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“Unknown Pleasures” HEATWAVE
2022.3.18 Release
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2020.6 Release
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2019.11 ReleaseOfficial Bootleg #007 “THE FIRST TRINITY” 181222 HEATWAVE
2019.5. Release日本のあちこちにYOUR SONGSを届けにいく 2018 山口洋
2019.3.25 Release『OFFICIAL BOOTLEG SERIES #006 19940524』 HEATWAVE
2018.12.19 Release『OFFICIAL BOOTLEG SERIES #005 171222』 HEATWAVE
2018.5.19 Release『Your Songs』 HEATWAVE
2017.12.26 Release『Carpe Diem』 HEATWAVE
2017.5.17 Release『OFFICIAL BOOTLEG #004 151226』 HEATWAVE
2016.12 Release
HWNR-012 ¥2,500(税込)『OFFICIAL BOOTLEG #003』 HEATWAVE
2015.5 Release
HWNR-010 ¥2,500(税込)DON'T LOOK BACK.
山口 洋 全詩集 1987-2013 B6サイズ 272P 特製栞付き ¥2,800THE ROCK'N ROLL DIARY, 2011 3.11〜 陽はまた昇る B6サイズ 176P ¥3,000SPEECHLESS Yamaguchi Hiroshi / Hosomi Sakana
2011.2.9 Release
NO REGRETS XBCD-6003
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日別アーカイブ: 2011年10月23日
45のmilestones
10月23日 日曜日 曇り レコードショップを営む福島県相馬人Mが、しきりに斉藤和義君のニューアルバムを絶賛する。僕は人里離れた山の中に居るにも関わらず、どーしても彼のアルバムが聞きたくなってしまった。罪な男じゃー。つーか、これがプロモーションだよね、本当の意味での。とにかく、僕は和義飢餓状態に陥ってしまった。云っておくけど、僕はホモじゃない。でも、こういうのに理由なんかないのである。聞きたいものは聞きたい。どーしても聞きたい。でも、この近くには売っていない。ここじゃネットも使えない。斉藤君本人に連絡して、「アルバム送ってよー」なんて姑息なことも云いたくない。ならば、手に入れるのじゃ。何としてでも。 往復40キロ近く行ったところに、本屋とCD屋とスポーツショップが合体した小さな店がある。そこに行ってみるべ。入り口には近所の中学校のオフシャル体操服が売られ、奥にある本屋との間に、僕んちにあるCD棚より小さいCDショップがある。全部のCDを観るのに要する時間、3分。ない。ないのである。僕は更に和義飢餓状態に陥ってしまった。脳味噌は和義ワンダーランド。重ねて云っておくけど、僕はホモじゃない。うーん、ここからいちばん近いCD屋は。往復100キロだな。じゃ、行くべ。僕は山道をすっとばして、更に麓の街に下った。その店は「ことぶきレコード」と云って、昔僕らが育った街にあったような、演歌と歌謡曲がメインの由緒正しきショップなのである。僕が育った街には「Oレコードショップ」という小さな店があって、同じような品揃えだったのだが、高校二年生のとき、ルー・リードの「トランスフォーマー」を買ったら、店主のおばさんが感激して「私はこのレコードが売れる日を夢見てたのよ」と云われたことがある。 話を戻して。 僕はことぶきレコードの隣にあるセブンイレブンにドリフト気味に車をとめて、店に入った。店主は期待通りにおばさんだった。自分で探す前に「斉藤和義(呼び捨てにしてごめん)の新しいアルバム、ありますか?」。おばさん、にっこり微笑んで「こちらでーす」と僕を誘導してくれた。かくして、僕は手に入れたのである。ニューアルバム「45stones」。僕は車に戻り、爆音で再生する。うーん、素晴らしい。 低血糖って分かるよね?僕も走りだすまでは無縁だった。でも、体脂肪がみるみる落ちて、初めて30キロ走ったとき、「ハンガーノック」と云われる超低血糖状態を経験した。なんつーか、その。身体が震えてどうにもならない。本当にどうにもならないのである。 あの日以降。心のどこかがずーっと低血糖状態にあった。プルプルと小刻みに震えている。恐怖じゃない、すべてが怒りでもない。でも、そうとしか言いようのない状態が続いてはいた。僕は彼の歌に救いや答えを求めていないし、代弁して欲しかったのでもない。でも、ハンガーノックがコーラ一本で脱出できるように、そのような音楽を求めていたのは事実だと思う。 僕は同業者だし、彼をリスペクトしているから評論なんてしない。でも「45stones」は腑に落ちるって言葉通りに、すーっと僕に入ってきて、その震えを止めてくれた。 これは僕の推測なのだけれど、彼は確たる何かを持ってスタジオに入ったのではないと思う。ただ、自分の心から出てくるものに正直であろうとして(推測だよ)、その一点を最後まで貫いた。何処にたどり着くのか不明な旅を音楽家として、楽しもうとした。だから、ときどき荒削りな断片が心のひだのように聞こえ、かきならされるギターからは愛が伝わり、やるせなくて、ダルいんだけど、妙にリアルで、笑えて、ひっかかる言葉があって、聞いたあとには一本の道が浮かんでくる。そんな45のmilestone(道標)みたいなアルバムが出来たんだと思う。 何だかなー。「正しいCDの買い方」って言葉しか書けないんだけど、「45stones」を巡る小さな旅。愉しかったなぁ。ありがとね。少なくとも、僕の旅も何処にたどり着くのかまったく不明なんだけど、自分の心から出てきたものに、正直であろうと思うよ。また、何処かの空の下でね。多謝&再見。