日別アーカイブ: 2011年10月5日

有事

10月5日 水曜日 雨   僕が某所で「有事のときに、俺はミュージシャンだと云ってられない」と発言したことを取り上げた人物が居て、それでもって、いろんな波紋が寄せられておりますが、はっきり云って、確かに僕はそう発言しました。それからそれを取り上げた人物に関して、僕は何の怒りもありません。当たり前です。くだらない。ただし、このようなことは前後の脈略なしに、伝わると、あらぬ誤解を生むものなので、ここで説明しておきたいと思うのです。  一例です。  現在、福島県相馬市の子供たちはガラスバッチと云う積算線量計を首からぶら下げています。その紐には「がんばろう日本」と書かれています。もう既にがんばってるっつーの。しかもガラスバッチには積算量が表示されません。更にそれを壊したり、なくしたりしたら4000円のお金を要求されます。被災地の人が怒り心頭なの、当たり前じゃないすか。子供はモルモットじゃないっつーの。イマジンしてください。あなたの子供が同じ目に遭ったとして、それを容認できますか?僕には子供が居ないけど、絶対に出来ません。子供にそんな想いをさせて、どうやって未来に希望を持てと偉そうに云えますか?これはほんの一例なんであって、それが僕の云う「有事」のほんの一例です。狂ってます。  このような活動をしていると、いろんな目で観られます。「うるさい奴だなぁ」、「あの人、宗教?」、「頭おかしいんじゃないの?」、エトセトラ。被災していない僕ですら、ここに至るまでに何度か心が折れました。でも、本当に大切なことも同時に教えてくれました。嗚呼、有事(嫌な言葉です)。ミュージシャンである前に、ニンゲンとして、どうしようもない怒りがあったり、哀しみがあったり、エトセトラ。そこにどうにか、明日への道筋を見つけない限り、僕がミュージシャンであることは難しいのです。稀に「すっ」と希望の道筋が見えるときがあります。そのとき、それが音楽と共に見えてきたら、それを書き留めています。それは僕にとってかけがえのない財産です。いつの日か、それが作品に昇華される日を僕は「ミュージシャン」として夢見ています。  昨日、プロジェクトが保有しているガイガーカウンターを借りてきて、僕が生息している環境を調べました。ここではっきりとお伝えしておきますが、僕が関東に生息しているのは自分の意志です。決して、安全だなんて思っていません。政府の云うことなんて、まったく信用していません。いつだって、何かがあれば、逃げる準備は出来ています。逃げ切れるかどうかは不明ですが。周囲がフツーに暮らしているから、きっと大丈夫なんだろう、なんて僕は思っていません。昨日、発表された数値と、僕が測った数値は桁がひとつ違うのも、また事実です。ただし、無用な混乱を避けるため、場所と数値は公表しません。そして、過度に怖れてもいません。事実を受け止め、人々にどう伝えるべきか考えるだけです。それもまた、僕にとっては「有事」なのです。  相馬市でイベントを開く事について。いつも考えます。相馬市には思い入れがあります。大丈夫であって欲しい。心からそう思っています。けれど、残念ながら、絶対に安全だとは云いきれない。怒りと共に、哀しみが襲ってきます。先日ストロンチウム90が2400ベクレルと一方的に政府から発表された地点が特定され、街の人たちは怒っているそうです。当たり前です。僕は相馬市に興味を持ってくれ、足を運ぼうとしている人たちを脅したいのではありません。何かがあった時に責任逃れをするために書いているのでもありません。ただし、もし足を運んでくれるのであれば、このような状況も合わせて、知って頂き、自分で責任を取れることを確認の上、現地の人々と交流して欲しいのです。これもまた「有事」の意味です。 追伸 スティーヴ・ジョブス、バート・ヤンシュ。二人とも僕にspecialな何かを与えてくれた人物でした。合掌。R.I.P。

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