Mr.OUTSIDE #006、EMPTY (空)

1月6日 火曜日 晴れ

世界の警察?、大国の大統領ならば、他国に攻め込む暴挙が許されるのか。そのクソみたいな大統領にノーベル平和賞をと言った首相のことを、オレは決して忘れない。

胸クソが悪すぎる。

宝、勇気、信じる力、命、自由、知恵、愛、信念、心、未来、宇宙、忍耐、野生のバラ、記憶、軌跡、太陽、ハングリーさ、愚か者、覚悟、淡い悪意。

世界は相変わらず君と共にある。

労働の尊さを。逞しい腕に知性を。

↑ 詩の断片を書き留めておくノート。早朝にこう書かれていた。脳みそを使うべきだ。暴挙に対峙するには。

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新しいアルバムの5曲目、Empty (空 )。

書いたという記憶がない。その自覚もない。不思議な曲。でも、アルバムにとってはなくてはならない中核をなす曲でもある。

Nothingは無。それはない、のだ。でもEmptyは空。実在する。空っぽだからこそ、そこにはなにかが注がれる。決して作為ではない。

その境地に至るまで、バンドを始めて46年もかかった。素晴らしい演奏をしているとき、空っぽなのだ。なにも考えていない。勝手に身体が動いて、勝手に歌が身体から湧き出てくる。近未来も予測できる。決して作為じゃない。こうやってやろう、なんて考えて、うまく行ったためしがない。流れるのだ。流されるのではなく。それが「空」の意味。

空っぽでいれば、それはなされる。ただし、空っぽでいることはとても難しい。それを表現しようと思ったから、自ら空っぽになることが必要だった。

そして、それは割とあっという間に形になった。歌詞もまったく悩んだ記憶がない。オレはただ、なにかの受信機だっただけだと思う。

録音するとき、魚ちゃんが珍しく音符ではなく、歌詞カードを鍵盤の前に置いて演奏していた。池畑さんは2小節目の1〜3拍目にどうしてもシンコペーションを入れたがった。最初オレは意味がわからなくて、それがあるがゆえに超絶歌いにくかった。でも、慣れたらしっくりきた。要するに、それぞれが空っぽになっていたんだと思う。

最後にグレッチを思いっきりフィードバックさせて弾いた。ガラスの向こうで魚ちゃんが立ち上がって「丸」のサインを出した。こういうときはテイクワンでいいのだ。実際聞き返す必要もなかった。

この曲はこのバンドがたどり着いた最新型の表現だと思う。それゆえ、ライヴでは最後に演奏するべきだと思っている。観客はその余韻の中に自らの未来を見つけてくれると思うから。

 

 

アルバムの予約はこちらから。1月中旬に発送予定です。

 

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特別企画最終日

1月5日 日曜日 晴れ

年が明けてから、ずっと富士山が綺麗です。寒くて空気が澄んでるからかな。

この家に住むことを決めたのは、リビングの真ん中にある大きな窓から富士山がまるで絵のように見えるからです。内見に来たとき「冗談かよ!」って思って即決。屋上から見るとさらに素晴らしいviewだし。そういうことって、かなり精神的に影響します。

元旦から例の早起きを再開して、午前4〜7時という時間に作曲をしています。とてもいいです。まずはコーヒーを淹れて、陽が昇る前にこころの深いところに降りていく。明るくなってきたら、屋上に行ってその日の富士山を確認。綺麗な日はインスタにアップ。このバイブスはシェアした方がいいと思うから。それから英語の勉強をして、掃除洗濯、筋トレして、いつもの朝食、そしてランニング。修行僧みたいな日々。ははは。s

さて。年始の新譜、特別企画も最終日。

今日は完成した「Motorcycle」のコード譜をのっけておきます。ぜひ弾いて歌ってください。ギターを始めて3日目でも弾けるような簡単なコードです。2カポで弾くとさらに簡単。でも、これ以上の質問は受けつけません。笑。少し、自分の頭で考えてください。考えるの大事!

 

プロになってすぐの頃、矢野顕子さんからライヴに誘っていただきました。今は亡き、渋谷のジャンジャンでの弾き語りコンサート。1本のライヴの中で、僕が知っているコード(和音)がほとんどなかったのです。衝撃でした。オレはプロとしてやっていけるのかな?って井の頭線の渋谷駅で落ち込んだのを覚えています。そのとき、レコード会社の人間が通りかかったらしいんだけど、オレは真っ青な顔をしてベンチに座ってたそうです。

でね。そのとき渋谷駅で気づいたんです。あんな難しい和音は生涯オレには身につかない。でも、竹で割ったようなDとかEとかCとか。誰にでも弾ける、その簡単な和音を弾いたとき「これはヒロシの音だ!すげぇ!」と思ってもらえるようなミュージシャンになればいいんだ!と開眼したのです。これは矢野さんのおかげに他ならない。とっても感謝しています。

それからその道をずっと追求してきました。ギターを始めて3日目でも弾けるコードで名曲を書くこと。

でも、当たり前だけど、簡単にこの音はしません。年季が違うんです。簡単なコードだからこそ、めっちゃ深い。

ちなみにこの曲の「E」は2カポにして「D」で弾いてるんですが、グレッチはほんとにひどいギターなんで、まずチューニングが合わないのです。うちのテックは素晴らしいので、それでもチューニングできます(最近は弦の交換まで任せてます)が、だからこそ、特殊技術であの「D」の音がするのです。若干ズレてるんです。それがあのヒューマニティーを産んでいて、鳴った瞬間「お!」と思っていただけるってわけです。ギターが鳴る前の掛け声は一瞬気合いを入れてるってことです。ほんとだよ。

僕の書いた曲に難しい和音はほとんどありません。楽しんでください。これにて、特別企画は終了!

 

 

 

アルバムの予約はこちらから。1月中旬に発送予定です。

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新春の残念なお知らせ

1月4日 日曜日 晴れ

新春から残念なお知らせをふたつ。

ひとつめ。福島県いわき市にあるclub SONIC iwaki。震災、放射能、コロナ禍、水害を乗り越えて、ほんとうにどんなときもどんなときも、街の音楽のために尽くしてきた老舗が2026年いっぱいでcloseすることになりました。彼らの心中を察するに余りあるものがあります。オレもね、忸怩たる想いです。ひとこと言ってもいいすか。

クソッタレ!

連絡をもらってました。続けられず申し訳ない、と。いやいや、オレはあなたたちがどんな想いで続けてきたか知っています。なので、HW、このツアーで行きますとも。上等だよ。いわき、とってもいい街なんです。ぜひぜひぜひ来てください。スケジュールはこちらを。

でね。ライヴもいいけど、SONICのこと、いわきのこと。もっと知ってほしい。なので、ライヴ前日にこういうイベントを企画しました。ぜひ、前日入りして、いわきのこと、これからのSONICのこと、絶滅危惧種のオレたちの新譜のこと、酒飲みつつ聞いてください。てか、みんなも受け取るだけでなく、語ってほしい、と思っています。

ちなみに我々ツアーのゲネプロ(最終チエックのようなもの)もSONICでやらせてもらいます。

てかね。みんな失ってから気づくんだけど。もう一言言っていいですか。

それじゃ、遅いんだよ!
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Inside Mr. OUTSIDE –Listening & Talk–

HEATWAVE ニューアルバム『Mr. OUTSIDE』試聴会
解説:山口洋(HEATWAVE)
司会:三ヶ田ケイゾウ(club SONIC iwaki)

HEATWAVEのニューアルバム『Mr. OUTSIDE』の全貌を、山口洋自身の解説とともに紐解くリスニングセッション。
制作の背景や楽曲に込めた思いを交えながら、お好きなドリンクを片手にアルバムを試聴いただける特別な一夜。
ツアー初日を前に、作品の「内側」に触れるひとときをお届けします。
※企画の趣旨上、限られた座席数での開催となります。

日時:2026/02/13(金)
開場/開演:19:30 / 20:00
会場:club SONIC iwaki
料金:1ドリンク込み 2,500円(税込)
ディスカウント:LIVEチケット購入者500円引き(HEATWAVE TOUR 2026 -Mr. OUTSIDE- 2/14いわき公演)
発売日:2026/1/4(土) 正午
チケット予約:
club SONIC iwaki 店頭 https://www.sonic-project.com/~sonic-iwaki/
メール予約 ticketsonic@gmail.com

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閑話休題。

僕の故郷をぶっ壊し続けている福岡の市長。ほんとうに我慢も限界に達してきたというか。三代先のことを考えて街を創れ、バカ野郎。オレは本気で怒ってます。この国の首相にしてもね。結局のところ、あんなバカタレを選んでる人民の責任なんだから。

 

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新春から、ほんとにすいません。でも、伝えなきゃいけないことなんでね。

ふたつめ。

ずっとお世話になっている水戸で一番老舗のジャズクラブ、bluemoodsが閉店することに。。。

正直ね。閉店のニュースは聞きたくないんです。オレも気持ちが落ちる。。。サムズアップ、SONIC、bluemoods。。。嗚呼。

で、最後のライヴを店のマスターとやってくれ、と頼まれました。正直ね、嫌だよ。そんな役目。なんでオレなん?めっちゃ歴史あるじゃん。。。

考えたんだけど、断ったら、オレも引きずるな、と。なので、承諾しました。もー。告知前にチケットは完売だそうで。立ち見がわずかにあるとのこと。なので、僕からは告知しません。自分で探して問い合わせてください。

でね。お願いをいくつか。湿っぽいのは嫌なので、みんなで明るく送りだしてあげてください。みんなも受け手ではなく、自分のいいエネルギーをハコの歴史とスピリットに送ってあげてください。頼むよ。オレも受けたからには本気で、普段見れないようなメニューにしておきます。主催者にもお願いしました。ハコを感謝を込めて、綺麗にしておいてください、と。

1月18日です。マスターには感謝を込めて、ニューアルバムを餞別にします。めっちゃいいライヴにして、彼には再び立ち上がってもらうエールを送りましょう。

こころある音楽制作者、ハコ、みんな絶滅の危機なんです。理由はもうオレは書きたくないのです。愛する街が破壊されていくのと同じ図式。イマジンしてください。ええ、僕は最後の一匹になったとしても抵抗しますけどね。ピンチになればなるほど、燃えてくるものがあるのです。

老後?年金生活?そんな生き方をするつもりはありません。死ぬまでチャレンジでしょ。CHABOさんがオレに贈ってくれた言葉。

ヒロシ、60代はまだまだ行けるぜ!70代はちょっと手強い!

オレは砂漠の果実を拾いにいきます。

 

 

アルバムの予約はこちらから。1月中旬に発送予定です。

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特別企画3日目

1月3日 土曜日 晴れ

ははは。新春からやりすぎたか。それともみんな家族と忙しいのか。反応薄っ。笑。

でもまぁ、始めたことなんで。今日まで続けます。

グダグダ書くのもなんなんで。「Motorcycle」を初めてバンドで演奏した日のリハーサルの音源があります。30分くらい演奏して、形ができてきた頃かな。わかる人にはわかると思うけれど、この曲がヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「Sweet Jane」の血統を受け継いでいることがわかるかと思います。なんで、そのリフを弾いたのか、今となってはわからないけれど。曲をドラムから始めようとする明確な意思とか、ぜんぜん歌えてない初々しさとか。

それではどうぞ。

Motorcycle_band

 

そして高音質完成品です。

 

アルバムの予約はこちらから。1月中旬に発送予定です。アルバムの到着、楽しみに待っていてください。

昨日は異国から若い二人がやってきました。二人には未来しかなくて、とってもよかったです。

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特別企画2日目

1月2日 金曜日 晴れ

というわけでお正月なので。特別企画です。

どうせなら、誰もやっていない新譜のプロモーションをやろうと。1曲目の「Motorcycle」を高音質で元旦から聴いてもらっています。

レコーディング以前の話だけど。コのおかげでバイクに出会って、たくさんインスピレーションを受け取って。いつ書いたかは覚えてないんだけど、「Motorcycle」をモノにしたわけです。それをバンドに持って行く前に、最近はそんなにしょっちゅうリハーサルをやっているわけではないので、前もってメンバーに弾き語りの音源と歌詞とコードを送っておきます。それをあらかじめ聴いてもらって、スタジオで音を出してみます。前にも書いたけど、僕は真ん中に立って歌ってるだけです。もちろんガチガチのデモも作れるんだけど、弾き語りの方がイメージが広がりやすくていいのです。

てなわけで、今日は特別にメンバーに渡った弾き語りの音源実物を。iPhoneのボイスメモでちゃちゃっと録ったものです。全部聴く必要もないと思うんで、1番まで。同封した歌詞ものっけておきます。これ、完成したものとキーも歌詞も違います。バンドに持っていて、歌詞やキー、サイズ、アレンジなどを大幅に修正したものと思われます。

それでは音源から。

Motorcycle

歌詞とコード、ベリー初期バージョン。あ、タイトルからして違うのね。

 

これも実物。

 

どこまでも続く道を表現するのに、E-bowを使いました。右チャンネルのギターのことです。10CCのメンバーが発明した、ピックアップに近づけると発信する機械です。デビット・ボウイのアルバムでロバート・フリップが弾いてたイメージがずっとあったんです。

 

ここで質問。

 

曲と音について質問させて頂いても宜しいですか。
曲について。カウント0:0:6の辺りで山口さんの声(掛け声?)が聞こえますが、何と仰っているのですか。
音について。ミキシングで音の取り込みと調整に最も難儀する楽器は何ですか?私は、もしかしたらそれはベース(最重低音担当パート)なのかなと思いました。全然違っていたら済みません。ただ、私の大して音質の良くないスマホやうちのやっすいCDプレーヤーで音楽を聴くと、ベースの音が先ず埋もれてしまう気がします。今回の「Motorcycle」は私のスマホで聴いても、音が立体的に聴こえる気がして、これが山口さんのマスタリングなのかなと思いました。


それは私の掛け声ってやつです。「柱」の1曲目のど頭にもそれは入っています。マイクを立てて録音したのではなく、あまりに地声がデカくて、いろんなマイクにカブっているという。意味はありません。でも、こういうの好きです。

僕らのバンドはベースレスです。それゆえ、今回のアルバムは僕がベースを弾いたか、魚ちゃんがオルガンの左手で弾いたか(これまた超絶高等技術)。低音の処理に関しては細心の注意を払っています。この曲に関しては僕がフレットレスを弾いています。この曲のために持っていたジャズベースのフレットをリペアマンに抜いてもらったのです。イメージはやりすぎないフェルナンド・サンダース。

あまり言いたくないけれど、コーラスが必要な場面で、メンバーはすでにいなかったので(いたとしてもあんまり歌ってくれない)、このアルバムのコーラスはすべて僕です。一人で重ねるとばっちりタイミングが合いすぎる(僕が苦手なミュージシャンのアカペラにちょっと似てくる)ので、ビールを飲むとか、他人のフリをして歌うとか、若干人格を変えるといい感じにズレます。昨日、ブライアン・ウィルソンの未聴のアルバムを聴いてたんだけど、コーラスに関して、彼は天才ですね。頭の中がどうなってんのか、ぜんぜんわからない。僕の場合は譜面もありません。まぁ、こんな感じだろって、この曲でいうと音程と人格を変えて6人分くらい歌って、小さめにミックスします。

まぁ、なんと言っても8ビートのマスターが真ん中に鎮座してるのがいちばん効いてるんですけどね。笑。

そんなわけで今日もラジオチックに聴いていただきましょう。2026にHWが放つニューアルバム「Mr.OUTSIDE」から「Motorcycle」です。

 

 

 

完成した歌詞ものっけておきます。

Motorcycle

午前5時 月のひかりを浴びて
風を受けて 相棒を走らせてゆく
見えない敵に さんざん振り回されたから
さぁ 新しい朝を迎えにゆこう

Motorcycle 人生に永遠を
Motorcycle 誇り高き 永遠を

水平線に朝陽が昇ってくる
またしても ディスタンス 測りかねてた
まるでゴッホが描いた糸杉みたいさ
せつなさと 理不尽が渦巻くこの道を まっすぐに

Motorcycle 人生に 安らぎを
Motorcycle 誇り高き 安らぎを

くたばってゆく仲間に伝えたいこと
まだ人生に未練があったっていいじゃないか
急いでるのなら 先に行ってくれていいぜ
命使いきるまで もう少しあがいてみたいと思ってる

Motorcycle Motorcycle

Motorcycle 人生に永遠を
Motorcycle 誇り高き 永遠を
Motorcycle 人生に 安らぎを
Motorcycle 誇り高き 安らぎを

Yamaguchi Hiroshi : Guitars, Bass, Percussion and Vocals
Hosomi Sakana :Hammond Organ
Ikehata Junzi :Drums

 

アルバム、先行予約はこちらから。1/12まで受け付けています。

 

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謹賀新年

1月1日 木曜日 たぶん快晴

A Happy New Year !

 

今年も新年をみんなと迎えられて嬉しいです。みなさんにとって素晴らしい一年になりますように!オレは今年も全力で走ります。どうぞ、よろしく!HW、47年目に突入しました。なんだか、50年が視界に入ってきました。これもまたみんなのおかげです。

 

さて。今年は新譜の発送もあって、「カモネギシャチョーの新春セール!」を実施できません。なので、新譜のプロモーションも含め、スタッフと考えました。お正月期間限定(たぶん6日まで)でアルバム1曲目「Motorcycle」、高音質で聴けるようにしておきます。この企画、好評だった場合、更なる深堀りをお正月期間にやりますので、感想どしどしいただけると嬉しいです。

元旦から宣伝もどうよ、と思いつつ。アルバムの予約はこちらから。1月中旬に発送予定です。アルバムの到着、楽しみに待っていてください。正月期間にみんなにサインを書きまくるです。

ひひーん!

じゃぁ、爆音で聴いてね!HWニューアルバムは池畑潤二のチャイナシンバルから始まるよ!

 

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Mr.OUTSIDE #005、ディスタンス

12月31日 水曜日 晴れ

1ミリの後悔もなく2025年を終えられることに感謝しています。2025年は全力で走るのだ、と決めて最後にちょっとだけ息切れしたけど、グンと前に進んだ気がしています。いろんな意味で。老成する、とか、ゆっくり過ごす、とか。そういう種類の生き物ではなかったってことを実感しています。

旅路の中で強く感じたことを2025年最後のblogに記しておきます。

 

人は誰だって、誰かの希望になれる。
望んでなれるものじゃないけど、たしかにそういうことはある。
そのことをもう一度考えてみてくれたら嬉しいです。
誰かが誰かの希望になって、支えあうこと。
それは金や名誉より遥かにたいせつなことだと思うし
互いの人生はより実り豊かなものになると思う。

 

アルバム4曲目、ディスタンス。

これはコと別離がもたらしてくれたもの。「かけがえがないからこそ 離れていなくては」。この一行を書けただけでも、アルバムを出してよかったと思う。コって果たしてなんだったのか?究明されることもなく、世界はどんどんそのことを忘れて進んでいく。それもまた、たまらなく気持ち悪かったのだけれど、一矢を報いたいと思ったときに、怒りをそのまま表現したくなかったから、とっても難しかった。自分の脳みそを通過している以上、豊かな表現にしたかったし。

もともと書いたときはとてもゆっくりした曲だった。それゆえ、スローバージョンも実は完成している。それをプリテンダーズだな、と言ったのは魚ちゃんで。毎回、彼の感受性にはびっくりするけれど、左手でそのようなベースラインを弾いてくれた。おかげで僕の頭の中にはプリテンダーズがキンクスをカヴァーしているイメージ(実際にそんな曲はある)が湧いてきたので、12弦や、おかんのストラトを使って表現した。ドラムはいい音で録れていたものを敢えてEQで痩せた音に削った。なんでもかんでも太ければいいってものでもない。

僕とあなたの間の絶妙な距離。あなたと世界の間の微妙な距離。誰かと世界の絶望的な距離。エトセトラ。ディスタンスはいつだって難しい。

もう一点だけ。メディアやSNSによって、日本人から「間」がどんどん失われていってると思います。矢継ぎ早に自分の言いたいことを言うのではなく、「間」で語ることもできるんです。句読点、だいじ。個人的にそこに気をつけたいと思っています。

 

2025年、みんなのサポートにこころから感謝します。ほんとうにありがとう。良いお年を迎えてください。

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善きものたち

12月30日 火曜日 晴れ

見事にぎっくり腰と発熱を併発して、年末のともだちとの行事をすべてキャンセルせざるを得ませんでした。まぁ、身体があなたも老体なんだから、休んでくださいってメッセージだと受け止めることにします。数年前、新年1月2日にコを発症するって正月がありまして、ほんとに年始からひとつき最悪の時間を過ごしたので、2026年はスタートからコケないようにしたいと思います。

ええ、わたくし。元旦から走る気満々です。

正月はスタッフと話しあって、楽しんでもらえる企画も考えたので、お楽しみに。元旦からblogに遊びにきてください。今年は「カモネギシャチョー」のセールをやる余裕もないので。

アルバム音源の試聴環境ですが、もちろんすべての環境に対応できるよう制作しています。家のステレオセットはもちろんのこと、車、ヘッドフォン。ヘッドフォンだと音の分離とパニング、奥行きが楽しめるようになっています。「大雨洪水警報」はヘッドフォンで聞くと魚ちゃんが弾くベースラインがステレオで180度開いています。これはアナログでは針が飛ぶので、ぜったいにできないミックスなんです。もし、アナログ化することがあれば、この曲はモノラルミックスにせざるを得ないので、それもまたCDならではの楽しみ方ってことで。

製作者としてスマホでの試聴はお勧めしません。なぜって、スマホで聴くことを前提に創っていないからです。いまどき、マスタリングはスマホで聴かれることを想定して行われたりするのですが、我々は断固拒否しております。笑。まぁ、もちろん聴けないことはないし、聴く人の自由なんですけど。我々のコンサートをプロモートしている某イベンターの長にアルバムを送ったら、なんと彼は「聴く機械がないのでまだ聴けてないんです。すいません」って。おいおい。プロですら、そうなのかい。。。そりゃ、CDなんか売れるわけないよね。トホホ。

 

なので、年末企画。

長谷川博一さんとは事あるごとに会って、飲んで、夢を語ってました。彼と僕が「善きもの」だと思っている音楽を紹介しておきます。あえてどれも有名なものばかりだけれど、知らない人もいるだろうしね。大きな海に漕ぎ出すきっかけになればいいな、と。

Bobby Womack – Daylight

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World Party – Way Down Now

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Robbie Robertson – Shake This Town


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Jerry Garcia Band – Waiting for a Miracle


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Hothouse Flowers – One Tongue


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The Waterboys – The Whole of the Moon


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The Replacements – When It Began


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Joni Mitchell – Coyote


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細野晴臣 – 蝶々-San


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Little Feat- Willin’


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Warren Zevon – Searching For a Heart


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Lou Reed – Doin’ the Things That We Want To


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The Sound

12月29日 月曜日 晴れ

 

 

アルバム、これからみなさんの手に徐々に届くのですが、残念ながら現時点ではスーパー赤字。それゆえ、次作を創るのはほぼ100%不可能な状況です。年が明けたら、スタッフを含め話し合い、プロモーションの施策を考えますが、いちばん効果があるのは受け取った誰がが誰かに伝えてくれることなんです。なので、この時代、一人で楽しんでくれるのもいいんだけれど、ぐっと来たら、誰かに伝えてくれると嬉しいです。

リリースしたところで、困難な状況なのは最初からわかっていたことなので、メゲたりはしません。よろしくお願いします。アルバムの受付はこちらからです。1月中旬には発送します。

なにか、効果的なプロモーションはないのか、と。何度も書いたけれど、映像は好きじゃないんです。特に自分が出てくるやつは。この時代、強力なシンパシーをもって活動を見守っているJeff Tweedyが新譜のプロモーションで、自車を運転しながらアルバム3枚ぶん口ずさんでるだけってのがありまして。笑。これいいなぁ、と。この3枚組、僕にとって2025年のベストアルバムなんで。ぜひ。この映像以外では、録音したバンドとのライヴ映像が多く露出してるんで、それもアリなのか、と。

 

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今日は音の話です。The Sound。

ロックンロールは瞬間の芸術。あの瞬間を逃したら、それはもう二度とやってはこない。だから、ダラダラやっちゃダメなんです。このアルバムのために20数曲録音しました(すべて完成しているので、どういう形でか聴いてもらうつもりです)。すべて2.3テイク、曲によってはたった1回しか演奏していません。ファーストテイクにはなにがしかがあるのです。それが「その瞬間」という意味です。

古いNeveのコンソールをたまらなく愛していて。でも、もうそれらもほとんど現存しません。Neve博士の創ったコンロールは音があたたかく、太いんです。僕らのソニー時代、信濃町と六本木にあった、それらのNeveの恩恵をたっぷり受けました。サブスクのおかげでどんどんスタジオは潰れていきます。Neveは解体、あるいは国外流出。アーメン。みんなたつせつなものは亡くしてから気づくのです。

渋谷にあるともだちのスタジオ。博多時代からの古い仲間です。Neveもメンテナンスをしなきゃ動きません。潰れたスタジオからNeveを買い取って、予備のモジュールを持っています。僕らのエンジニア、森岡さんはソニー録音部の出身でNeveを使わせたら日本一。で、我々、彼と話し合って賭けに出ました。通常、ドラムをいちばん大きな部屋に置くのです。ジョン・ボーナムの音をイメージしてください。でも、今回逆転の発想で、ドラムをブースに閉じ込めたのです。これは80年代初頭までのチャーリー・ワッツをイメージしてください。Neveと森岡さんと池畑さんなら、きっと太くなるに違いない、と。

何度も書きますが、我々のスタジオにはクリックさえ(メトロノームのようなもの)ありません。だって、人間が演奏してんだもん。揺れて当然なわけで。60年代の音楽が素晴らしいのはチューナーもクリックもなかったんです。いまどき、クリックを使わないレコーディングもほぼないと思います。それゆえ、すべての曲でテンポは揺れ揺れで、ほとんど走ってます。でも、いいんです。それで。それが人間が演奏する意味だから。

そうやって20数曲を記録したのはわずか5日間。メンバー3人とエンジニアが揃っていたのはその期間だけです。そこから先の95日間はすべて僕がひとりで自分のスタジオで作業しました。演奏するのも、歌うのも、録音するのも、ミックスするのも、僕ただひとり。。。

どうしてそうしたかって?僕が一人で向き合うことがいちばんコストをカットできるからです。

エンジニアって専門職なんです。なんの教育も受けていない僕がやることじゃない。でも、自分の音楽のイメージは誰よりも僕の頭の中にあるわけで。そこに向かってさえいけば、到達できるはずなんです。そして、やるからには誰にも負けたくない。いい音だと言わせたい。それゆえ、阿蘇の山の中に機材を持ち込んで(僕はバイクで帰ったので、運んでくれたのは奥さんです)一人で向き合って完成させたのです。正確には阿蘇ですべてミックスし、持ち帰って細部をやり直すのにひとつきかかりました。

HWの特徴であるベースレス。半分は僕がベースを弾いて、半分は魚ちゃんの同時演奏による左手です。これまたなかなかなことでして、僕ももちろんベースを持っていますが、うちにはもっといいベースがたくさんあるので、許可なく勝手に弾きました。ポール・マッカートニーも細野さんもあとからベースを差し替えてたって聞いていたので、「オレにできないわけないじゃん」って根拠のない自信ってやつです。いろんな人が僕のベース、褒めてくれましたが、我ながらなかなかな演奏をしてると思います。同時に演奏していないので、難しいんです。うまくいかないときは日程を変えて、ベースを変えて、気分を変えて、録りました。

最後にソニーの録音部の最後の生き残りであるマスタリングエンジニアの酒井くんにどうしてもやってほしかったのです。なので、自分でソニーに電話しました。普通、個人相手にはやってくれないと思います。笑。「どちらの山口さんですか?」と聞かれたので「えっと、音楽やっています。山口です」って。笑。

酒井くんががっつり仕事をできるだけのマージンを確保しておきました。7dBはあったかな。ほんとうに素晴らしかった。しかも、1日だけではなく、気に入らなかったらと修正できるようにしてくれました。匠!そうやってさらに細かい修正を施して完成しました。

プレスもね。通常は個人では相手にしてくれない優秀な国内の某工場を某レーベルの社長の手引きで裏から入らせてもらいました。すべてがmade in JAPAN。古いNeveとソニーの録音部の受け継がれた技術、バンドの瞬間、メゲない情熱、阿蘇と湘南と渋谷の空気。すべてが詰まっています。

楽しんでください。

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共に生きる

12月28日 日曜日 晴れ 

 終演後、できるだけの人にアルバムを直接手渡してサインをしたい。これって、なかなかのことだけど、素直にそう思った自分がいて、ひとりひとりと話せたのはごくわずかな時間だけれど、転職をした人、定年を迎えた人、休職中の人、子供が生まれた人、病を抱えている人、肉親を亡くしたばかりの人、エトセトラ、エトセトラ。

 列に並んでくれた人の数だけ、それぞれのプレシャスなLIFEがあるんだと思い知りました。悪くなかった。Kohも音楽家として生きることのほんとうの意味を身体で理解してくれたようで、嬉しかったし、誇らしかった。

 I was proud that you were traveling and becoming a real musician. Let’s play together next time! って伝えました。

 ありがとう。

 どうしてHWは実力があるのにポピュラーにならないのか?これまで、そういう論調、うんざりするくらい聞いてきました。僕はね、売れたいと思ったことがないんです。でっかい会場でライヴをやりたいと思ったこともない。だから、スタッフにとってはたまらなくやっかいな存在だったと思います。具体的なわかりやすい目標な夢がないんだもん。でもね、少なからずこのblogを定期的に読んでくれたり、リリースしたものを働いたお金で買ってくれたり。そういう人たちと「共に生きる」って感覚はとてもあります。なにができるわけでもないけど、還暦すぎたヨボヨボの身体でも、そこに少年の頃の夢がそのままの形で宿っていること。それはほんとうなんです。

 ふと気づいたら、HWはフリーの集団になってました。誰一人、組織に属していない。会場の入り口によくある花なんてほぼないでしょ?あれはオレたちの誇りです。それだけ音楽業界から離脱していることを意味します。

 でもね。テックたちにもほんとうに愛されていて。あの日も昔、僕らのテックだった男がテック会社をやめ、フリーになって、自分でチケットを買ってやってくる。そりゃ、迎え入れようと思うでしょ。そんなチームなんです。このサイトを立ち上げたときからのスタッフに「ライヴおいでよ」って連絡したら「チケット買った!」って。その気持ちがどれだけ嬉しいか。

 ずいぶん前のことだけど、コレクターズがついに武道館のステージに立ったとき、ミュージシャン席みたいなところのチケットだったんだけど、全員チケットを買って応援してた。あったりまえのことなんだけど、それがわからないバカが多すぎるんです。

 共に生きよう。

 そう思っています。

 70過ぎて、ひとりで空冷のビートルを創ってる人に会いました。うわ!ここにいたって。ひょっとして、この人がオレの人生最後のクルマを創ってくれるんじゃないかって思ってます。もう電子制御のものは要らない。シンプル極まりないものをリビルドしてもらって、生涯それに乗る。そういう生き方がいいな、と思ってます。

 乗り物が好きだから、これまでも名車と呼ばれるものに乗ってきました。でも、20歳の頃に乗ってたビートルの空冷水平対向エンジン、リアエンジン-リアドライヴ。あのフィールがどうしても忘られないのです。

 ギター雑誌がグレッチ特集をしたらしく、どうしてオレが載ってないんだって、たくさん問い合わせがきました。笑。知らんがな。そんな雑誌、興味ないもん。用があるときだけアンケートとか依頼してくる雑誌でしょ?オレ、嫌いです。そんなのに載りたくない。オレのグレッチ、ヴィンテージものとしてはなんの価値もないそうです。だから、何?18歳のとき死ぬ思いをして手に入れたもの。プライスレスです。オレが弾いたら最高の音がする。生涯、それ一本。それでいいじゃん!

 共に生きます。

 薄っぺらいことはもうどうでもいいじゃん。生き方に誇りを持って、前を向いて生きよう。

 アルバム、正式発売前なのに、もう新しいものを創りたくなってる自分がいます。バカなのか?どうやらそのようで。元旦からソングライティングに没頭しようと思っています。

 アルバムの感想きかせてね。いちばん嬉しいのは「音」を褒められることです。大好物。笑。このクソデジタルの時代に我らの音楽は「ニンゲン」の香りがする音がなっていると思います。ヘッドフォンで聴いても、ステレオで爆音で聴いても、いい音になっているはずです。

 楽しんでください。ワン!

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