小さなプロジェクト

7月25日 木曜日 晴れ 

 ふかーい山里に3日も潜伏していた。いや、言葉が違うな。村人と家人に「保護」してもらっていた、の方が正しいかな。思いきり皆さんの愛情の上にのっかってました。こんな身寄りのないロッカーのために、上げ膳据え膳。俺は何をすることもなく、飲んで寝転がってただけ。いつもながら感謝デス。心から。

 深い山里で定点から起きていることを観察すると、そこが日本の縮図であることがよく分かります。残念ながら、それは「良い意味」ではないことの方が多いのですが。それはまた機会をあらためて、咀嚼して書くとして。

 嬉しかったのは僕らの子供の世代が職人の技を受け継いでいることっすね。これはね、筆舌に尽くし難い。若者の目に宿る光ってものは、ほんとうに周囲を明るくします。素晴らしいです。僕には子供が居ないので、むっちゃ新鮮かつ、深く心を揺り動かされ、なおかつ「巨人の星」の明子さんのように、柱の影から見守りたい気持ちに駆られます。

 なので、考えました。林業のともだちの家も息子が家業を継いだのです。林業もまた、まことに厳しい状況に置かれています。50年生の杉の木1本が幾らだと思いますか?3,000円っすよ。山から切り出して、丸太にして、トラックに積んで納入して、3,000円っすよ。とっても危険な作業なんですよ。命がけ。ただし、財産としての木はそこに生えている訳で。組合に木をタダみたいな値段で供出するだけではなく、こちらから付加価値をつけて仕掛けていく。逆の流れを作る。僕は20歳のともだちの息子に仕事を無茶ブリしました。痛んでいる僕の家の無駄にでかいベランダ。息子が山から適した木を選んで切り出し、製材所に運び、大工を自分の世代の中から見つけてタッグを組み、自分の理想のものを作ってみる。バジェットを管理して木の単価を3~5倍にすることを目指す。勇気を出して新しい海に漕ぎ出した20歳の目の光を僕は信じたいと思います。

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小さなプロジェクト への3件のコメント

  1. 愛ぴょん より:

    ヒロシさんの自分にできることは何か、という真心が種となって、いずれ芽を出し、それから少しずつ枝が広がってゆきますように☆

    できる時は思いっきり甘えてくださいな。
    ワンダフルなことだワン!

  2. Froggy II より:

    職人さんたちのお仕事とは違うけれど、自分がはじめて職場で仕事を任されたときのことを今でも覚えています。プレッシャーもあったけれど、信頼してもらえたことがとても嬉しかった。成長するきっかけをくれた大人と、その人達になんとか応えたいと真剣に仕事と向きあったあの時間をたぶん一生忘れないと思います。
    職人は尊敬されるべきものなのに、日本での評価は低すぎです。すばらしい腕を持っていても生き残りが厳しいし、彼らの技を求める人々が減少するってことは文化全体が衰退していくってことです。軽い言い方ですが、でも がんばってほしいと思います。

  3. りん より:

    小さなプロジェクト?20歳の彼にしたら、きっと大きなプロジェクトですよ!!考えて悩んで…やりがいを掴んだら夢と誇りを持って自分の仕事が出来ると良いですね!
    そんな経験の場をつくった洋さん、カッコ良い〜(o^-’)b 完成したら又アップして下さいね〜♪♪楽しみに待ってます!

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