日別アーカイブ: 2021年8月25日

ありがとう!

8月25日 水曜日 晴れ いつかこの日がやってくるのはわかってはいた。 でも、とつぜんそれがやってくると、受け入れることができずに呆然としてしまう。 ともだちのミュージシャンと飲むと、よく話題になる。 「ストーンズはどうやって終わりを迎えるんだろう?」。かつてジョン・ボーナムを失ったときのツエッペリンのように、あるいはスティーブ・ジョーダンを従えてツアーを続行するのがロックンロールなのか、、、。 なんにせよ。チャーリー・ワッツは巨大な僕のヒーローだった。謙虚で驕らず、ロックスターっぽいところが微塵もなく、愛妻家で、静かだけれど、ものすごく一本の筋が通っている男。ダンディーで、スーツがいつもお似合いだった。でもライヴはラフなTシャツ、ときどき靴はエナメル。まぁ、徹底的にシビれる人。 僕の好きなストーンズはチャーリーとビルのあの、奇蹟の組み合わせが産み出すグルーヴ。いつだって彼は世界一好きなドラマー。 チャーリーのタムの上にあるチャイナ、一度でいいからしばくのを近距離で感じたかった。グレッチのバスドラに、なんであんな音がするのか頭を突っ込んでみたかった。3拍目を抜くハイハットはいつだって真似してたし、世界中のハゲに勇気を与えたし、嗚呼。 一番好きフィルはね。アルバム、エモーショナル・レスキューの「Boys Go」のイントロ。あれはもはやマジックの領域。生きてるうちにあれを超えるリズムトラックを録るのが夢で、なにより、チャーリーと一度でいいから一緒に演奏させてもらうことが僕の夢だった。 それはもう叶わない。 でも、彼から勝手に受け継いだ美学、そしてグルーヴがあるからね。それを伝承していくのが自分の役目だと思ってる。 寂しいけどね。彼がこの世にいないなんてね。 チャーリー、ほんとうにありがとう!

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