き込まれていましたが、その言葉を拝借するなら、山口さんのライブでO.Aを務める方は山口さんに対して、「敬意」と「愛」がある人だけであってほしいものです。ノダフルタさんや加是葦アツシさんのように。

  11. しぶや より:

    スティーブ・クーニーさんからの郵便物、忘れたころに届きました。

    某サイトだと注文した品物が翌日どころか、当日中や、翌朝の午前4時半に置き配で届く時代。そこまでのスピードが必要なのかな、と。Seize The Dayの33ページに、「人間には単位時間あたりに移動していい距離ってものがある。のぞみは僕には速すぎる。」という、故どんとさんが山口さんに語った記述についてもずっと考えてます。

    そんなこともあって忘れたころに届いたアイルランドからの郵便物。
    現金書留にお金を入れて、郵便局から発送し、商品が届くのを首を長くして待っていた80年代、自分が学生だった頃の気持ちを思い出して懐かしくなり、なんかうれしかったです。

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