11月25日 月曜日 晴れ
さて。長々とお伝えしてきた今回のツアーグッズ。いよいよ大トリの紹介となりました。
わたくす、コーヒーが好きなんです。目覚めたら、まずコーヒー。キッチンに立ち上るコーヒーの香りから1日が始まります。もうずいぶん前に喫煙もやめたので、作業のワンクッションごとにコーヒーを飲んでいます。
コーヒーミルは後輩がプレゼントしてくれたもので、これがどえらく素晴らしい。もちろん電動ではありません。ドリップポットは母の形見。銅でできていて、ときどきピカピカにしてやります。もう30年選手かな。愛用のカップは小鹿田焼。親友が作ってくれたものです。
これ、めっちゃいいです。
これはおかんの形見。
全国を旅しているので、あちこちの素晴らしいコーヒーをいただきます。その中で、去年、抜群に美味しいコーヒーに出会いました。正確には送っていただいたんですが。これはタダものではないな、といつもの直感が申したわけです。お酒もそうだけど、ダテに60年も生きていないので、そこに情熱と愛がこもっているかどうか、それはわかります。
僕らは音楽家なので、世界に対して誠実に音楽を伝道していくことが一番の役目です。でも、同時に素晴らしいお酒や昨日のお菓子、もちろんコーヒーを伝えていくこともたいせつにしています。だって、同じことだもん。目的は。
僕はコーヒーが好きなだけで、詳しいことはなにもわかりません。でも、偉そうに「洋認定」印をつけていただいて、リーズナブルな値段で美味しいコーヒーを焙煎していただけることになったんです。こういうリレーション、とても嬉しいです。
その焙煎士、MIKI AIZAWAさんよりメッセージをいただきました。熱いです!では、どうぞ。
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焙煎士 MIKI AIZAWA
母が夕食後にコーヒーメーカーで淹れたコーヒーを飲む姿が、子どもの頃の私の日常風景でした。
その影響で、気がつけばブラックコーヒーを飲むのが当たり前に。
そしていつの間にか、お茶や水の代わりにコーヒーを飲むようになっていました。
当時の私にとって、コーヒーは特別なものではありませんでした。
ただの水分補給の一環で、美味しければ嬉しい、不味くなければそれで十分。まるで麦茶を飲むような感覚です。
そんな「当たり前」の存在だったコーヒーに、少しずつ変化が訪れたのは高校生の頃。
デミタスコーヒーに出会い、深煎りのマンデリンやグアテマラといった豆に惹かれるようになりました。
タリーズやスタバが地元にオープンしたときも、正直言って私はコーヒーそのものより、グッズやおしゃれなビジュアルに目が行くタイプ。
なので、そこで「コーヒーの概念」が大きく変わることはありませんでした。
そんな私の価値観を覆したのが、2015年に日本に上陸したとあるコーヒーショップ。
そして初めて飲んだ「ベラノドヴァン」という一杯でした。その瞬間、コーヒーにフルーツを感じるなんて!という驚きと、「これ、香料を使ってるの?」と疑うほどの衝撃。
そこから私の中でスペシャルティコーヒーへの興味が爆発しました。これが、私にとっての“Second Wave”の始まりでした。
もっと知りたい、もっと深くコーヒーを感じたい——その延長線上でQグレーダーのライセンス取得に挑戦することを決めました。
ただ、ライセンスが欲しかったわけではなく、自分の感覚を磨いて、体全体でコーヒーを学びたかったからです。
これまでたくさんの本を読んだり、フレーバーノートを参考にして気になる豆を買って試したりしていましたが、思い描いた味と実際の味が違うことも多く、独学の限界を感じていました。
「鑑定ができるようになれば、一生美味しいコーヒーが飲める!そして、誰かに『こんなコーヒーだよ』って説明できるようになる!」そんな思いつきが原動力となりました。
とはいえ、勢いだけでは乗り越えられない壁もいくつかありました。
病院勤務という立場で、代わりのいない専門業務を抱えながら1週間の休みを取ること。
コロナ禍の中で県外への移動が制限されていたこと。さらに、知らない人たちとの共同生活への不安もありました。
それでも、「もっと知りたい」という気持ちがすべてのハードルを越える力になってくれたのです。
いくつもの壁を乗り越え、ついにQグレーダーの試験に合格したとき、努力が報われた喜びと一緒に学んだ仲間達への感謝で涙が止まりませんでした。
でも、その時点で満足することはなく、「ここからがスタートだ」と自分に言い聞かせました。
そんな折、同じようにコーヒーを愛する仲間たちと出会い、一緒に何かできたら面白いんじゃないか、と思い始めたんです。アイデアを話し合い、少しずつ形にしていく中で生まれたのが「SWEET COFFEE ROASTERY NAGANO」でした。
まずはネットショップからスタートすることにしました。
ここからが私のThird waveのはじまりです。
私たちのこだわりは、「注文を受けてから一つ一つ丁寧に焙煎する」ということ。
お客様が手に取るその瞬間まで、豆のフレッシュさを大切にしたいという想いからです。同じ豆でも焙煎の度に少しずつ表情が変わる。だからこそ、焙煎は毎回真剣勝負です。
さらに、お客様一人ひとりの趣味嗜好や年齢、性別などに合わせて、焙煎のプロファイルを工夫しています。
例えば、しっかりとした苦味を好む方には深煎りを、軽やかでフルーティーな味わいを求める方には浅煎りをおすすめしたり。プレゼント用に贈られる場合は、相手に合いそうなコーヒーを一緒に選ぶお手伝いもしています。私たちにとって焙煎は、お客様の「好き」に寄り添うための大切な手段です。
最初のうちは、正直言って不安だらけ。すぐに売れるわけではありません。
でも少しずつ、私たちのコーヒーを手に取ってくれるお客様が増えてきました。
「美味しかった」「こんなコーヒー初めて」「贈った相手がすごく喜んでくれた」といった声が届くたびに、胸がいっぱいになります。
特に嬉しいのは、コーヒーを通じて誰かの特別な時間を作るお手伝いができること。
大切な人とのコーヒーブレイク、ひとりでほっと一息つく瞬間、朝の目覚めの一杯…そんな日常の中で私たちのコーヒーが役立っていると思うと、本当にやって良かったと感じます。
もちろん、まだまだ発展途上。これからもっと多くの人に、coffee is fruits.その感動を届けていきたい。
そんな気持ちで、今日も焙煎機の前に立っています。
Sweet Coffee Roasters NAGANO
https://sweetcoffee.official.ec/
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いやー。もう僕が言葉を足す必要はありませんね。はじめて彼女のコーヒーをいただいたときに、感じたことはこういう背景があったからこそ、なんですね。素晴らしい!ぜひ、飲んでいただいて、気に入ったなら、Sweet Coffee Roasters NAGANOにアクセスしてみてくださいまし!
リーズナブルでとっても美味しいです。
■Specialty Coffee ¥1,000
HEATWAVE ✕ Sweet Coffee Roastery NAGANO
品種・量:ケニアAA Q認証コーヒー(豆・70g)
<Sweet Coffee Roastery NAGANO>
わたしたち「Sweet Coffee Roastery NAGANO」は長野県の自然豊かな地で、小さなコーヒー工房を営んでおります。
当店の焙煎士は、QアラビカグレーダーとQロブスタグレーダーの資格を持ち、コーヒー豆の個性を最大限に引き出す焙煎技術にこだわっています。
世界各地から厳選した豆を使用し、深いコクと豊かな香りが広がる一杯をお届けします。
▶ショップページ:https://sweetcoffee.official.ec/
※現在当ショップにて「ケニアAA Q認証コーヒー」の取り扱いはありませんが、多種多様な商品を取り揃えております。
今回はHEATWAVEの山口様にも気に入っていただいたケニア産のコーヒー豆をご用意いたしました。
一口飲むと、深いコクの中に果実の甘さが広がり、心地よい酸味が後を引きます。
厳選されたケニアの高品質なコーヒー豆を丁寧に自家焙煎し、豊かな香りと繊細なフレーバーを最大限引き出しました。
長野の小さな工房から、真心こめて焙煎したコーヒーをぜひお楽しみください。
<ケニアAA Q認証コーヒー>
ケニアAAは、世界中のコーヒー愛好家を魅了する最高品質のアラビカコーヒー豆です。
「AA」とは、ケニア独自のグレーディングシステムで最上位に位置する等級を示し、大粒で均一な豆が特徴です。
厳選された農園で手作業によって収穫・処理された最高品質のコーヒー豆です。
・特徴的な風味
ケニアAAの一杯は、深いコクの中に果実の甘さがあります。ブラックカラントやシトラス、スグリのようなフルーツ感に加え、ダークチョコレートのような深いコクが感じられます。口に広がる明るく鮮やかな酸味と滑らかなボディは、一度味わうと忘れられないでしょう。
・産地の魅力
ケニアの高地、特にナイロビ周辺やキリニャガ地方で栽培されるケニアAAは、火山性土壌と豊かな日照、昼夜の寒暖差が生む理想的な生育環境で育まれます。このユニークな環境が、ケニアAA特有の複雑で濃厚なフレーバープロファイルを生み出しています。
焙煎度 中深煎り
果実感 ★★★☆☆
香り ★★★★☆
甘味 ★★★★☆
苦味 ★★★☆☆
酸味 ★★☆☆☆
余韻 ★★★★☆
<Q認証コーヒーとは?>
コーヒー品質協会(CQI)が定める基準に基づき、3名のQグレーダーによって評価され、80点以上を獲得したコーヒー豆に与えられる規格です。
Q認証はコーヒーの品質を区別するコーヒー業界唯一の認証で、スペシャルティのステータスを獲得していることを示す消費者品質マークです。
高品質で風味の高い味わいをもったスペシャリティコーヒーとして世界基準で認められています。
<コーヒーのおすすめの淹れ方>
▼ペーパードリップ
コーヒー粉(中細挽き)10gに対して90℃位のお湯150cc
※お好みでお湯の量は増減してください。
①ドリッパーにペーパーとコーヒー粉10gをセット
②90℃位のお湯を少しずつ注ぎ、コーヒー粉全体を湿らせる
③30秒から1分程度蒸らす
④残りのお湯を2、3回に分けて注ぐ
ペーパードリップは日本で最もメジャーな淹れ方です。濾紙を通すことでスッキリとした味わいを楽しめます。
▼フレンチプレス
コーヒー粉(中挽き)20gに対して95℃以上の熱湯300cc
※お好みでお湯の量は増減してください
①コーヒー粉をフレンチプレスに入れて熱湯を注ぎ、蓋をして4分待つ
②プランジャーをゆっくり押し下げる
フレンチプレスは細かいテクニックが必要ないので、どなたでも簡単に美味しいコーヒーを淹れることができます。金属フィルターで濾すので、ペーパーでは取り去られるコーヒーのオイル分が残り、ダイレクトでまろやかな味わいを楽しめます。
今回のグッズ一覧です。
それから昨日のblogに■ビスケット缶、HEATWAVE × 鎌倉小川軒の詳細を補足しました。