日別アーカイブ: 2016年2月3日

day #021 Beautiful Powder Days

2月2日 火曜日 雪 3日に渡る大雪警報は去った。新しく積もった1メートルあまりの雪とともに、3日間であらゆるパウダーの局面を経験させてもらった。ときに天上人になったようで、ときに(ときに、じゃないな、何度も)見えない地形に吹っ飛ばされ、ときにエクストリームのバックカントリーで、パウダーに埋まったまま一生抜け出せないかもという恐怖を味わった。単独行はリスクがデカい。スーパー愉しく、そして怖かった。でも、充実感と極度の疲労と空腹。部屋とYシャツと私じゃなくて。笑。 「あそこで骨なんか折って、雪に埋まった日にゃ、一晩で凍死して、発見されるのは春だな、あはは」みたいな。まったく「あはは」じゃないよ。人間の手が入っていない自然のままの森では何でもあり得る。見えないけど岩はあちこちにあるし、ひっかかったらTHE END。でも、意を決して、スピードを出して進まないと、スタックして自分を掘り起こす目に遭う。掘り起こすのは相当なエネルギーを消耗する。ちょいとコントロールを間違えたら、木に激突したり、滑落したり、骨の一本は覚悟しなきゃならん。骨を折るってことは、森から戻れない可能性があるってことで、スキーパトロールも発見してくれないかもってことで、すべてはオウンリスクにて、上記の如く、それは死を意味したりもするのだった。 で、「細心の注意を払ってんですよ」とのたもうたなら、マスターが何と云ったか。「ダメだね、考えちゃ。脳で進んじゃダメだ。自由になったら、筋肉が勝手に反応するから、道が見えてくるから」。目が覚めたね。120%考えてたもんね。次のラインをどう進めばいいのか。確かに反応は遅れる。 音楽もまるで同じ。考えたら反応できない。昔、KILAのローナンがステージで僕にこう云った。「ヒロシ、考えるな、感じるんだ」。そのとき、奴らはオレの知らない曲をおっぱじめていた。あの瞬間から僕は変わった。知らない曲を演奏しているときほど、冷静で、それでいてコーフンしていることはない。それと同じ。もう一言云うなら、LIFEも同じかもね。スポンテニアスに生きるってことはね。 誤解しないで欲しいんだけど、僕は危険なことを勧めてるわけじゃない。誰にも勧めない。でもね、その向こうにはきっと何かがある。自由もある。あるんだよ、きっと。だから、焦がれるんだろうね。オレにはまだ分からないことだらけだけどね。音楽だけじゃ見えない世界が確かにあるんだよ。そんな訳で、写真なんか撮れる訳がなく。余裕もないし。てか、写らない。ここまで来ると。 更にマスターは語る。「これだけパウダーがあるならBOWLは最高だよ。上から下まであの角度でも、直滑降で行ける。ただし、コケたら肩の一本は折れるけどね」。嗚呼。まったく。 清原 ! オレと一緒に、山でスノーボードしよう。煩悩は分からないけど、たいせつなものは見えてくると思うな。      

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