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HEATWAVE OFFICIAL BOOTLEG SERIES #008 / 2021122640 Years in a BLINK HEATWAVE
“Unknown Pleasures” HEATWAVE
2022.3.18 Release
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2020.6 Release
詳細/購入はコチラ »Blink HEATWAVE
2019.11 ReleaseOfficial Bootleg #007 “THE FIRST TRINITY” 181222 HEATWAVE
2019.5. Release日本のあちこちにYOUR SONGSを届けにいく 2018 山口洋
2019.3.25 Release『OFFICIAL BOOTLEG SERIES #006 19940524』 HEATWAVE
2018.12.19 Release『OFFICIAL BOOTLEG SERIES #005 171222』 HEATWAVE
2018.5.19 Release『Your Songs』 HEATWAVE
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2017.5.17 Release『OFFICIAL BOOTLEG #004 151226』 HEATWAVE
2016.12 Release
HWNR-012 ¥2,500(税込)『OFFICIAL BOOTLEG #003』 HEATWAVE
2015.5 Release
HWNR-010 ¥2,500(税込)DON'T LOOK BACK.
山口 洋 全詩集 1987-2013 B6サイズ 272P 特製栞付き ¥2,800THE ROCK'N ROLL DIARY, 2011 3.11〜 陽はまた昇る B6サイズ 176P ¥3,000SPEECHLESS Yamaguchi Hiroshi / Hosomi Sakana
2011.2.9 Release
NO REGRETS XBCD-6003
¥3.000 (TAX IN)
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日別アーカイブ: 2014年8月29日
レコーディング航海日誌#039
8月29日 金曜日 雨 今、一番欲しいものは「時間」。お金で買えるのなら買いたい。でも、お金持ちにも貧乏人にも等しく一日は24時間しか与えられない。ならば、プライオリティーを決めるしかない。何をたいせつにするか、それが問題。 スタジオにカンヅメの日々。人にも会っていなかった。そんなときに、ライヴのお誘い。出演するんじゃないよ、観客として。一瞬だけ、考えた。そんなことしてる場合か?してる場合なんです。多分。いつもの直感ってやつです。誘ってくれた人物とその一味が「偶然」を「必然」に変える瞬間をたくさん見てきたのです。だから、ちょー早起きして早朝レコーディング。時間がないなら作れ、ホトトギス。 ——————————————————— ここから僕が書くことは、ほんとうに、僕のこころが感じたことです。眠たいけれど、記しておきたいのです。この世はまだ瑞々しい瞬間に満ちています。 南青山のマンダラで行われた仲井戸麗市さんと宮古島出身の下地勇くんのライヴ。二人は今年、那覇で出会ったそうです。仲人はバンバンバザールとリクオ。good job! 宮古の言葉で歌う勇にチャボさんがこころを動かされ、今日のライヴに至る、と。 客席で二人のパフォーマンスを見る。それは新鮮という言葉では余りある体験でした。マンダラでは去年、チャボさんと3回も演奏させてもらったので、会場のことを知ったつもりで居ましたが、まったく分かっていませんでした。マンダラー(マンダラのスタッフ)の音楽への愛を。細かいことは書きませんが、演者と一緒になって、ひとつのコンサートを作り上げるために、細心の注意を払い、彼らはプライドを持って働いていました。PA、照明はもちろんのこと、ホールのすべてのスタッフ。それを理解しているチャボさんがステージから感謝の言葉を投げかけると、そこにまずひとつの大きな愛のループが生まれます。 勇は沖縄じゃ知らない人を探す方が難しいと思います。何つったって那覇空港にあるオリオンビールの巨大看板、勇だし。でも、南青山じゃちょっとアウェイ。しかもレジェンドと演奏すると来た日には。 僕もチャボさんと初めてステージに立たせてもらった日のことをはっきりと覚えています。どえらい緊張したことも。でも、僕も勇もステージに上がると、前述の大きな愛のループに包まれるところからスタートするのです。そんなライヴ、ありません。しかも、客席から見ると、それをひしひしと感じます。仲井戸麗市・人間的総合力、略してチャボぢから。 ライヴの具体的な内容については記せません。それは観た人の特権ですから。 二人は、たどり着く場所が分かっているのなら、それは旅とは呼ばないタイプの旅人でした。 開演前のセプテンバー・ソング(クルト・ワイル!)から終演後のボブ・マーリーまで。あちこちに旅をしました。二人のセットチェンジの間の無音。それもまた音楽でした。 いくつになろうとも、居場所ってものは、ありそうでないから歌うんだってことが僕を励ましてくれました。 たった3時間の間に、これだけ様々な夏について、蝉について、潮騒について、考えたのは初めての経験でした。夏の終わりはどうしてこんなに切ないのか?そう思っていたのは僕だけじゃなかったんすね。 ありがとう。今年の夏。みんないい秋をな。—— 反則だと思います。笑。 愛と敬意と冒険心。特殊効果が皆無のステージ。それゆえ、まっさらな背景に短編映画を僕は観ていました。白綿の布に絵具を落として滲んでいく。そんな映画です。ときどき歌っている人のLIFEそのものがフラッシュバックのように映し出されて、そして消えました。LIFEは線香花火に似ているのかもしれないです。でも、でっかい花火より、線香花火の方が好きです。 新宿生まれのチャボさんと宮古島(台湾の方がよっぽど近い)生まれの勇。二人が連れて行ってくれたいちばん遠い場所は(僕にとっては)な、なんと、驚きのキューバ(行ったことないけど)。そこでは老人と少年が夕暮れの海に佇んでいて、ヘミングウェイがその光景を眺めていたのです。ほんとだぜ。 「大人になるってどういう意味なのか分からない」。そうのたまっておられたのは、まったくスレていない永遠の少年二匹でした。僕も分からないんです。大人になることの意味が。 「誰かが捨てた空き缶を誰かが拾っていた」。この18文字はあれから6時間経過した今でも脳味噌でループしています。 宮古の言葉で「あらたか」。それは「かけがえのない」という意味だそうです。なんてプレシャス。うつくしい響き。言葉に恋をする感性が自分に残っていたことが嬉しいです。自分のことばっかり書いてすいません。だって、ほんとなんだもん。 今朝、レコーディングしながら呪文のようにつぶやいていた言葉。「強さじゃないんだ、風なんだ」。虚勢なんてどうでもいい、自分の意志で流れている風の方がよっぽど強いんだ。って自分を鼓舞してたんですが、その通りの風景がここにありました。しんくろにしてぃー。 二人が奏でるそれぞれのアムリタ・ギター。まったく違う音が重なり合って響き合うとき。抜群の蕎麦とつけ汁が出会ったような(この形容、伝わるかなぁ)。オレ、ギターが好きで良かった。指のタッチがね、それぞれに素晴らしかったのです。オレ、ギターがもっと好きになりました。こんなに凄い楽器なんだ。 正直。疲労はたまっていたのです。でも、チャボさんと勇と、そしてオレの仕事、つまりミュージシャンって凄え!晩ご飯を食べていないにも関わらず、ライヴが終わると、美味しいご飯を食べたような幸福感に包まれました。そして、驚いたことに、ほんとうに胸いっぱい。そしてお腹もいっぱいだったのです。 この世に意味のない仕事なんてない。誰もが、自分の手を動かすことで、誰かと関わって生きている。そしてそれがどれだけ幸福なことなのか。こころからそう思いました。 音楽ってすげぇ。睡眠不足の身体は明日のエネルギーで満ちています。で、眠たいのに幸福すぎて眠れません。チャボさん、勇、責任取って。笑。 感謝です。それしか、ありません。