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画家の言葉

3月27日 木曜日 雨 ソロ・アルバムを人に伝えるにあたって、誰に文章を書いてもらおうって話になった。フツー、それ、音楽評論家。でも、言葉をデザインできるTが「そりゃ、ジャケットを描いてくれたMさんでしょ」と云う。固辞するMをやんわりと書かなきゃいけない状況に追いこんで(失礼)、送られてきた文章が以下。 こういうの、いいよなぁ。みんな発想が自由だ。素敵。向井、ありがとね。 ————————————– 旅をする人は羨ましい。庭のかたすみにイーゼルを据え、その前を離れることの出来ない私は、小さな日々を見つめながら、ここではないどこかへ繋がる道を探しつづけている。雨がトタン屋根をたたき、風が木の枝を揺らす。陽が地べたを焼き、そして山口は歌う。世界の美しさと醜さを、広がりと深みを。たとえ世界が矛盾に満ちていようとも、ただひとりの人間は信じるに値することを。その歌は旅と出会いへの誘いなのだ。 経験の歌。出会ったころは色白で顔立ちの整った少年、きかん坊なところは今も変わらない。そんな山口が四十年近くの歳月を経て、いまも目の前にいる。その顔立ちはもはや昔のようではない。肌には皺が目につき始めた。いくぶん無骨になった顎の線を目で追いながら想像する。この顔を打った雨や吹いた風、この顔を焼いた陽について。そして初めて思った。旅が経験であるようにこの顔を描いてみたいと。喜怒と愛憎、あるいは慈悲。さまざまな鑿で刻まれた旅の刻印を辿るように。 2014年3月 画家 向井三郎 ————————————– てな訳で、フライヤー完成。宣伝と云うより、画家の作品を部屋に貼ってもらうことを「僕らの宣伝」として作ってみました。「2014 APRIL on sale」って、とってもアバウトなところが気に入ってます。 これを機会に向井三郎の絵にも触れてくれたら嬉しいです。奴と僕は40年に渡って、音楽と絵で、そんなに遠くないことを互いに表現してきたと思っています。 ————————————- 僕は彼のファンなんだけど、なまじっかのロッカーよりぜんぜんロッカーだよ。格好いい。

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